NTT西日本、日立が長崎県五島市にICTを活用した鳥獣害対策システムを導入
[18/04/11]
TOKYO, Apr 11, 2018 - (JCN Newswire) - 西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:村尾 和俊/以下、NTT西日本)および株式 会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、長崎県五島市にICTを活用した鳥獣害対策システムを導入しました。なお、本件は総務省「平成28年度補正予算 ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」*1を活用しています。
1.背景・目的
近年、イノシシ、シカ等の野生鳥獣の生息域拡大による農作物被害が深刻化しており、平成27年度の被害金額は172億円*2に達するなど大きな社会問題となっています。また、野生鳥獣との不慮の接触により人的被害をもたらすこともあり、対策は急を要する一方で、狩猟免許所持者の高齢化が進んでおり、狩猟の効率化が課題となっています。
五島市においても、近年イノシシが海を渡って急速に生息域を拡大しており、平成27年から水稲被害が発生し始めています。猟師の人数も少なく効率的な対策の実施が急務となっていたため、このたびNTT西日本と日立が連携し、五島市に対してIoTセンサーとGIS(地理情報システム)等のICTを活用した鳥獣害対策システムを導入しました。
2.システム概要
本システムは、調査・捕獲区域に設置した出没検知センサーおよび捕獲検知センサーをGIS(Geographic Information System:地理情報システム)と連携させ、野生鳥獣の出没や捕獲などの状況をリアルタイムで通知・可視化します(図1)。活用している技術の具体的特長は以下のとおりです。
- 出没検知センサー/捕獲検知センサー
野生鳥獣の出没や罠の作動をセンサーが検知すると、自動的に写真撮影を行い、宛先に登録した捕獲員にメールを送信するので、捕獲員は現場の状況を迅速に把握することが可能になります。
- 鳥獣害対策用GIS
出没検知センサーおよび捕獲検知センサーの情報をリアルタイムに収集し、地図上に可視化します。また、罠や柵など対策設備の情報を登録することで、鳥獣害対策に関わる情報を一元的に管理することができます。
3.導入効果
平成29年11月より本システムを五島市にて運用した結果、下記の効果が得られました。
(1)捕獲効率の向上
- 鳥獣がよく出没するエリアを可視化したことにより重点的に罠を仕掛けることが可能となり、センサーを設置した五島市福江島において、農作物に大きな被害をもたらしていたイノシシの捕獲頭数が前年度比5倍以上に増加しました(図2)。
- 捕獲員が事前に罠の状況を把握した上で効率的に見回りを行うことが可能になりました。
(2)鳥獣被害の低減
- 市街地にイノシシが出没した際には、出没検知センサーを市街地に移設し、該当個体の 出没エリアを把握したことにより、迅速な捕獲に成功し人的被害を未然に防ぐことができました。
(3)捕獲計画立案の高度化/外部情報提供の効率化
- 野生鳥獣の出没傾向の把握や対策設備の情報管理が容易になり、実態に即した捕獲計画の立案が可能になりました。
- 野生鳥獣の出没地点などを地図画像として即時出力ができるため、鳥獣害に関する住民への情報公開や長崎県への報告が容易になりました。
4.各社の役割
NTT西日本
- 鳥獣害対策業務に関する課題ヒアリング・コンサルティング
- 本システム一式の提供
日立
- 業務課題の解決に向けたシステムの検討
- 鳥獣害対策用GISの開発、導入
5.今後について
今回の導入を踏まえて、NTT西日本と日立は両社で同じ課題を抱える多くの自治体の鳥獣害対策を支援していきます。NTT西日本においては、多様化する通信ネットワークやIoT技術等を活用し、鳥獣害対策に関する各種ニーズへの対応を検討していきます。また、日立は、より容易に本システムを利用できるようにするため、平成30年度に鳥獣害対策用GISをクラウドサービスにて提供開始する予定です。
今後も、両社のコラボレーションにより、ICTを活用し広範な分野における社会課題の解決に貢献していきます。
*今回の結果について、五島市ご担当者さまよりコメントをいただいております。
長崎県五島市農業振興課 藤原様
出没傾向を可視化することでイノシシ捕獲数が目に見えて増加し、大変助かっています。今後、耕作放棄地等のデータも取り込みさらに対策を高度化していく予定です。鳥獣害対策へのIoT活用は、猟師減少、捕獲効率化に悩んでいる自治体にとって希望になると思います。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2018/04/0411b.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
Copyright 2018 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
1.背景・目的
近年、イノシシ、シカ等の野生鳥獣の生息域拡大による農作物被害が深刻化しており、平成27年度の被害金額は172億円*2に達するなど大きな社会問題となっています。また、野生鳥獣との不慮の接触により人的被害をもたらすこともあり、対策は急を要する一方で、狩猟免許所持者の高齢化が進んでおり、狩猟の効率化が課題となっています。
五島市においても、近年イノシシが海を渡って急速に生息域を拡大しており、平成27年から水稲被害が発生し始めています。猟師の人数も少なく効率的な対策の実施が急務となっていたため、このたびNTT西日本と日立が連携し、五島市に対してIoTセンサーとGIS(地理情報システム)等のICTを活用した鳥獣害対策システムを導入しました。
2.システム概要
本システムは、調査・捕獲区域に設置した出没検知センサーおよび捕獲検知センサーをGIS(Geographic Information System:地理情報システム)と連携させ、野生鳥獣の出没や捕獲などの状況をリアルタイムで通知・可視化します(図1)。活用している技術の具体的特長は以下のとおりです。
- 出没検知センサー/捕獲検知センサー
野生鳥獣の出没や罠の作動をセンサーが検知すると、自動的に写真撮影を行い、宛先に登録した捕獲員にメールを送信するので、捕獲員は現場の状況を迅速に把握することが可能になります。
- 鳥獣害対策用GIS
出没検知センサーおよび捕獲検知センサーの情報をリアルタイムに収集し、地図上に可視化します。また、罠や柵など対策設備の情報を登録することで、鳥獣害対策に関わる情報を一元的に管理することができます。
3.導入効果
平成29年11月より本システムを五島市にて運用した結果、下記の効果が得られました。
(1)捕獲効率の向上
- 鳥獣がよく出没するエリアを可視化したことにより重点的に罠を仕掛けることが可能となり、センサーを設置した五島市福江島において、農作物に大きな被害をもたらしていたイノシシの捕獲頭数が前年度比5倍以上に増加しました(図2)。
- 捕獲員が事前に罠の状況を把握した上で効率的に見回りを行うことが可能になりました。
(2)鳥獣被害の低減
- 市街地にイノシシが出没した際には、出没検知センサーを市街地に移設し、該当個体の 出没エリアを把握したことにより、迅速な捕獲に成功し人的被害を未然に防ぐことができました。
(3)捕獲計画立案の高度化/外部情報提供の効率化
- 野生鳥獣の出没傾向の把握や対策設備の情報管理が容易になり、実態に即した捕獲計画の立案が可能になりました。
- 野生鳥獣の出没地点などを地図画像として即時出力ができるため、鳥獣害に関する住民への情報公開や長崎県への報告が容易になりました。
4.各社の役割
NTT西日本
- 鳥獣害対策業務に関する課題ヒアリング・コンサルティング
- 本システム一式の提供
日立
- 業務課題の解決に向けたシステムの検討
- 鳥獣害対策用GISの開発、導入
5.今後について
今回の導入を踏まえて、NTT西日本と日立は両社で同じ課題を抱える多くの自治体の鳥獣害対策を支援していきます。NTT西日本においては、多様化する通信ネットワークやIoT技術等を活用し、鳥獣害対策に関する各種ニーズへの対応を検討していきます。また、日立は、より容易に本システムを利用できるようにするため、平成30年度に鳥獣害対策用GISをクラウドサービスにて提供開始する予定です。
今後も、両社のコラボレーションにより、ICTを活用し広範な分野における社会課題の解決に貢献していきます。
*今回の結果について、五島市ご担当者さまよりコメントをいただいております。
長崎県五島市農業振興課 藤原様
出没傾向を可視化することでイノシシ捕獲数が目に見えて増加し、大変助かっています。今後、耕作放棄地等のデータも取り込みさらに対策を高度化していく予定です。鳥獣害対策へのIoT活用は、猟師減少、捕獲効率化に悩んでいる自治体にとって希望になると思います。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2018/04/0411b.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
Copyright 2018 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com