英調査機関、世界各国の仮想通貨取引所の「規制リスク」を格付け 日本の評価は?【フィスコ・ビットコインニュース】
[19/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
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ビットコインニュース
イギリスのブロックチェーン・仮想通貨専門の調査企業Coinfirm社は27日、バイナンスやPoloniexを含む主要な216の仮想通貨取引所を対象に行なった規制面のリスクアセスメントを発表した。
先日BitWiseが公開した「仮想通貨取引所が報告する取引量の95%が水増しされている」などと指摘するレポートが公開されたほか、DragonEXやBiki.comなどの出来高上位の取引所が相次いで、仮想通貨取引所の信頼性が再び問われ始めていると言えるだろう。
Coinfirm社が規制面におけるリスク体制の調査を主要な216の仮想通貨取引所に行ない、リスクの高低によって振り分けた。
同社のリスク調査は、以下の項目における取引所を評価しており、下記7項目のうち5項目において「高リスク」に該当する取引所が最も多く見られている。
1. 規制当局からライセンス・認定の有無
2. 資金洗浄対策(AML)に関する規定・体制
3. KYC体制
4. 取引監視体制
5. 顧客の適格審査
6. 高リスク地域の管轄下にいた経歴
7. メディア報道
32ページにも及ぶレポートの中で、以下の3点に関する内容が際立っていたため、それぞれ紹介する。
? 規制当局からライセンス・認定の有無
? KYC体制完備の割合
? 世界各国の取引所リスク比較チャート
規制当局からライセンス・認定の有無
Coinfirm社の調査によると、調査対象となった216の取引所の内、実際に金融規制当局からライセンスなどを取得して運営している取引所は全体の30%(14の取引所)にとどまっていることが判明した。
また規制当局に認定されている取引所の大半は、アメリカのFinCEN(金融犯罪捜査網)、日本の金融庁、または香港のHKMA(香港金融管理局)に登録している模様だ。
大半の取引所はFinCENにマネーサービス事業、または金融庁に仮想通貨交換業者として登録される。
日本でも今週25日、楽天ウォレット株式会社と株式会社ディーカレットを正式に仮想通貨交換業者として登録が報道され、大きな反響を呼んだ。
KYC体制
また、調査対象の69%に相当する149の取引所においてKYC、および顧客管理体制が完備されていない事も明らかとなっていた。
この中で法定通貨建の取引ペアを扱っている取引所も約60%あり、KYCや顧客管理体制が整っていて法定通貨取引を提供している取引所は全体の約23%(49の取引所)のみという結果が出ている。
日本のKYC状況は
レポートには、日本の仮想通貨取引所も規制リスクアセスメントに含まれており、計6つの取引所の評価が下されていた。
Coinfirmの結果によると日本の取引所は上述の「規制当局からのライセンス」と「KYC体制」においていずれも100%の取引所が低リスクという結果が出ている。
その他にも「顧客の適格審査」と「高リスク地域の管轄下にいた経歴」の2項目でも、全ての取引所が低リスクの評価を受けていた。
2016年から改正資金決済法を表明し、世界でも早期から仮想通貨の法整備を整えていた日本において、仮想通貨取引所は世界でも最も規制を遵守していると言えるだろう。
世界各国の取引所リスクは
また、Coinfirm社は、それぞれの取引所が登録されている地域・国家を基に、国別のリスク度格付けも発表した。日本の取引所は、規制面において「違反リスクが低い」と評価されていることが分かる。
各評価の主な結果を以下にまとめた。
低リスク
? 日本
? オーストラリア
? スイス
? ドイツ
? フィンランド
? ノルウェー
? スウェーデン
高リスク
? ロシア
? ウクライナ
? イラン
? アフガニスタン
? ベラルーシ
? エジプト
? ジンバブエ
? コンゴ
? ソマリア
またアメリカ、中国、イギリス、カナダ、インド、トルコ、サウジアラビアなどの国々は「中リスク」の判定を受けている。
日本関連の動き
軒並み高い評価を受けた日本の仮想通貨所は、全て日本の金融庁を主体とした規制に遵守している。
日本の取引所におけるリスクは多くの項目で低リスクの評価を受けている一方、日本の金融業界は今秋10月から11月頃に予定されている金融活動作業部会(FATF)の第4次対日審査に向けて、AML対策強化に努めていることがダイヤモンドオンラインの報道で明らかとなっていた。
世界基準では、仮想通貨取引所で「規制ライセンス」を取得している業者が14%にとどまる中、日本で運営を続ける取引所は、全て金融庁と連携していることを踏まえると、日本の仮想通貨業界は世界基準では、先行する分野だいう声もある。
特に、機関投資家参入や仮想通貨市場への信頼度向上における面では、日本の規制が主導となっているとも言えるだろう。
(記事提供:コインポスト)
CoinPost(コインポスト)は、日本最大級の仮想通貨・ブロックチェーン総合情
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先日BitWiseが公開した「仮想通貨取引所が報告する取引量の95%が水増しされている」などと指摘するレポートが公開されたほか、DragonEXやBiki.comなどの出来高上位の取引所が相次いで、仮想通貨取引所の信頼性が再び問われ始めていると言えるだろう。
Coinfirm社が規制面におけるリスク体制の調査を主要な216の仮想通貨取引所に行ない、リスクの高低によって振り分けた。
同社のリスク調査は、以下の項目における取引所を評価しており、下記7項目のうち5項目において「高リスク」に該当する取引所が最も多く見られている。
1. 規制当局からライセンス・認定の有無
2. 資金洗浄対策(AML)に関する規定・体制
3. KYC体制
4. 取引監視体制
5. 顧客の適格審査
6. 高リスク地域の管轄下にいた経歴
7. メディア報道
32ページにも及ぶレポートの中で、以下の3点に関する内容が際立っていたため、それぞれ紹介する。
? 規制当局からライセンス・認定の有無
? KYC体制完備の割合
? 世界各国の取引所リスク比較チャート
規制当局からライセンス・認定の有無
Coinfirm社の調査によると、調査対象となった216の取引所の内、実際に金融規制当局からライセンスなどを取得して運営している取引所は全体の30%(14の取引所)にとどまっていることが判明した。
また規制当局に認定されている取引所の大半は、アメリカのFinCEN(金融犯罪捜査網)、日本の金融庁、または香港のHKMA(香港金融管理局)に登録している模様だ。
大半の取引所はFinCENにマネーサービス事業、または金融庁に仮想通貨交換業者として登録される。
日本でも今週25日、楽天ウォレット株式会社と株式会社ディーカレットを正式に仮想通貨交換業者として登録が報道され、大きな反響を呼んだ。
KYC体制
また、調査対象の69%に相当する149の取引所においてKYC、および顧客管理体制が完備されていない事も明らかとなっていた。
この中で法定通貨建の取引ペアを扱っている取引所も約60%あり、KYCや顧客管理体制が整っていて法定通貨取引を提供している取引所は全体の約23%(49の取引所)のみという結果が出ている。
日本のKYC状況は
レポートには、日本の仮想通貨取引所も規制リスクアセスメントに含まれており、計6つの取引所の評価が下されていた。
Coinfirmの結果によると日本の取引所は上述の「規制当局からのライセンス」と「KYC体制」においていずれも100%の取引所が低リスクという結果が出ている。
その他にも「顧客の適格審査」と「高リスク地域の管轄下にいた経歴」の2項目でも、全ての取引所が低リスクの評価を受けていた。
2016年から改正資金決済法を表明し、世界でも早期から仮想通貨の法整備を整えていた日本において、仮想通貨取引所は世界でも最も規制を遵守していると言えるだろう。
世界各国の取引所リスクは
また、Coinfirm社は、それぞれの取引所が登録されている地域・国家を基に、国別のリスク度格付けも発表した。日本の取引所は、規制面において「違反リスクが低い」と評価されていることが分かる。
各評価の主な結果を以下にまとめた。
低リスク
? 日本
? オーストラリア
? スイス
? ドイツ
? フィンランド
? ノルウェー
? スウェーデン
高リスク
? ロシア
? ウクライナ
? イラン
? アフガニスタン
? ベラルーシ
? エジプト
? ジンバブエ
? コンゴ
? ソマリア
またアメリカ、中国、イギリス、カナダ、インド、トルコ、サウジアラビアなどの国々は「中リスク」の判定を受けている。
日本関連の動き
軒並み高い評価を受けた日本の仮想通貨所は、全て日本の金融庁を主体とした規制に遵守している。
日本の取引所におけるリスクは多くの項目で低リスクの評価を受けている一方、日本の金融業界は今秋10月から11月頃に予定されている金融活動作業部会(FATF)の第4次対日審査に向けて、AML対策強化に努めていることがダイヤモンドオンラインの報道で明らかとなっていた。
世界基準では、仮想通貨取引所で「規制ライセンス」を取得している業者が14%にとどまる中、日本で運営を続ける取引所は、全て金融庁と連携していることを踏まえると、日本の仮想通貨業界は世界基準では、先行する分野だいう声もある。
特に、機関投資家参入や仮想通貨市場への信頼度向上における面では、日本の規制が主導となっているとも言えるだろう。
(記事提供:コインポスト)
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