レジル Research Memo(7):2025年6月期をファーストステップと位置付け推進
[24/10/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*16:57JST レジル Research Memo(7):2025年6月期をファーストステップと位置付け推進
■レジル<176A>の成長戦略
1. 事業環境と過去2期の取り組み
同社は、脱炭素に向けて日本が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現を目指すためには、発電された電力を効率的に活用することが不可欠だが、発電側だけでなく需要側の調整も必要になるという事業環境認識を持っている。そのため不安定な再生可能エネルギーを需要側で制御する分散型エネルギープラットフォームを構築し、低コストで提供することで、日本全体のエネルギーの安定化と脱炭素に寄与することができると考えている。これを実現するため、2023年6月期と2024年6月期の2期間でビジネスモデルの再構築や収益構造の安定化など組織構造の大転換を図った。
結果として、まず新型コロナウイルス感染症拡大で落ちていた新規営業件数の回復を進めたことで一括受電サービスの導入件数が年間3,000戸程度にまで回復した。また、2023年にリリースしたマンション防災サービスも受注が決定し、既築マンションから賃貸マンションや新築マンションへの領域拡大が進みはじめた。次に、収益構造の安定化と強化に努め、理事会・総会決議や全戸同意といったサービス導入プロセスで構築した顧客マンションとの関係性の深さを背景に早期に電力価格の高騰を価格に転嫁することができた。また昼夜間の電力の合成による安定需要を背景に相対的に安価な調達を引き出せたため、収益力と継続率が同時に改善して全社業績をけん引した。組織構造改革では、就労環境の抜本的な改革や同社独自の人事評価制度の開発等により、2024年6月期には前期比約3割増となる58人の人員を確保できた。さらに、働く個人の力を最大化するキャリアオーナーシップアワードで最優秀賞も受賞した。このように2期にわたる組織構造の大転換がスムーズに進捗したことから、同社は将来に向けて成長に弾みをつける考えである。手始めに2025年6月期を将来以降の高い成長を達成するためのファーストステップと位置付け、再構築した事業基盤をベースに同社が持つ顧客・サービス・設備・電力量といった経営資源を掛け合わせることで、事業ポートフォリオの安定化や新たな収益柱の構築を進める計画である。
ただし課題として、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足や不安定な電源価格、人員増による1人当たりの収益性を向上する必要があり、同社はこうした課題の解消も目指す方針である。具体的には、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足については、EV(電気自動車)を蓄電池代替として利用するほか、家庭用小型蓄電池のネットワーク化の検討や設計段階から組み込みやすい新築マンションへの進出などによって解消する考えである。不安定な電源価格に対しては、電力先物などの市場を活用した仕入の安定化、卒FIT※の太陽光発電への蓄電池設置などで解消を図り、1人当たりの収益性については、新人事評価制度の導入・運用(独自評価制度「プレイス制度」)やアライアンスによる営業クロージング速度の向上などにより高める方針である。
※ 卒FIT:再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間一定の価格で買い取ることを国が保障する制度(FIT)が終わった状態のこと。卒FIT期間は、国による買い取り価格の保証がなくなるため逆ざやになることもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<YS>
■レジル<176A>の成長戦略
1. 事業環境と過去2期の取り組み
同社は、脱炭素に向けて日本が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現を目指すためには、発電された電力を効率的に活用することが不可欠だが、発電側だけでなく需要側の調整も必要になるという事業環境認識を持っている。そのため不安定な再生可能エネルギーを需要側で制御する分散型エネルギープラットフォームを構築し、低コストで提供することで、日本全体のエネルギーの安定化と脱炭素に寄与することができると考えている。これを実現するため、2023年6月期と2024年6月期の2期間でビジネスモデルの再構築や収益構造の安定化など組織構造の大転換を図った。
結果として、まず新型コロナウイルス感染症拡大で落ちていた新規営業件数の回復を進めたことで一括受電サービスの導入件数が年間3,000戸程度にまで回復した。また、2023年にリリースしたマンション防災サービスも受注が決定し、既築マンションから賃貸マンションや新築マンションへの領域拡大が進みはじめた。次に、収益構造の安定化と強化に努め、理事会・総会決議や全戸同意といったサービス導入プロセスで構築した顧客マンションとの関係性の深さを背景に早期に電力価格の高騰を価格に転嫁することができた。また昼夜間の電力の合成による安定需要を背景に相対的に安価な調達を引き出せたため、収益力と継続率が同時に改善して全社業績をけん引した。組織構造改革では、就労環境の抜本的な改革や同社独自の人事評価制度の開発等により、2024年6月期には前期比約3割増となる58人の人員を確保できた。さらに、働く個人の力を最大化するキャリアオーナーシップアワードで最優秀賞も受賞した。このように2期にわたる組織構造の大転換がスムーズに進捗したことから、同社は将来に向けて成長に弾みをつける考えである。手始めに2025年6月期を将来以降の高い成長を達成するためのファーストステップと位置付け、再構築した事業基盤をベースに同社が持つ顧客・サービス・設備・電力量といった経営資源を掛け合わせることで、事業ポートフォリオの安定化や新たな収益柱の構築を進める計画である。
ただし課題として、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足や不安定な電源価格、人員増による1人当たりの収益性を向上する必要があり、同社はこうした課題の解消も目指す方針である。具体的には、マンションにおける蓄電池の設置スペース不足については、EV(電気自動車)を蓄電池代替として利用するほか、家庭用小型蓄電池のネットワーク化の検討や設計段階から組み込みやすい新築マンションへの進出などによって解消する考えである。不安定な電源価格に対しては、電力先物などの市場を活用した仕入の安定化、卒FIT※の太陽光発電への蓄電池設置などで解消を図り、1人当たりの収益性については、新人事評価制度の導入・運用(独自評価制度「プレイス制度」)やアライアンスによる営業クロージング速度の向上などにより高める方針である。
※ 卒FIT:再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間一定の価格で買い取ることを国が保障する制度(FIT)が終わった状態のこと。卒FIT期間は、国による買い取り価格の保証がなくなるため逆ざやになることもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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