富士通: 東京大学の医学部でVRを使った心臓シミュレータのビューアーを講義に活用
[17/09/12]
TOKYO, Sep 12, 2017 - (JCN Newswire) - 当社は、心臓シミュレータのデータをVirtual Reality(注1)(以下、VR)により立体的に表示する心臓ビューアーを、国立大学法人東京大学(所在地:東京都文京区、総長:五神真、以下 東京大学)の大学3年生を対象とした医学部の心電図講義(講師:獨協医科大学ハートセンター 中島敏明教授)に提供し、9月13日に講義で活用されます。
心臓ビューアーは、当社と東京大学が共同で開発を行っている、スーパーコンピュータ「京」(注2)やPCクラスタを用いてシミュレーションを行う心臓シミュレータの出力データをコンテンツとして利用します。本講義において、学生は、心臓の興奮伝播(ペースメーカー細胞からの電気刺激が心臓全体に伝わる現象)をVRにより360度立体的に確認することで、心電図が興奮伝播過程でどのように生成されるかを理解します。また、心筋梗塞などのコンテンツを用意し、正常時と疾患時による興奮伝播の違いも確認できます。
当社は、本講義の活用を通して得た結果を踏まえ、効果的な教材として利用できる心臓ビューアーの2017年度中の製品化に向けた開発を進め、医療の発展に貢献していきます。
背景
現在、心臓病は世界の先進各国における死因の上位(日本2位、米国1位)を占めており、様々な治療法、治療機器が日々研究開発されています。
心臓は体内の中でも最も難解な構造を持ち、複雑な動きや血流の動きを文献などで学ぶのは難しいとされています。なかでも、医学生が初期に学習する心電図の示す波形と興奮伝播の相関についての理解が困難であると言われます。心電図は、心臓の中に存在するペースメーカー細胞からの電気刺激によって心筋に興奮が伝わり、心臓が収縮する現象を信号で捉えたものですが、心電図自体はグラフによる表示が一般的です。一方、興奮伝播は複雑かつ立体的に心筋内に広がるため、教科書や従来の教育向けコンテンツでは、その伝播過程を忠実に伝えることができませんでした。
今回、心臓の挙動を忠実に再現する心臓シミュレータの出力データを教材として活用できるようにした上で、VR技術によって立体視させることで、心電図が示すグラフと興奮伝播の相関関係や、正常時と疾患時の挙動の比較などをリアルに確認でき、学生の効率的な学習を支援します。
講義概要
1. 実施日
2017年9月13日(水曜日)
2. 実施場所・クラス
東京大学本郷キャンパス 心電図講義(講師:中島敏明教授)
3. 受講者
3年の医学部生 約110名
4. 概要
学生は、プロジェクターで映し出された心臓のシミュレーションモデルを、立体的に見ることができます。講師は、正常時と異常時の興奮伝播の3Dモデルを、360度回転させたり、断面の状態を見せるなど、簡単な操作で動かしながら説明します。
心臓シミュレータの概要
1. スーパーコンピュータ「京」で生成した精巧な3Dモデルを実現
当社と東京大学が開発している心臓シミュレータは、実際のMRIやCTで撮影された心臓の画像を元にスーパーコンピュータ「京」あるいはPCクラスタで、心臓の拍動を心筋細胞のレベルから精密に再現します。今回、教材向けに用意した、心臓シミュレータのデータを立体的に見ることができる専用ビューアーを活用し、心臓の内部・外部の構造をはじめ、リアルな心筋の挙動、詳細な血管網や血流の様子、興奮伝播の拡散などを、3Dモデルで学ぶことができます。
2. 多様な視点からの観察と様々なシミュレーションが可能
内部までリアルに再現された3Dモデルを、回転や拡張、断面など、多様な視点から観察することができます。また、健康な心臓のほか、心筋梗塞、致死性不整脈、左脚ブロックなど疾患時のシミュレーションデータも用意されているので、正常時の心臓の挙動と比較しながら学習を進めることができます。
今後
当社は、今回の講義で得られる知見も踏まえ、より多様な心臓シミュレーションモデルの開発を進め、2017年度中に教育機関や医療機関向けに心臓ビューアーを教材ソフトウェアとして販売します。
注釈
注1 Virtual Reality:
現物・実物(オリジナル)ではないが、3次元データを立体的に表示させることで、あたかもそこに存在し、現実体験のように感じられる環境を作り出す技術。
注2 スーパーコンピュータ「京」:
文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理化学研究所と当社が共同で開発を行い、2012年9月に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/09/12-1.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
Copyright 2017 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
心臓ビューアーは、当社と東京大学が共同で開発を行っている、スーパーコンピュータ「京」(注2)やPCクラスタを用いてシミュレーションを行う心臓シミュレータの出力データをコンテンツとして利用します。本講義において、学生は、心臓の興奮伝播(ペースメーカー細胞からの電気刺激が心臓全体に伝わる現象)をVRにより360度立体的に確認することで、心電図が興奮伝播過程でどのように生成されるかを理解します。また、心筋梗塞などのコンテンツを用意し、正常時と疾患時による興奮伝播の違いも確認できます。
当社は、本講義の活用を通して得た結果を踏まえ、効果的な教材として利用できる心臓ビューアーの2017年度中の製品化に向けた開発を進め、医療の発展に貢献していきます。
背景
現在、心臓病は世界の先進各国における死因の上位(日本2位、米国1位)を占めており、様々な治療法、治療機器が日々研究開発されています。
心臓は体内の中でも最も難解な構造を持ち、複雑な動きや血流の動きを文献などで学ぶのは難しいとされています。なかでも、医学生が初期に学習する心電図の示す波形と興奮伝播の相関についての理解が困難であると言われます。心電図は、心臓の中に存在するペースメーカー細胞からの電気刺激によって心筋に興奮が伝わり、心臓が収縮する現象を信号で捉えたものですが、心電図自体はグラフによる表示が一般的です。一方、興奮伝播は複雑かつ立体的に心筋内に広がるため、教科書や従来の教育向けコンテンツでは、その伝播過程を忠実に伝えることができませんでした。
今回、心臓の挙動を忠実に再現する心臓シミュレータの出力データを教材として活用できるようにした上で、VR技術によって立体視させることで、心電図が示すグラフと興奮伝播の相関関係や、正常時と疾患時の挙動の比較などをリアルに確認でき、学生の効率的な学習を支援します。
講義概要
1. 実施日
2017年9月13日(水曜日)
2. 実施場所・クラス
東京大学本郷キャンパス 心電図講義(講師:中島敏明教授)
3. 受講者
3年の医学部生 約110名
4. 概要
学生は、プロジェクターで映し出された心臓のシミュレーションモデルを、立体的に見ることができます。講師は、正常時と異常時の興奮伝播の3Dモデルを、360度回転させたり、断面の状態を見せるなど、簡単な操作で動かしながら説明します。
心臓シミュレータの概要
1. スーパーコンピュータ「京」で生成した精巧な3Dモデルを実現
当社と東京大学が開発している心臓シミュレータは、実際のMRIやCTで撮影された心臓の画像を元にスーパーコンピュータ「京」あるいはPCクラスタで、心臓の拍動を心筋細胞のレベルから精密に再現します。今回、教材向けに用意した、心臓シミュレータのデータを立体的に見ることができる専用ビューアーを活用し、心臓の内部・外部の構造をはじめ、リアルな心筋の挙動、詳細な血管網や血流の様子、興奮伝播の拡散などを、3Dモデルで学ぶことができます。
2. 多様な視点からの観察と様々なシミュレーションが可能
内部までリアルに再現された3Dモデルを、回転や拡張、断面など、多様な視点から観察することができます。また、健康な心臓のほか、心筋梗塞、致死性不整脈、左脚ブロックなど疾患時のシミュレーションデータも用意されているので、正常時の心臓の挙動と比較しながら学習を進めることができます。
今後
当社は、今回の講義で得られる知見も踏まえ、より多様な心臓シミュレーションモデルの開発を進め、2017年度中に教育機関や医療機関向けに心臓ビューアーを教材ソフトウェアとして販売します。
注釈
注1 Virtual Reality:
現物・実物(オリジナル)ではないが、3次元データを立体的に表示させることで、あたかもそこに存在し、現実体験のように感じられる環境を作り出す技術。
注2 スーパーコンピュータ「京」:
文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理化学研究所と当社が共同で開発を行い、2012年9月に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/09/12-1.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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