ネットイヤー Research Memo(4):2023年3月期は旺盛なDX投資を背景に2ケタ増収を達成
[23/07/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:44JST ネットイヤー Research Memo(4):2023年3月期は旺盛なDX投資を背景に2ケタ増収を達成
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ネットイヤーグループ<3622>の2023年3月期業績は、売上高で前期比14.7%増の3,919百万円、営業利益で同37.1%増の281百万円、経常利益で同36.6%増の280百万円、当期純利益で同65.5%減の200百万円となった。前期は関係会社株式売却益604百万円を特別利益として計上したため、当期純利益は減益となったものの、売上高、営業利益、経常利益はともに2ケタ成長となり、また会社計画に対してもそれぞれ上回るなど好決算となった。
売上高は企業のDXに対する投資が続くなか、同社が事業領域とするデジタルマーケティング領域についてもCXを起点とした同社の取り組みが評価され、既存主要顧客からの継続開発案件が順調に推移したほか、NTTデータとの協業案件についても通信業界や小売業界などの継続案件に加えて、金融業界や自治体案件も増加するなど好調に推移した。主要顧客別の売上高を見ると、NTTデータ向けが前期比19.7%増の1,352百万円、スターバックスコーヒージャパン向けが同37.4%増の508百万円、その他顧客向けが同7.4%増の2,058百万円となった。
スターバックスコーヒージャパン向けについては、LINEを使ったモバイル注文サービスを設計・開発やECの改築等、継続的な購買体験の改善によるものとなっている。デジタルマーケティング施策では、Webサイトや会員アプリ等でのCXが向上するよう、改善・改修が常に行われており、継続的な受注につながっている。また、モスフードサービス<8153>向けの開発案件も売上増に貢献した。顧客の行動データの蓄積や分析などから最適なマーケティング施策の抽出と効果検証までを可能とする「データ主導型のCRM基盤システム」の構築を支援した。同システムの構築によってターゲット顧客に対して最適なマーケティング施策を打つことが可能となるほか、部門間をまたいだマーケティング施策の効果検証も行えるようになるなど、マーケティング部門のROI向上が期待されている。また、売上規模はまだ小さいものの「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス※(以下、POS)」についても増収に寄与した。一方、2022年3月期から開始した「Shopify」ストアアプリについては合計8本をリリースしたが、有料顧客の獲得に苦戦していることから、今後は「Shopify」構築支援ソリューションのメニューとして組み込むことで拡販を進めていくことにしている。
※顧客企業のオウンドメディアの活性化とマーケティング費用対効果の最大化を目的に、顧客課題や市場状況、競合動向などのデータ分析を行い、「SEO」「WEB広告」「サイト改善」の3つの領域で改善施策と予算配分の最適提案を行うほか、運用・分析、改善提案までをワンストップソリューションとして支援するサービス。契約社数は2023年3月末時点で25社。
費用の増減要因を見ると、売上原価率は前期の75.0%から77.3%と2.3ポイント上昇した。前期に販管費に計上していた「Shopify」関連アプリの開発費用(62百万円)を売上原価に組み入れた影響が大半を占める。前期の売上原価に同開発費を加えた原価率は76.9%となり、実質ベースでは0.4ポイントの上昇となった。内訳を見ると、労務費率は32.7%から28.9%に、賃借料が4.3%から2.7%と固定費関連については増収効果によって低下したものの、外注費率が33.7%から41.7%に上昇し、原価率の押し上げ要因となった。業務量の拡大に対応するだけの人的リソースが社内に不足しており、外注で対応したことが要因となっている。このため社内リソースの拡充が今後の課題となっている。
一方、販管費は前期比で38百万円の減少となったが、開発費用移管の影響を除けば実質24百万円の増加にとどまった。採用費や教育費の増加によるもので、新卒採用7名のほか中途採用が進んだ。ただ、離職数も同等程度出たことから2023年3月末の従業員数は前期末比で横ばい水準にとどまった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ネットイヤーグループ<3622>の2023年3月期業績は、売上高で前期比14.7%増の3,919百万円、営業利益で同37.1%増の281百万円、経常利益で同36.6%増の280百万円、当期純利益で同65.5%減の200百万円となった。前期は関係会社株式売却益604百万円を特別利益として計上したため、当期純利益は減益となったものの、売上高、営業利益、経常利益はともに2ケタ成長となり、また会社計画に対してもそれぞれ上回るなど好決算となった。
売上高は企業のDXに対する投資が続くなか、同社が事業領域とするデジタルマーケティング領域についてもCXを起点とした同社の取り組みが評価され、既存主要顧客からの継続開発案件が順調に推移したほか、NTTデータとの協業案件についても通信業界や小売業界などの継続案件に加えて、金融業界や自治体案件も増加するなど好調に推移した。主要顧客別の売上高を見ると、NTTデータ向けが前期比19.7%増の1,352百万円、スターバックスコーヒージャパン向けが同37.4%増の508百万円、その他顧客向けが同7.4%増の2,058百万円となった。
スターバックスコーヒージャパン向けについては、LINEを使ったモバイル注文サービスを設計・開発やECの改築等、継続的な購買体験の改善によるものとなっている。デジタルマーケティング施策では、Webサイトや会員アプリ等でのCXが向上するよう、改善・改修が常に行われており、継続的な受注につながっている。また、モスフードサービス<8153>向けの開発案件も売上増に貢献した。顧客の行動データの蓄積や分析などから最適なマーケティング施策の抽出と効果検証までを可能とする「データ主導型のCRM基盤システム」の構築を支援した。同システムの構築によってターゲット顧客に対して最適なマーケティング施策を打つことが可能となるほか、部門間をまたいだマーケティング施策の効果検証も行えるようになるなど、マーケティング部門のROI向上が期待されている。また、売上規模はまだ小さいものの「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス※(以下、POS)」についても増収に寄与した。一方、2022年3月期から開始した「Shopify」ストアアプリについては合計8本をリリースしたが、有料顧客の獲得に苦戦していることから、今後は「Shopify」構築支援ソリューションのメニューとして組み込むことで拡販を進めていくことにしている。
※顧客企業のオウンドメディアの活性化とマーケティング費用対効果の最大化を目的に、顧客課題や市場状況、競合動向などのデータ分析を行い、「SEO」「WEB広告」「サイト改善」の3つの領域で改善施策と予算配分の最適提案を行うほか、運用・分析、改善提案までをワンストップソリューションとして支援するサービス。契約社数は2023年3月末時点で25社。
費用の増減要因を見ると、売上原価率は前期の75.0%から77.3%と2.3ポイント上昇した。前期に販管費に計上していた「Shopify」関連アプリの開発費用(62百万円)を売上原価に組み入れた影響が大半を占める。前期の売上原価に同開発費を加えた原価率は76.9%となり、実質ベースでは0.4ポイントの上昇となった。内訳を見ると、労務費率は32.7%から28.9%に、賃借料が4.3%から2.7%と固定費関連については増収効果によって低下したものの、外注費率が33.7%から41.7%に上昇し、原価率の押し上げ要因となった。業務量の拡大に対応するだけの人的リソースが社内に不足しており、外注で対応したことが要因となっている。このため社内リソースの拡充が今後の課題となっている。
一方、販管費は前期比で38百万円の減少となったが、開発費用移管の影響を除けば実質24百万円の増加にとどまった。採用費や教育費の増加によるもので、新卒採用7名のほか中途採用が進んだ。ただ、離職数も同等程度出たことから2023年3月末の従業員数は前期末比で横ばい水準にとどまった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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