CSSHD Research Memo(3):2025年9月期は、期初の減益予想を大幅に上回る過去最高業績を達成
[25/12/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*13:03JST CSSHD Research Memo(3):2025年9月期は、期初の減益予想を大幅に上回る過去最高業績を達成
■CSSホールディングス<2304>の業績動向
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期における日本経済は、地政学リスクの高まりや原材料・労務費の高騰、米国の関税政策の影響など、先行き不透明な状況が継続した。一方で、企業努力や各種政策の効果により雇用・所得環境が改善し、緩やかに回復した。レジャー・観光・飲食業界においては、新規ホテル開業が依然として継続し、関西・大阪万博開催に伴う特需が発生した。また、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が増加し、訪日客のインバウンド需要も好調に推移した。加えて、物価や消費単価の上昇もマーケットの拡大に寄与した。
同社グループの2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比10.6%増の19,499百万円、営業利益で同20.4%増の717百万円、経常利益で同17.8%増の742百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同36.8%増の587百万円となった。
期初には積極的な投資などを理由に減益を予想していたが、中間決算時には想定を上回る新規受託や観光業界の活況による売上の増加、現場の生産性改善努力と稼働率の高まりに伴う原価率の低下に伴い、通期予想を上方修正した。しかし、決算では空間プロデュース事業の上振れを主因に、売上高及び各段階利益は修正予想をさらに上回り、過去最高となった。事業環境の改善や同社の取り組みが反映された好決算であったと弊社では評価している。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比増加率が高いのは、法人税等調整額(益)を138百万円計上したためである。
スチュワード事業は堅調、空間プロデュース事業が大幅増益
2. 事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は9,374百万円(前期比10.5%増)、営業利益は555百万円(同3.0%増)、営業利益率は5.9%(同0.4ポイント低下)となった。ホテル業界の好業績に伴い売上高は好調で、営業利益は人手不足・離職防止のための一時金支給に伴い小幅増益にとどまったものの、同社の主力事業として堅調な決算であった。
2025年9月期は15件の新規事業所を開業しており、地域別では東日本8件、西日本7件となった。従来の顧客に加え、神社や病院、イベントのグラス・リユースカップ洗浄といった幅広い顧客からの受注や引き合いを獲得した。社内では営業グループの再編・人材投入を実施し、新規顧客開拓の推進や既存顧客のさらなるサービス向上に努める体制を整備した。これにより、顧客ニーズへの迅速かつ的確な対応を可能とし、2026年9月期の受注案件の積み上げに注力している。また、既存の顧客との契約更改時には、人件費等のコストアップ要因を反映した適正利益の確保を図り、売上高の底上げを実現した。
また、海外からの外国人正社員の育成や、SaaS(クラウドサービス)導入による従業員エンゲージメント強化やシフト業務・労務関係業務プロセスの再構築、社内資格取得の推進、責任者人材育成の強化などの各施策に注力し、職場環境及び業務フローの改善による事業基盤強化を図り、収益力の向上につなげた。ただしパート・アルバイトの純増人数は、人手不足の環境も影響し、2025年9月期は362名と前期実績比で483名減少した。同社は引き続き、リテンションを支えるコミュニケーション、教育・人材開発、及び労働安全衛生に配慮したマネジメントに注力する方針である。
(2) フードサービス事業
売上高は4,598百万円(前期比17.3%増)、営業利益は91百万円(同12.2%減)、営業利益率は2.0%(同0.7ポイント低下)となった。増収となったが、食材価格の高騰や従業員への決算一時金・教育費増加といったコスト増が影響し、営業利益は減益となり、営業利益率は低下した。
2025年9月期においては、年間で17件の新規事業所を開業し、例年の実績(14〜15件)を上回った。内訳は、従業員食堂5件、ホテル内レストラン6件、高齢者施設6件である。大阪・関西万博の開催に伴い、万博で大手食品メーカーが提供するレストランブース運営への参画に加え、万博需要で盛況となった宿泊特化型ホテルにおける朝食レストランの需要が増加した。しかし、米を筆頭に食材価格の急激な高騰が収益を圧迫する要因となっており、契約更改時には顧客からの理解を得ながら適正な利益の確保を図っている。
また、2025年9月期は、子会社のセンダンが提供する宿泊特化型ホテルや従業員食堂での朝食やランチがテレビやYouTubeで紹介される事例が増え、ブランド力向上に貢献した。社内においては、社内体制の強化と従業員エンゲージメントの向上を目的に、新卒・中途社員向けの衛生教育強化及び調理実習研修を実施した。加えて、人手不足への対応策として、特定技能人材の外国人雇用の受入れを積極的に行った。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は5,542百万円(前期比5.8%増)、営業利益は313百万円(同39.6%増)、営業利益率は5.7%(同1.4ポイント上昇)となった。大手銀行向けの案件が寄与し、大幅な増収増益となった。同事業は、同社全体の決算が上方修正となった主因である。ただし、施工型ビジネスであるという特性上、期初における業績予想は困難である。
東洋メディアリンクスは、主に大手金融機関向けのITV(監視カメラ/Industrial TV)及び周辺装置・業務放送設備・モニター等の更新需要が、収益の改善に大きく寄与した。一方、Mood Media Japanは、Mood Mediaヘッドクオーターと連携し、独自の販促施策を展開した。その結果、商談機会を拡大し、大型の受注案件の取り込みに成功した。さらに、音響特機は、前期の大型案件の反動等により減収減益となったが、東洋メディアリンクスとの連携強化を図り、同社の強みである利益率の高い輸入品ブランド機器の販売に注力した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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■CSSホールディングス<2304>の業績動向
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期における日本経済は、地政学リスクの高まりや原材料・労務費の高騰、米国の関税政策の影響など、先行き不透明な状況が継続した。一方で、企業努力や各種政策の効果により雇用・所得環境が改善し、緩やかに回復した。レジャー・観光・飲食業界においては、新規ホテル開業が依然として継続し、関西・大阪万博開催に伴う特需が発生した。また、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が増加し、訪日客のインバウンド需要も好調に推移した。加えて、物価や消費単価の上昇もマーケットの拡大に寄与した。
同社グループの2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比10.6%増の19,499百万円、営業利益で同20.4%増の717百万円、経常利益で同17.8%増の742百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同36.8%増の587百万円となった。
期初には積極的な投資などを理由に減益を予想していたが、中間決算時には想定を上回る新規受託や観光業界の活況による売上の増加、現場の生産性改善努力と稼働率の高まりに伴う原価率の低下に伴い、通期予想を上方修正した。しかし、決算では空間プロデュース事業の上振れを主因に、売上高及び各段階利益は修正予想をさらに上回り、過去最高となった。事業環境の改善や同社の取り組みが反映された好決算であったと弊社では評価している。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比増加率が高いのは、法人税等調整額(益)を138百万円計上したためである。
スチュワード事業は堅調、空間プロデュース事業が大幅増益
2. 事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は9,374百万円(前期比10.5%増)、営業利益は555百万円(同3.0%増)、営業利益率は5.9%(同0.4ポイント低下)となった。ホテル業界の好業績に伴い売上高は好調で、営業利益は人手不足・離職防止のための一時金支給に伴い小幅増益にとどまったものの、同社の主力事業として堅調な決算であった。
2025年9月期は15件の新規事業所を開業しており、地域別では東日本8件、西日本7件となった。従来の顧客に加え、神社や病院、イベントのグラス・リユースカップ洗浄といった幅広い顧客からの受注や引き合いを獲得した。社内では営業グループの再編・人材投入を実施し、新規顧客開拓の推進や既存顧客のさらなるサービス向上に努める体制を整備した。これにより、顧客ニーズへの迅速かつ的確な対応を可能とし、2026年9月期の受注案件の積み上げに注力している。また、既存の顧客との契約更改時には、人件費等のコストアップ要因を反映した適正利益の確保を図り、売上高の底上げを実現した。
また、海外からの外国人正社員の育成や、SaaS(クラウドサービス)導入による従業員エンゲージメント強化やシフト業務・労務関係業務プロセスの再構築、社内資格取得の推進、責任者人材育成の強化などの各施策に注力し、職場環境及び業務フローの改善による事業基盤強化を図り、収益力の向上につなげた。ただしパート・アルバイトの純増人数は、人手不足の環境も影響し、2025年9月期は362名と前期実績比で483名減少した。同社は引き続き、リテンションを支えるコミュニケーション、教育・人材開発、及び労働安全衛生に配慮したマネジメントに注力する方針である。
(2) フードサービス事業
売上高は4,598百万円(前期比17.3%増)、営業利益は91百万円(同12.2%減)、営業利益率は2.0%(同0.7ポイント低下)となった。増収となったが、食材価格の高騰や従業員への決算一時金・教育費増加といったコスト増が影響し、営業利益は減益となり、営業利益率は低下した。
2025年9月期においては、年間で17件の新規事業所を開業し、例年の実績(14〜15件)を上回った。内訳は、従業員食堂5件、ホテル内レストラン6件、高齢者施設6件である。大阪・関西万博の開催に伴い、万博で大手食品メーカーが提供するレストランブース運営への参画に加え、万博需要で盛況となった宿泊特化型ホテルにおける朝食レストランの需要が増加した。しかし、米を筆頭に食材価格の急激な高騰が収益を圧迫する要因となっており、契約更改時には顧客からの理解を得ながら適正な利益の確保を図っている。
また、2025年9月期は、子会社のセンダンが提供する宿泊特化型ホテルや従業員食堂での朝食やランチがテレビやYouTubeで紹介される事例が増え、ブランド力向上に貢献した。社内においては、社内体制の強化と従業員エンゲージメントの向上を目的に、新卒・中途社員向けの衛生教育強化及び調理実習研修を実施した。加えて、人手不足への対応策として、特定技能人材の外国人雇用の受入れを積極的に行った。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は5,542百万円(前期比5.8%増)、営業利益は313百万円(同39.6%増)、営業利益率は5.7%(同1.4ポイント上昇)となった。大手銀行向けの案件が寄与し、大幅な増収増益となった。同事業は、同社全体の決算が上方修正となった主因である。ただし、施工型ビジネスであるという特性上、期初における業績予想は困難である。
東洋メディアリンクスは、主に大手金融機関向けのITV(監視カメラ/Industrial TV)及び周辺装置・業務放送設備・モニター等の更新需要が、収益の改善に大きく寄与した。一方、Mood Media Japanは、Mood Mediaヘッドクオーターと連携し、独自の販促施策を展開した。その結果、商談機会を拡大し、大型の受注案件の取り込みに成功した。さらに、音響特機は、前期の大型案件の反動等により減収減益となったが、東洋メディアリンクスとの連携強化を図り、同社の強みである利益率の高い輸入品ブランド機器の販売に注力した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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