日産東HD Research Memo(4):EV販売のパイオニア、ストックビジネス、店舗ネットワークは同社の強み
[22/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
2. カーライフのワンストップサービスを支える強み
日産東京販売ホールディングス<8291>のビジネスモデルの特徴は、顧客にカーライフ(モビリティ)のワンストップサービスを提供し、商品・サービスのラインナップと付加価値の提案により顧客のLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図っていくところにある。カーライフのワンストップサービスにより、同社の拠点であれば、新車や中古車の販売、個人リース、車検・定期点検・整備・修理といったアフターサービス、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダーなどオプション部用品の販売、保険や金融商品(クレジット・リース)ほか関連サービスなど、カーライフに関するすべてのサービスを顧客に提供することができる。カーライフのワンストップサービスは、同社にとっても、新車の販売→中古車の下取→各種サービスの提供というバリューサイクルの構築を通じて、企業収益を安定させるストックビジネスにつながっている。こうしたカーライフのワンストップサービスが同社のビジネスモデルを特徴づけていると言えよう。
そして、同社のビジネスモデルを支えているのが、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に根差した店舗ネットワークという3つの強みである。EV販売のパイオニアとしての強みは、業界をリードするEVの販売・サービス体制とノウハウにあり、12年間累計10,000台に達する販売台数(2022年12月見込み)やラインナップの充実など販売・リース面、700名の日産EV認定整備士、3ヶ所のEV重整備工場などメンテナンス面、東京都内の3分の1にあたる100基の急速充電器や65基ある災害時非常電源「パワー・ムーバー」などインフラ面における実績に象徴される。なお、急速充電器は24時間・365日利用可能で、20,000回/月以上の充電に耐えることができる。顧客基盤35万件のストックビジネスも強みで、年間入庫台数約70万台、メンテナンスパック会員数約12万件、金融商品利用率約50%、中古車の保険付保件数約13万件といった実績が積み上がっており、ストックビジネス営業費カバー率※は約9割に達している。個人リースもストックビジネスで、オールインワンの利便性や時代に合わせた独自商品開発、5年以内8割超との定着率という高い再利用率と早期代替(買換)効果、リースアップ車両の再販による中古車仕入の確保、及び25年に及ぶ運営実績などを背景に、東京都の個人リース市場において約40%という高いシェアを誇っている。地域に根差した店舗ネットワークも強みで、ニッサン・リテール・コンセプト導入店など日産東京販売の新車店舗113店(ルノーを含む)、中古車店舗19店、車検館店舗12店、NTオート8センターというリアルな拠点網によって東京の人口の9割をカバーし、東京を中心に首都圏にモビリティ事業のネットワークを展開するためのバックボーンとなっている。
※ストックビジネス営業費カバー率:新車以外の売上総利益で営業費をカバーする割合。
先端技術搭載の新型車投入を加速する日産自動車
3. 「ベストプラクティス」や日産車ディーラーの強み
ほかに、日産販売会社3社をグループ化して以来現在まで続いている、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していく「ベストプラクティス」も同社の強みと考える。「ベストプラクティス」という強みによって、同社の販促や営業のヒット率が上がり、顧客のニーズに合わせた商品提案力が向上し、1台当たりの販売単価が高くなるという効果が生じている。その結果、東京という高コストのエリアに立地していながら、自動車ディーラーとしては相対的に高い営業利益率を達成できる理由にもなっている。
また、他社に先駆けEVにフォーカスしたことによって、時流に乗り勢いづいている日産車のディーラーであることも強みといえる。日産自動車は、現在実行している中期4ヵ年計画「Nissan NEXT」において、電動化と知能化によって先進運転支援技術を搭載した電動車※の開発を強化することで、2026年度までにプロパイロットを250万台以上販売する一方、2028年までに次世代電池である全固体電池を市場投入、2030年までに次世代高性能LiDAR(自動運転のコア技術)を大半の新型車に搭載する方針である。その結果、2030年度までにはEV15車種を含む23車種の新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大することを目指している。また、「Nissan NEXT」に出てくる「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」は、自動車が運転者をパートナーとして認識し、コミュニケーションをとり、学習し、予測し、充電する??そのような日産自動車の先進性と攻勢を示すキャンペーンコンセプトで、運転者が安心してドライブするだけでなく、周囲の世界とコネクトした新たな体験ができる、まったく新しいドライビングを提供していく考えである。究極的には、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」や「ゼロ・フェイタリティ(交通事故死ゼロ)」の社会を実現することを目的としている。
※電動車:電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV、PHV)、ハイブリッド車(HEV、HV)、燃料電池車(FCEV、FCV)。同社の場合はEVとe-POWERおよびハイブリッド車。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>
2. カーライフのワンストップサービスを支える強み
日産東京販売ホールディングス<8291>のビジネスモデルの特徴は、顧客にカーライフ(モビリティ)のワンストップサービスを提供し、商品・サービスのラインナップと付加価値の提案により顧客のLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図っていくところにある。カーライフのワンストップサービスにより、同社の拠点であれば、新車や中古車の販売、個人リース、車検・定期点検・整備・修理といったアフターサービス、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダーなどオプション部用品の販売、保険や金融商品(クレジット・リース)ほか関連サービスなど、カーライフに関するすべてのサービスを顧客に提供することができる。カーライフのワンストップサービスは、同社にとっても、新車の販売→中古車の下取→各種サービスの提供というバリューサイクルの構築を通じて、企業収益を安定させるストックビジネスにつながっている。こうしたカーライフのワンストップサービスが同社のビジネスモデルを特徴づけていると言えよう。
そして、同社のビジネスモデルを支えているのが、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に根差した店舗ネットワークという3つの強みである。EV販売のパイオニアとしての強みは、業界をリードするEVの販売・サービス体制とノウハウにあり、12年間累計10,000台に達する販売台数(2022年12月見込み)やラインナップの充実など販売・リース面、700名の日産EV認定整備士、3ヶ所のEV重整備工場などメンテナンス面、東京都内の3分の1にあたる100基の急速充電器や65基ある災害時非常電源「パワー・ムーバー」などインフラ面における実績に象徴される。なお、急速充電器は24時間・365日利用可能で、20,000回/月以上の充電に耐えることができる。顧客基盤35万件のストックビジネスも強みで、年間入庫台数約70万台、メンテナンスパック会員数約12万件、金融商品利用率約50%、中古車の保険付保件数約13万件といった実績が積み上がっており、ストックビジネス営業費カバー率※は約9割に達している。個人リースもストックビジネスで、オールインワンの利便性や時代に合わせた独自商品開発、5年以内8割超との定着率という高い再利用率と早期代替(買換)効果、リースアップ車両の再販による中古車仕入の確保、及び25年に及ぶ運営実績などを背景に、東京都の個人リース市場において約40%という高いシェアを誇っている。地域に根差した店舗ネットワークも強みで、ニッサン・リテール・コンセプト導入店など日産東京販売の新車店舗113店(ルノーを含む)、中古車店舗19店、車検館店舗12店、NTオート8センターというリアルな拠点網によって東京の人口の9割をカバーし、東京を中心に首都圏にモビリティ事業のネットワークを展開するためのバックボーンとなっている。
※ストックビジネス営業費カバー率:新車以外の売上総利益で営業費をカバーする割合。
先端技術搭載の新型車投入を加速する日産自動車
3. 「ベストプラクティス」や日産車ディーラーの強み
ほかに、日産販売会社3社をグループ化して以来現在まで続いている、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していく「ベストプラクティス」も同社の強みと考える。「ベストプラクティス」という強みによって、同社の販促や営業のヒット率が上がり、顧客のニーズに合わせた商品提案力が向上し、1台当たりの販売単価が高くなるという効果が生じている。その結果、東京という高コストのエリアに立地していながら、自動車ディーラーとしては相対的に高い営業利益率を達成できる理由にもなっている。
また、他社に先駆けEVにフォーカスしたことによって、時流に乗り勢いづいている日産車のディーラーであることも強みといえる。日産自動車は、現在実行している中期4ヵ年計画「Nissan NEXT」において、電動化と知能化によって先進運転支援技術を搭載した電動車※の開発を強化することで、2026年度までにプロパイロットを250万台以上販売する一方、2028年までに次世代電池である全固体電池を市場投入、2030年までに次世代高性能LiDAR(自動運転のコア技術)を大半の新型車に搭載する方針である。その結果、2030年度までにはEV15車種を含む23車種の新型電動車を投入し、グローバルの電動車のモデルミックスを50%以上へ拡大することを目指している。また、「Nissan NEXT」に出てくる「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」は、自動車が運転者をパートナーとして認識し、コミュニケーションをとり、学習し、予測し、充電する??そのような日産自動車の先進性と攻勢を示すキャンペーンコンセプトで、運転者が安心してドライブするだけでなく、周囲の世界とコネクトした新たな体験ができる、まったく新しいドライビングを提供していく考えである。究極的には、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」や「ゼロ・フェイタリティ(交通事故死ゼロ)」の社会を実現することを目的としている。
※電動車:電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV、PHV)、ハイブリッド車(HEV、HV)、燃料電池車(FCEV、FCV)。同社の場合はEVとe-POWERおよびハイブリッド車。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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