EMシステムズ Research Memo(4):薬局向けシステムのリーディングカンパニー
[22/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■EMシステムズ<4820>の事業概要
同社グループでは、「調剤システム事業」「医科システム事業」「介護/福祉システム事業」「その他の事業」の4つの事業を展開している。「調剤システム事業」は薬局向けの調剤業務処理用コンピュータシステムを開発、販売し、付帯するサプライの供給、保守メンテナンスサービスを行い、全社売上高の79.6%(2022年12月期第2四半期)、全社営業利益の110.0%(同)を占める大黒柱である。「医科システム事業」は、クリニックを主とする医療機関向けに医療業務処理用コンピュータシステムを開発、販売し、付帯するサプライの供給、保守メンテナンスサービスを行い、全社売上高の13.1%(同)である。「介護/福祉システム事業」は、介護/福祉サービス事業者向けのシステムと医療介護情報連携ソリューションを開発、販売し、保守メンテナンスサービスを行う。なお、「介護/福祉システム事業」は全社売上高の3.3%(同)である。「その他の事業」は、連結子会社を通じて、主にキャッシュレス事業と薬局を運営し、全社売上高の4.3%(同)である。
1. 調剤システム事業
薬局向けの調剤業務処理用コンピュータシステムの開発・販売、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っている。
主要製品は薬局向け医療業務処理用コンピュータシステム(製品名:「Recepty NEXT」)で、自社開発のソフトウェアをパソコンに導入調整してユーザーに納入する。同社や販売代理店経由で販売している。OEM供給も行っており、ユーザーの薬局数は17,952件(シェア35.9%、2022年6月末)となっている。また、クラウドを活用した調剤レセプト支援システム、電子薬歴、薬局内情報管理システムも提供している。
2019年3月期からは、ハードウェアの販売に依存せず、課金収入などが主体の「完全ストック型」のビジネスモデルへの変革を開始している。ソフトウェアの提供形態も「完全クラウド化」を目指しており、ユーザーが導入しやすく、保守も楽になる世界を築く計画である。
ビジネスモデル改革前の2018年3月期通期には課金売上(ストック型ビジネスモデル)は33.4%だったが、2021年12月期通期では36.4%(3.0ポイント上昇)に上昇しており、ビジネスモデルの変革が順調に進捗していることがわかる。課金売上とサプライ&保守売上の合計を“ストック売上”と定義すれば、全体の59.3%を占める。2022年12月期第2四半期にこの“ストック売上”比率が53.2%に低下したのは、オンライン資格確認システムの導入設置拡大による初期売上の増加が要因であり、“ストック売上”金額の増加は順調である。
2. 医科システム事業
クリニックを主とする医療機関向けの医療業務処理用コンピュータシステムの開発・販売、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っている。主要製品はクリニック・無床診療所向けの医事会計融合型電子カルテシステム(製品名:「MRN(Medical Recepty NEXT)カルテスタイル」)及び医事会計システム(製品名:「MRNクラークスタイル」、「ユニメディカル」)で、同社グループが自社開発したソフトウェアをパソコンに導入調整しユーザーに直販、または販売代理店経由で販売する。2016年7月より「買ってすぐ使える電子カルテ」をコンセプトとした診療所向け電子カルテシステム「オルテア(Ortia)」の発売を開始した。ユーザーである診療所・クリニック数は2,816件(シェア3.1%、2022年6月末)となっている。
医科分野においても調剤分野と同様に、2019年3月期から、ハードウェアの販売に依存せず、課金収入などが主体の「完全ストック型」のビジネスモデルへの変革を開始している。ソフトウェアの提供形態も「完全クラウド化」を目指しており、ユーザーが導入しやすく、保守も楽になる世界を築く計画である。次世代主力製品であるMAPsの本格稼働により増加した減価償却費などにより一時的に営業損失を計上していたが、オンライン資格確認システムの導入設置拡大も追い風となり、2021年12月期下期にはセグメント利益が黒字転換した。今期は、専門の営業組織に変更し、人材への先行投資を行っているためセグメントとして赤字基調ではあるが、サブスクリプションモデルでの規模拡大が順調に進んでおり、将来的には利益の向上が見込まれる。
ビジネスモデル改革前の2018年3月期通期には課金売上(ストック型ビジネスモデル)は23.2%だったが、2022年12月期第2四半期では36.3%(13.1ポイント上昇)に上昇しており、ビジネスモデルの変革が大幅に進捗していることがわかる。
3. 介護/福祉システム事業
介護/福祉サービス事業者向けシステムと医療介護情報連携ソリューションの開発・販売、保守メンテナンスサービスを行っている。2019年2月に、(株)ジャニスから介護サービス事業者向けシステム事業を譲受し、2019年3月に施設系サービス分野及び地域包括支援センター向けサービス分野に強みを持つエムウィンソフト(株)を連結子会社化し、介護/福祉サービス事業者向けシステム事業分野は大幅に強化された。これにより同社に今まで欠けていたピースがそろい、ヘルスケア分野(医科・調剤・介護/福祉)全般に対しての対応が可能となった。ユーザーの介護/福祉施設数は14,292件(シェア5.7%、2022年6月末)となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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同社グループでは、「調剤システム事業」「医科システム事業」「介護/福祉システム事業」「その他の事業」の4つの事業を展開している。「調剤システム事業」は薬局向けの調剤業務処理用コンピュータシステムを開発、販売し、付帯するサプライの供給、保守メンテナンスサービスを行い、全社売上高の79.6%(2022年12月期第2四半期)、全社営業利益の110.0%(同)を占める大黒柱である。「医科システム事業」は、クリニックを主とする医療機関向けに医療業務処理用コンピュータシステムを開発、販売し、付帯するサプライの供給、保守メンテナンスサービスを行い、全社売上高の13.1%(同)である。「介護/福祉システム事業」は、介護/福祉サービス事業者向けのシステムと医療介護情報連携ソリューションを開発、販売し、保守メンテナンスサービスを行う。なお、「介護/福祉システム事業」は全社売上高の3.3%(同)である。「その他の事業」は、連結子会社を通じて、主にキャッシュレス事業と薬局を運営し、全社売上高の4.3%(同)である。
1. 調剤システム事業
薬局向けの調剤業務処理用コンピュータシステムの開発・販売、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っている。
主要製品は薬局向け医療業務処理用コンピュータシステム(製品名:「Recepty NEXT」)で、自社開発のソフトウェアをパソコンに導入調整してユーザーに納入する。同社や販売代理店経由で販売している。OEM供給も行っており、ユーザーの薬局数は17,952件(シェア35.9%、2022年6月末)となっている。また、クラウドを活用した調剤レセプト支援システム、電子薬歴、薬局内情報管理システムも提供している。
2019年3月期からは、ハードウェアの販売に依存せず、課金収入などが主体の「完全ストック型」のビジネスモデルへの変革を開始している。ソフトウェアの提供形態も「完全クラウド化」を目指しており、ユーザーが導入しやすく、保守も楽になる世界を築く計画である。
ビジネスモデル改革前の2018年3月期通期には課金売上(ストック型ビジネスモデル)は33.4%だったが、2021年12月期通期では36.4%(3.0ポイント上昇)に上昇しており、ビジネスモデルの変革が順調に進捗していることがわかる。課金売上とサプライ&保守売上の合計を“ストック売上”と定義すれば、全体の59.3%を占める。2022年12月期第2四半期にこの“ストック売上”比率が53.2%に低下したのは、オンライン資格確認システムの導入設置拡大による初期売上の増加が要因であり、“ストック売上”金額の増加は順調である。
2. 医科システム事業
クリニックを主とする医療機関向けの医療業務処理用コンピュータシステムの開発・販売、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っている。主要製品はクリニック・無床診療所向けの医事会計融合型電子カルテシステム(製品名:「MRN(Medical Recepty NEXT)カルテスタイル」)及び医事会計システム(製品名:「MRNクラークスタイル」、「ユニメディカル」)で、同社グループが自社開発したソフトウェアをパソコンに導入調整しユーザーに直販、または販売代理店経由で販売する。2016年7月より「買ってすぐ使える電子カルテ」をコンセプトとした診療所向け電子カルテシステム「オルテア(Ortia)」の発売を開始した。ユーザーである診療所・クリニック数は2,816件(シェア3.1%、2022年6月末)となっている。
医科分野においても調剤分野と同様に、2019年3月期から、ハードウェアの販売に依存せず、課金収入などが主体の「完全ストック型」のビジネスモデルへの変革を開始している。ソフトウェアの提供形態も「完全クラウド化」を目指しており、ユーザーが導入しやすく、保守も楽になる世界を築く計画である。次世代主力製品であるMAPsの本格稼働により増加した減価償却費などにより一時的に営業損失を計上していたが、オンライン資格確認システムの導入設置拡大も追い風となり、2021年12月期下期にはセグメント利益が黒字転換した。今期は、専門の営業組織に変更し、人材への先行投資を行っているためセグメントとして赤字基調ではあるが、サブスクリプションモデルでの規模拡大が順調に進んでおり、将来的には利益の向上が見込まれる。
ビジネスモデル改革前の2018年3月期通期には課金売上(ストック型ビジネスモデル)は23.2%だったが、2022年12月期第2四半期では36.3%(13.1ポイント上昇)に上昇しており、ビジネスモデルの変革が大幅に進捗していることがわかる。
3. 介護/福祉システム事業
介護/福祉サービス事業者向けシステムと医療介護情報連携ソリューションの開発・販売、保守メンテナンスサービスを行っている。2019年2月に、(株)ジャニスから介護サービス事業者向けシステム事業を譲受し、2019年3月に施設系サービス分野及び地域包括支援センター向けサービス分野に強みを持つエムウィンソフト(株)を連結子会社化し、介護/福祉サービス事業者向けシステム事業分野は大幅に強化された。これにより同社に今まで欠けていたピースがそろい、ヘルスケア分野(医科・調剤・介護/福祉)全般に対しての対応が可能となった。ユーザーの介護/福祉施設数は14,292件(シェア5.7%、2022年6月末)となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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