5日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で5日続伸、通信セクター上げ目立つ
[21/01/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 外国株
5日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比177.05ポイント(0.64%)高の27649.86ポイントと5日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が51.16ポイント(0.48%)高の10774.15ポイントと反発した。ハンセン指数は約11カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は2150億2900万香港ドルに拡大した(4日は1826億4100万香港ドル)。
投資家心理が上向く流れ。世界的な新型コロナウイルス感染再拡大などを嫌気した売りが先行したものの、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は中国通信大手3社のADR上場廃止を撤回する??との情報が取引時間中に伝えられるなか、指数は後場途中からプラスに急浮上している。NYSEは先週、人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を受け、それらADRの上場廃止手続きを開始すると通知していた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリアの中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)がそれぞれ8.5%高、5.1%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.3%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が6.7%高と上げが目立った。蒙牛は連日で上場来高値を更新。新型コロナウイルスの流行や中国の内需拡大策を受け、乳製品の需要が拡大するとの期待が強まっている。そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)も3.4%高で最高値更新。マーケット活況が意識されている。大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は最新リポートで、香港株式市場の新規株式公開(IPO)調達額が2021年に4200億〜4600億香港ドル(約5兆5800億〜6兆1120億円)に達するとの見通しを示した(取引所別の世界ランキングで、2年ぶりにトップ浮上する見込み)。
セクター別では、食品飲料など消費関連が高い。上記した中国蒙牛乳業と万洲国際のほか、農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)が6.5%、中国旺旺HD(151/HK)が5.7%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が3.2%、中国雨潤食品集団(1068/HK)が3.1%ずつ上昇した。ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉は連日で最高値を更新(引けは64.55香港ドル)。非流通株を含む時価総額は7259億5900万香港ドル(約9兆6350億円)に膨らんでいる。現地メディアによれば、創業者で筆頭株主の鍾センセン氏は、富豪ランキングで世界6位に躍り出た。
半導体や通信設備・工事の銘柄群もしっかり。上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.2%高、華虹半導体(1347/HK)が5.0%高、中国通信服務(552/HK)が6.0%高、中国鉄塔(チャイナ・タワー:788/HK)が5.5%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.7%高、京信通信系統HD(2342/HK)が3.1%高と値を上げた。
半面、自動車セクターは総じて安い。長城汽車(2333/HK)が6.5%、北京汽車(1958/HK)が4.8%、広州汽車集団(2238/HK)が4.7%、東風汽車集団(489/HK)が2.4%、吉利汽車HD(175/HK)が2.0%ずつ下落した。
他の個別株動向では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が1.3%安。筆頭株主が保有株を一部売却すると公表したことが嫌気されている。そのほか、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.0%安。創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は昨年10月末に上海で開かれた金融フォーラムに参加して以来、2カ月以上、公の場に姿を見せていない。中国当局による「アリババ叩き」が激しさを増す中、様々な憶測が飛び交っている。
一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%高の3528.68ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。ハイテク株、医薬品株、素材株、防衛関連株、運輸株、証券株の一角なども買われた。半面、銀行株と不動産株の一角は安い。保険株、自動車株、エネルギー株、公益株も売られた。
亜州リサーチ(株)
<FA>
投資家心理が上向く流れ。世界的な新型コロナウイルス感染再拡大などを嫌気した売りが先行したものの、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は中国通信大手3社のADR上場廃止を撤回する??との情報が取引時間中に伝えられるなか、指数は後場途中からプラスに急浮上している。NYSEは先週、人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業への投資を禁止する大統領令を受け、それらADRの上場廃止手続きを開始すると通知していた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリアの中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)がそれぞれ8.5%高、5.1%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.3%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が6.7%高と上げが目立った。蒙牛は連日で上場来高値を更新。新型コロナウイルスの流行や中国の内需拡大策を受け、乳製品の需要が拡大するとの期待が強まっている。そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)も3.4%高で最高値更新。マーケット活況が意識されている。大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は最新リポートで、香港株式市場の新規株式公開(IPO)調達額が2021年に4200億〜4600億香港ドル(約5兆5800億〜6兆1120億円)に達するとの見通しを示した(取引所別の世界ランキングで、2年ぶりにトップ浮上する見込み)。
セクター別では、食品飲料など消費関連が高い。上記した中国蒙牛乳業と万洲国際のほか、農夫山泉(ノンフー・スプリング:9633/HK)が6.5%、中国旺旺HD(151/HK)が5.7%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が3.2%、中国雨潤食品集団(1068/HK)が3.1%ずつ上昇した。ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉は連日で最高値を更新(引けは64.55香港ドル)。非流通株を含む時価総額は7259億5900万香港ドル(約9兆6350億円)に膨らんでいる。現地メディアによれば、創業者で筆頭株主の鍾センセン氏は、富豪ランキングで世界6位に躍り出た。
半導体や通信設備・工事の銘柄群もしっかり。上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.2%高、華虹半導体(1347/HK)が5.0%高、中国通信服務(552/HK)が6.0%高、中国鉄塔(チャイナ・タワー:788/HK)が5.5%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.7%高、京信通信系統HD(2342/HK)が3.1%高と値を上げた。
半面、自動車セクターは総じて安い。長城汽車(2333/HK)が6.5%、北京汽車(1958/HK)が4.8%、広州汽車集団(2238/HK)が4.7%、東風汽車集団(489/HK)が2.4%、吉利汽車HD(175/HK)が2.0%ずつ下落した。
他の個別株動向では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が1.3%安。筆頭株主が保有株を一部売却すると公表したことが嫌気されている。そのほか、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.0%安。創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は昨年10月末に上海で開かれた金融フォーラムに参加して以来、2カ月以上、公の場に姿を見せていない。中国当局による「アリババ叩き」が激しさを増す中、様々な憶測が飛び交っている。
一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%高の3528.68ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。ハイテク株、医薬品株、素材株、防衛関連株、運輸株、証券株の一角なども買われた。半面、銀行株と不動産株の一角は安い。保険株、自動車株、エネルギー株、公益株も売られた。
亜州リサーチ(株)
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