富士通など、在宅医療業務向けのモバイルアプリケーション制御技術を開発・実証
[17/01/30]
TOKYO, Jan 30, 2017 - (JCN Newswire) - 一般社団法人別府市医師会(以下、別府市医師会(注1))、株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所(注2))、富士通株式会社(以下、富士通(注3))は、在宅医療現場での業務を革新するモバイルアプリケーション制御技術を開発・実証しました。
在宅医療では、医師・看護師・介護士・薬剤師など異なる職種が連携して患者をケアするために、患者のバイタル情報や申送り事項など医療情報を共有する必要があります。今回、利用者の資格、時間、場所など状況に応じてスマート端末上のアプリケーションや情報を自動的に切り替えるモバイルアプリケーション制御技術を開発し、本技術を適用したシステムを構築して、別府市内で実証を行いました。その結果、多職種間で医療情報を共有することによる医療の質向上と個人情報の秘密保持、業務の効率化に有効であることを確認しました。
今後、別府市医師会では、業務の効率化に向けて先進的な技術の導入を進めていきます。富士通では、富士通研究所が開発した技術を活用し、訪問診療システムの製品化を目指します。
背景
近年、在宅医療の現場では、医師・看護師・介護士・薬剤師などが患者の医療情報を共有して医療の質を高めるために、タブレットなどスマート端末を活用した様々なシステム、ソリューションが積極的に導入されつつあります。
全国に先駆けて2015年に高齢化率が31.3%(注4)を超えた別府市では、高齢化先進地域として医療と介護がスムーズに連携し、地域における効率的な医療提供体制を整備しました。
課題
スマート端末で患者の個人情報である体温、血圧などのバイタル情報、治癒の経過を記録した写真、関係者への申し送り事項などの医療情報を安全に扱うには、必要時にのみアクセスし、その後は資格のない人に情報を見られないように速やかにアプリケーションを閉じるなどの運用が求められていました。このとき、利用者は利用者ID、患者ID、パスワードなどの入力操作を何度も行うことになり、さらに、誰が、いつ、どこで、どの範囲の情報にアクセスできるかなど、取り決められた情報管理のルールに従い確実に運用していく必要があるため、多忙な在宅医療の現場においては大きな負担となっていました。
開発した技術
今回、富士通研究所では、患者の医療情報の表示や非表示、共有範囲、利用するアプリケーションなどを自動的に変更するモバイルアプリケーション制御技術を開発しました。開発した技術の特長は以下のとおりです。
ポリシー管理機能
ネットワーク上にある医療情報に、誰が・いつ・どこで・どの範囲にアクセスできるかを定義したポリシーを、管理者があらかじめ一括して設定することができます。
ポリシー制御機能
利用者が持つ資格識別ビーコンや患者宅に設置したビーコンの情報と、あらかじめ設定したポリシーに基づき、アプリケーションや提示される情報を自動的に切換えることができます。患者宅に訪問時は自動的に患者の医療情報が表示され、また、患者宅から離れた場合は、端末内の情報を自動的に非表示にしたり、消去します。
現場適用の概要
開発した技術を富士通のソリューション「地域医療ネットワーク HumanBridge EHRソリューション(ヒューマンブリッジ イーエイチアール ソリューション)」へ適用したシステムを構築し、別府市医師会と共同で、訪問診療・訪問看護の現場、および処方・調剤業務の現場で実証を行いました。
訪問診療・訪問看護業務
実施時期:2016年3月から9月
実施場所:別府市内の在宅医療現場
処方・調剤業務
実施時期:2016年9月から12月
実施場所:別府市内の診療所、調剤薬局
実証の結果、必要時に利用者の職種に応じて自動的に医療情報を表示し、それ以外では自動で医療情報が非表示になることにより、個人情報を確実に秘密保持できることと、情報へアクセスする際のIDやパスワードなどを入力する手間を削減できることを確認しました。本技術により、安全性と利便性の両立が実現したことで、これまで以上に頻繁に患者の症状や生活の様子などを撮影・記録して、多職種間で最新の情報を共有できるようになるなど、スマート端末をより積極的に活用されることが確認できました。
また、管理者によるポリシーの管理については、担当者が数十分間の学習を受けるだけでスムーズに設定・管理できることを確認しました。
効果
本技術により、これまで実現できなかった安全性と利便性を両立したスマート端末による医療情報の共有が可能となり、在宅医療の現場で、ICTを活用した多職種間のタイムリーな医療情報の共有が促進することで、患者の症状やケア方針などの申し送り事項の共有に要していた時間の削減(富士通研究所推計(注5):22.5時間/月・看護ステーション)や患者のケアの質向上に寄与することが期待できます。
今後
今後、別府市医師会では、業務の効率化に向けて先進的な技術の導入を進めていきます。富士通では、富士通研究所が開発した技術を活用して、2017年中に訪問診療システムの製品化を目指し、富士通研究所では、モバイルアプリケーション制御技術の機能拡充やヘルスケアの様々な分野での活用について検討していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/01/30.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
注釈
注1 一般社団法人別府市医師会:所在地 大分県別府市 会長 矢田 公裕。
注2 株式会社富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。
注3 富士通株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 田中 達也。
注4 出典元:日本医師会 地域医療情報システム、総務省統計局 国勢調査 http://jmap.jp/cities/detail/city/44202
注5 富士通研究所推計:平均訪問看護件数、適用先での医療情報共有所要時間から推計。
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在宅医療では、医師・看護師・介護士・薬剤師など異なる職種が連携して患者をケアするために、患者のバイタル情報や申送り事項など医療情報を共有する必要があります。今回、利用者の資格、時間、場所など状況に応じてスマート端末上のアプリケーションや情報を自動的に切り替えるモバイルアプリケーション制御技術を開発し、本技術を適用したシステムを構築して、別府市内で実証を行いました。その結果、多職種間で医療情報を共有することによる医療の質向上と個人情報の秘密保持、業務の効率化に有効であることを確認しました。
今後、別府市医師会では、業務の効率化に向けて先進的な技術の導入を進めていきます。富士通では、富士通研究所が開発した技術を活用し、訪問診療システムの製品化を目指します。
背景
近年、在宅医療の現場では、医師・看護師・介護士・薬剤師などが患者の医療情報を共有して医療の質を高めるために、タブレットなどスマート端末を活用した様々なシステム、ソリューションが積極的に導入されつつあります。
全国に先駆けて2015年に高齢化率が31.3%(注4)を超えた別府市では、高齢化先進地域として医療と介護がスムーズに連携し、地域における効率的な医療提供体制を整備しました。
課題
スマート端末で患者の個人情報である体温、血圧などのバイタル情報、治癒の経過を記録した写真、関係者への申し送り事項などの医療情報を安全に扱うには、必要時にのみアクセスし、その後は資格のない人に情報を見られないように速やかにアプリケーションを閉じるなどの運用が求められていました。このとき、利用者は利用者ID、患者ID、パスワードなどの入力操作を何度も行うことになり、さらに、誰が、いつ、どこで、どの範囲の情報にアクセスできるかなど、取り決められた情報管理のルールに従い確実に運用していく必要があるため、多忙な在宅医療の現場においては大きな負担となっていました。
開発した技術
今回、富士通研究所では、患者の医療情報の表示や非表示、共有範囲、利用するアプリケーションなどを自動的に変更するモバイルアプリケーション制御技術を開発しました。開発した技術の特長は以下のとおりです。
ポリシー管理機能
ネットワーク上にある医療情報に、誰が・いつ・どこで・どの範囲にアクセスできるかを定義したポリシーを、管理者があらかじめ一括して設定することができます。
ポリシー制御機能
利用者が持つ資格識別ビーコンや患者宅に設置したビーコンの情報と、あらかじめ設定したポリシーに基づき、アプリケーションや提示される情報を自動的に切換えることができます。患者宅に訪問時は自動的に患者の医療情報が表示され、また、患者宅から離れた場合は、端末内の情報を自動的に非表示にしたり、消去します。
現場適用の概要
開発した技術を富士通のソリューション「地域医療ネットワーク HumanBridge EHRソリューション(ヒューマンブリッジ イーエイチアール ソリューション)」へ適用したシステムを構築し、別府市医師会と共同で、訪問診療・訪問看護の現場、および処方・調剤業務の現場で実証を行いました。
訪問診療・訪問看護業務
実施時期:2016年3月から9月
実施場所:別府市内の在宅医療現場
処方・調剤業務
実施時期:2016年9月から12月
実施場所:別府市内の診療所、調剤薬局
実証の結果、必要時に利用者の職種に応じて自動的に医療情報を表示し、それ以外では自動で医療情報が非表示になることにより、個人情報を確実に秘密保持できることと、情報へアクセスする際のIDやパスワードなどを入力する手間を削減できることを確認しました。本技術により、安全性と利便性の両立が実現したことで、これまで以上に頻繁に患者の症状や生活の様子などを撮影・記録して、多職種間で最新の情報を共有できるようになるなど、スマート端末をより積極的に活用されることが確認できました。
また、管理者によるポリシーの管理については、担当者が数十分間の学習を受けるだけでスムーズに設定・管理できることを確認しました。
効果
本技術により、これまで実現できなかった安全性と利便性を両立したスマート端末による医療情報の共有が可能となり、在宅医療の現場で、ICTを活用した多職種間のタイムリーな医療情報の共有が促進することで、患者の症状やケア方針などの申し送り事項の共有に要していた時間の削減(富士通研究所推計(注5):22.5時間/月・看護ステーション)や患者のケアの質向上に寄与することが期待できます。
今後
今後、別府市医師会では、業務の効率化に向けて先進的な技術の導入を進めていきます。富士通では、富士通研究所が開発した技術を活用して、2017年中に訪問診療システムの製品化を目指し、富士通研究所では、モバイルアプリケーション制御技術の機能拡充やヘルスケアの様々な分野での活用について検討していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/01/30.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
注釈
注1 一般社団法人別府市医師会:所在地 大分県別府市 会長 矢田 公裕。
注2 株式会社富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。
注3 富士通株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 田中 達也。
注4 出典元:日本医師会 地域医療情報システム、総務省統計局 国勢調査 http://jmap.jp/cities/detail/city/44202
注5 富士通研究所推計:平均訪問看護件数、適用先での医療情報共有所要時間から推計。
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