ロシアンOLちゃん:ブロックチェーン実用化のためのイベントレポート【フィスコ・仮想通貨コラム】
[18/07/11]
提供元:株式会社フィスコ
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仮想通貨コラム
ロシアンOLちゃん:ブロックチェーン実用化のための「Smart Contract Meeting for Real Use」レポート【FISCOソーシャルレポーター】
以下は、フィスコソーシャルレポーターのロシアンOLちゃん(ブログ「ロシアの仮想通貨情報をひたすら翻訳するブログ」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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6月29日、ブロックチェーン実用化をテーマとしたエンジニア向けミートアップ「スマートコントラクト・フォー・リアルユース(「Smart Contract Meeting for Real Use」)」がGunosy本社オフィスにて開催された。
昨今世界中で数えきれないほどのブロックチェーンプロジェクトが生まれているが、その中で彼らが掲げるビジョンを実現できるプロジェクトは果たしていくつあるだろうか。このミートアップではブロックチェーンの中でもスマートコントラクト(契約をスムーズに履行するためのコンピュータープロトコル)分野にテーマを絞り、実用化にあたっての課題とそれに対する技術やソリューションについて発表された。
情報キュレーションサービスを提供するGunosy<6047>からは新規事業開発室のOsuke氏が「仮想通貨イーサリアム(ETH)におけるスマートコントラクトの課題と実サービス応用へのアプローチ」について話した。
Osuke氏はイーサリアムのスマートコントラクトの特徴についてまとめた上で、現在抱えている課題をスケーラビリティ(取引量増加に適応する能力)、アップグレーダビリティ、オラクル(ブロックチェーンの外部から現実世界に関するデータを取得すること)、プライバシー、アイデンティティに分けて解説した。さらにdApps(非中央集権・分散型アプリケーション)の設計と開発について、シェアリングサービスを例に出しながら紹介した。
また今回ロシアから来日したKIRIKチームのピッチも非常に興味深かった。KIRIKは、ロシアの数学者が20世紀に提唱したセマンティックモデリング理論(実世界における意味的構造を表すモデル、その他のデータとの相互関係性の文脈内で定義すること)を応用したメタプロトコルであり、異なるブロックチェーンにおけるアセットの移動、開発言語、アプリケーションなどに由来する課題を解決する、という。
KIRIK のグミロフCEOは
「KIRIKプロジェクトは理論上のものではなく実用的なものである。現在既に中央集権的にではあるが、大手通信会社向けに提供している」と話した。
さらに「今回の来日はブロックチェーン研究に注力する日本企業との共同開発に向けたディスカッションを目的としており、面談したいくつかの企業とは既に協業に向けた具体的な調整を進めている」と続けた。
各発表のあとのパネルディスカションでは東京大学ブロックチェーン開発団体bitpenguin代表の大森氏がモデレーターを務めた。
会場からは今回初めて日本を訪れたKIRIKに質問が集中した。異なるブロックチェーンを繋げるKIRIKにとって優先的なユーザーは誰か、という質問に対しグミロフCEOは
「よりKIRIKプロトコルを必要としているユーザーが優先的なユーザーである。KIRIKを開発したいエンジニア向けに教育プログラムも用意している。」と回答した。
このミートアップを通じて筆者が強く感じたことは、世界中であらゆる規制に晒されているこの業界において、そうした規制も飲み込むようなパラダイムシフトを起こしてくれるようなビジョンとパワーを持ったプロジェクトが生まれていかなければならないということ。そのためには、まだ新しい業界であり全世界で2500人ほどしか技術者がいないと言われるブロックチェーン業界において、技術者の教育も重要である。さらにはその技術が実際のビジネスで利活用されていき、投資や投機対象としてだけでなく産業として成熟していくことが必要である。
執筆者名:ロシアンOLちゃん
ブログ名:ロシアの仮想通貨情報をひたすら翻訳するブログ
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以下は、フィスコソーシャルレポーターのロシアンOLちゃん(ブログ「ロシアの仮想通貨情報をひたすら翻訳するブログ」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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6月29日、ブロックチェーン実用化をテーマとしたエンジニア向けミートアップ「スマートコントラクト・フォー・リアルユース(「Smart Contract Meeting for Real Use」)」がGunosy本社オフィスにて開催された。
昨今世界中で数えきれないほどのブロックチェーンプロジェクトが生まれているが、その中で彼らが掲げるビジョンを実現できるプロジェクトは果たしていくつあるだろうか。このミートアップではブロックチェーンの中でもスマートコントラクト(契約をスムーズに履行するためのコンピュータープロトコル)分野にテーマを絞り、実用化にあたっての課題とそれに対する技術やソリューションについて発表された。
情報キュレーションサービスを提供するGunosy<6047>からは新規事業開発室のOsuke氏が「仮想通貨イーサリアム(ETH)におけるスマートコントラクトの課題と実サービス応用へのアプローチ」について話した。
Osuke氏はイーサリアムのスマートコントラクトの特徴についてまとめた上で、現在抱えている課題をスケーラビリティ(取引量増加に適応する能力)、アップグレーダビリティ、オラクル(ブロックチェーンの外部から現実世界に関するデータを取得すること)、プライバシー、アイデンティティに分けて解説した。さらにdApps(非中央集権・分散型アプリケーション)の設計と開発について、シェアリングサービスを例に出しながら紹介した。
また今回ロシアから来日したKIRIKチームのピッチも非常に興味深かった。KIRIKは、ロシアの数学者が20世紀に提唱したセマンティックモデリング理論(実世界における意味的構造を表すモデル、その他のデータとの相互関係性の文脈内で定義すること)を応用したメタプロトコルであり、異なるブロックチェーンにおけるアセットの移動、開発言語、アプリケーションなどに由来する課題を解決する、という。
KIRIK のグミロフCEOは
「KIRIKプロジェクトは理論上のものではなく実用的なものである。現在既に中央集権的にではあるが、大手通信会社向けに提供している」と話した。
さらに「今回の来日はブロックチェーン研究に注力する日本企業との共同開発に向けたディスカッションを目的としており、面談したいくつかの企業とは既に協業に向けた具体的な調整を進めている」と続けた。
各発表のあとのパネルディスカションでは東京大学ブロックチェーン開発団体bitpenguin代表の大森氏がモデレーターを務めた。
会場からは今回初めて日本を訪れたKIRIKに質問が集中した。異なるブロックチェーンを繋げるKIRIKにとって優先的なユーザーは誰か、という質問に対しグミロフCEOは
「よりKIRIKプロトコルを必要としているユーザーが優先的なユーザーである。KIRIKを開発したいエンジニア向けに教育プログラムも用意している。」と回答した。
このミートアップを通じて筆者が強く感じたことは、世界中であらゆる規制に晒されているこの業界において、そうした規制も飲み込むようなパラダイムシフトを起こしてくれるようなビジョンとパワーを持ったプロジェクトが生まれていかなければならないということ。そのためには、まだ新しい業界であり全世界で2500人ほどしか技術者がいないと言われるブロックチェーン業界において、技術者の教育も重要である。さらにはその技術が実際のビジネスで利活用されていき、投資や投機対象としてだけでなく産業として成熟していくことが必要である。
執筆者名:ロシアンOLちゃん
ブログ名:ロシアの仮想通貨情報をひたすら翻訳するブログ
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