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MDNT Research Memo(6):早期利益黒字化を目指し、細胞培養加工施設拡充等を予定

注目トピックス 日本株
■業績動向

2. 財務状況
メディネット<2370>の2022年9月期末の財務状況を見ると、資産は、現金及び預金が4,499百万円(前期末比403百万円増)と3期前(2019年9月期末)の1,403百万円を大幅に上回り、研究開発資金が潤沢になったと言える。そのほかに投資有価証券319百万円増加、有形固定資産83百万円減少等により、資産合計は前期末比700百万円増加した。一方、負債合計は前期末比91百万円増加した。主な増加要因は固定負債の繰延税金負債87百万円、主な減少要因は、流動負債の資産除去債務66百万円等である。純資産は、当期純損失計上に伴う利益剰与金の1,254百万円等が減少した一方、新株予約権の行使による資本金809百万円、資本剰余金809百万円及びその他有価証券評価差額金261百万円の増加等により、前期末比609百万円増加となった。この結果、自己資本比率は、前期末の90.8%から90.7%となった。

3. 資金調達
同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14〜17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。2022年9月期には第18回新株予約権(マッコーリー・バンク・リミテッド)の行使を全て完了した(2022年5月30日付)。今回の資金調達は1,690百万円となり、資金の使途としては、CDMO事業における細胞加工件数の拡大に向けた体制整備や運転資金、キャパシティ強化のため細胞培養加工施設拡充等を予定している。同社ではこれまでに第三者割当により継続的に資金調達してきたが、2021年7月以降は株価低迷により資金調達が目標額を大きく下回っている。「早期黒字化」による「株価アップ」、そして安定的「資金調達」の良循環の経営サイクルの確立が急がれる。

4. 2023年9月期通期の業績見通し
2023年9月期通期の業績は、売上高は728百万円(前期比15.0%増)、営業損失が1,766百万円(前期は1,333百万円の損失)、経常損失が1,757百万円(同1,314百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同1,254百万円の損失)と予想している。同社は引き続き、従来の特定細胞加工物の製造に加え、新しい受託メニューの提供により特定細胞加工物製造業のさらなる拡大を図る。併せてバリューチェーン事業、CDMO事業の拡大も推進する。一方、費用面については、細胞加工の品目や受託メニューの拡大とそのための細胞培養加工の環境・体制整備費用の先行に加え、研究開発案件の進展などにより研究開発費が増加する見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)



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