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テクマト Research Memo(1):情報セキュリティ対策製品や医療システム事業をけん引役に収益成長が続く

注目トピックス 日本株
■要約

テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業、医療システム事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供していることが強みである。また、アプリケーション・サービス事業では、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューション及び教育分野の4つのソリューションサービスを展開し、医療システム事業では、2022年2月に子会社化した旧PSP(株)と旧(株)NOBORIを同年4月に統合して生まれた新生PSP(株)のPACS※が主力製品・サービスとなっている。

※PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。旧PSPはオンプレミス製品の大手で、旧NOBORIはクラウドサービスの最大手となる。ともに導入施設数は約1,100施設で、統合後の稼働施設数ベースでは国内シェアは約22%と第2位となる。


1. 2023年3月期第2四半期累計業績の概要
2023年3月期第2四半期累計(2022年4月〜9月)の連結業績は、売上収益で前年同期比28.5%増の20,743百万円、営業利益で同19.6%増の1,915百万円といずれも過去最高を更新した。売上収益はクラウド型セキュリティ対策製品の旺盛な需要を背景に、情報基盤事業が前年同期比18.4%増と好調を持続したほか、医療システム事業も旧PSPの事業が加わったことで同164.1%増と大幅増となったことが増収要因となった。利益面では、円安の影響や人件費増、案件大型化による採算性低下により情報基盤事業が減益となったほか、不採算案件の発生や新規事業投資によりアプリケーション・サービス事業の損失も若干拡大したものの、医療システム事業の増益でカバーした。なお、受注高は全体で前年同期比43.7%増の30,738百万円、受注残高は同40.9%増の49,926百万円といずれも過去最高を更新した。

2. 2023年3月期業績見通し
2023年3月期の連結業績は売上収益で前期比17.8%増の43,000百万円、営業利益で同7.1%増の4,000百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率が売上高で48.2%、営業利益で47.9%と順調に推移しており、受注残高も豊富に抱えていることなどから、計画の達成は十分可能と弊社では見ている。懸念される情報基盤事業の収益性についても、採算重視の営業方針に切り替えたことで、下期以降は上向きに転じる見通しだ。アプリケーション・サービス事業では、CRM分野やソフトウェア品質保証分野でサブスクリプション型の売上が積み上がるほか、ビジネスソリューション分野も不採算案件が無くなることで改善が見込まれる。医療システム事業では、統合後の新生PSPの事業が順調に推移し、大幅増収増益となる見通しだ。

3. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の進捗について
中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績目標は、売上収益で46,000百万円、営業利益で5,100百万円を掲げているが、現状の受注状況や受注残高を見ると売上収益については超過する可能性が高い。利益面に関しては、情報基盤事業の収益性がどの程度回復するか、また、旧PSPのPACSのクラウドシフトのペースがどうなるかがポイントとなるが、クラウドシフトが一気に進むようなことがなければ達成可能な水準と弊社では見ている。クラウド型セキュリティ対策製品の需要は官民問わず今後も拡大する見通しで、トータルソリューションプロバイダーとして豊富な実績を持つ同社の活躍余地は大きい。これに医療システム事業やアプリケーション・サービス事業の成長が加わることで、業績は中長期的に拡大基調が続くものと予想される。

■Key Points
・2023年3月期第2四半期累計業績は医療システム事業がけん引し、過去最高を更新
・2023年3月期業績は豊富な受注残高を背景に会社計画を上回る公算大
・情報基盤事業、医療システム事業をけん引役に中長期的に収益成長が続く見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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