日立、風力発電システム事業の強化について
[19/01/25]
TOKYO, Jan 25, 2019 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、再生可能エネルギー事業の強化を目的に、風力発電機の保守サービス事業や太陽光、蓄電池、EMS*1などを組み合わせた地域密着型・協創型のエネルギー事業など、風力発電機をコアプロダクトとしたソリューション事業を強化するとともに、ドイツの風力発電市場においてトップ、欧州において2位のシェア*2を誇る風力発電機の製造・販売会社であるENERCON GmbH(本社:ドイツ連邦共和国・ニーダーザクセン州/以下、エネルコン社)との提携を拡大します。
風力発電は、世界の再生可能エネルギーの中で最大規模の発電量を占めており、今後、再生可能エネルギーの中で最も成長が期待されるエネルギーとされています。日本国内においても、2012年に開始された固定価格買取制度(FIT)などの支援によって、風力発電の導入が加速すると予想されています。一方で風力発電市場は大きく変化しており、風況の良い平坦地や沿岸部から内陸部へ風力発電機の適地*3が限られていくことと同時に、ブレード径の拡大や単機出力の高い風車の設置が進んでいます。また、電力会社に加え、電力会社以外の民間企業、自治体などさまざまな企業・団体による風力発電事業への参画が進んでおり、ビジネスモデルも風力発電機の販売を中心とした売り切り型から、長期O&M*4をパッケージ化*5したサービス中心のモデルに転換しつつあります。
日立では、再生可能エネルギー事業のさらなる成長と収益性の向上をめざし、コアプロダクトとなる風力発電機と、これまで培ってきたITとOT*6の強みを掛け合わせた競合企業が追随できないデジタルソリューションを組み合わせて新たな価値を提供することで、風力発電システム事業を強化していきます。詳細は、次の通りです。
1. 風車をコアプロダクトとしたソリューション事業の強化について
日立は、お客さまの風力発電システムを最適に制御・運用するOTとデジタル技術を融合したサービスプラットフォームを「Lumada」も活用して構築しており、保守サービスの高度化など、付加価値の高いサービス事業を推進しています。
まず、お客さまが安定した経営を実現するため、予兆・予測診断システムを用いることによって風力発電システムの安定稼働の実現、保守コストの低減、設備パフォーマンスの最大化などに貢献するソリューション事業を強化します。具体的には、お客さまの風力発電システムの稼働情報をリアルタイムに収集することにより、設備の故障を予測し、遠隔操作によるメンテナンス支援を行うことで、想定外の発電停止を未然に防ぎ、安定稼働に貢献します。また、遠隔監視・支援センタに集約された情報を解析・診断することで、迅速な保守員の派遣や的確な処置を実施し、多大な修理コストの低減や停止期間の短縮による売電量の増加を実現します。
また、最先端のAIを活用した新たなソリューションの提供も加速します。現在、複数の風車が並んだ大規模ウインドファームなどを想定し、一列に並んだ風車に流入する風の影響をAIで分析することで、それぞれの風車を制御し、ウインドファーム全体での発電量を向上させる技術について、国立研究開発法人産業技術総合研究所や国立大学法人東京大学と共同実証試験を進めています。今後、新たな技術を活用して、年平均風速が比較的低い設置場所においても1基あたりの発電量を増加させるといった、お客さまの課題を解決するソリューションも提供していきます。
さらに、日本政府が再生可能エネルギーの「主力電源化」方針を打ち出しており、分散型電源の普及が予測されることから、風力発電の導入を最大化し得る地域密着型・協創型ソリューションの提供も強化します。日立は、既に自治体をはじめとする地域向けのコンパクトエネルギーネットワーク構築事業を推進しており、今後は、エネルコン社製の風力発電機を活用したエネルギーネットワークを提案するなど、さらなるソリューションの強化を図ります。
2. ドイツ・エネルコン社との提携拡大ならびにダウンウィンド型風力発電システムについて
日立は、今回、エネルコン社との提携を拡大します。日立グループでは、これまで、日立が自社で開発・製造するダウンウィンド型風力発電システムを、グループ会社である株式会社日立パワーソリューションズ(以下、日立パワー)がエネルコン社製の風力発電機を、それぞれソリューション事業として提供してきました。しかし、現在の体制では、開発費や人財リソースの分散、保守サービス部門や教育センタなどの重複をはじめ、事業を拡大する上での課題がありました。
エネルコン社は、1984年にドイツで設立された風力発電機の製造・販売を行う専業メーカーであり、ドイツ国内においては38.1%、欧州においては22.1%のシェア*2を誇るグローバルトップメーカーの一つです。創業以来、29,260基*7の納入実績を持ち、ブレード径44〜160m、定格出力900kW〜4.5MWのラインアップと、欧州向け7.5MWのプロトタイプモデル*8 95基の納入実績を有しています。日立パワーは、1997年にエネルコン社と協業契約を締結し、以来、日本国内における販売と建設、保守のパートナーとして、エネルコン社製の風力発電機428基(628MW)を納入*9しています。
今後は、日立グループ全体でエネルコン社製の風力発電機を取り扱うことになります。日立は、グローバルトップメーカーの一つであるエネルコン社の風力発電機と、日立のデジタル技術を組み合わせたソリューション事業を拡大することで、国内の風力発電機市場におけるトップシェアを維持していきます。また、これまで分散していたリソースについては、今後、集約していくことで、風力発電システム事業をさらに強化していきます。
なお、国内外で参画してきた既に進行中の日立のダウンウィンド型風力発電システムを用いたプロジェクトについては、対応していきます。また、既設のダウンウィンド型風力発電システムについても、これまでと同様に保守・サービスなどのソリューションを提供していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/01/0125.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
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風力発電は、世界の再生可能エネルギーの中で最大規模の発電量を占めており、今後、再生可能エネルギーの中で最も成長が期待されるエネルギーとされています。日本国内においても、2012年に開始された固定価格買取制度(FIT)などの支援によって、風力発電の導入が加速すると予想されています。一方で風力発電市場は大きく変化しており、風況の良い平坦地や沿岸部から内陸部へ風力発電機の適地*3が限られていくことと同時に、ブレード径の拡大や単機出力の高い風車の設置が進んでいます。また、電力会社に加え、電力会社以外の民間企業、自治体などさまざまな企業・団体による風力発電事業への参画が進んでおり、ビジネスモデルも風力発電機の販売を中心とした売り切り型から、長期O&M*4をパッケージ化*5したサービス中心のモデルに転換しつつあります。
日立では、再生可能エネルギー事業のさらなる成長と収益性の向上をめざし、コアプロダクトとなる風力発電機と、これまで培ってきたITとOT*6の強みを掛け合わせた競合企業が追随できないデジタルソリューションを組み合わせて新たな価値を提供することで、風力発電システム事業を強化していきます。詳細は、次の通りです。
1. 風車をコアプロダクトとしたソリューション事業の強化について
日立は、お客さまの風力発電システムを最適に制御・運用するOTとデジタル技術を融合したサービスプラットフォームを「Lumada」も活用して構築しており、保守サービスの高度化など、付加価値の高いサービス事業を推進しています。
まず、お客さまが安定した経営を実現するため、予兆・予測診断システムを用いることによって風力発電システムの安定稼働の実現、保守コストの低減、設備パフォーマンスの最大化などに貢献するソリューション事業を強化します。具体的には、お客さまの風力発電システムの稼働情報をリアルタイムに収集することにより、設備の故障を予測し、遠隔操作によるメンテナンス支援を行うことで、想定外の発電停止を未然に防ぎ、安定稼働に貢献します。また、遠隔監視・支援センタに集約された情報を解析・診断することで、迅速な保守員の派遣や的確な処置を実施し、多大な修理コストの低減や停止期間の短縮による売電量の増加を実現します。
また、最先端のAIを活用した新たなソリューションの提供も加速します。現在、複数の風車が並んだ大規模ウインドファームなどを想定し、一列に並んだ風車に流入する風の影響をAIで分析することで、それぞれの風車を制御し、ウインドファーム全体での発電量を向上させる技術について、国立研究開発法人産業技術総合研究所や国立大学法人東京大学と共同実証試験を進めています。今後、新たな技術を活用して、年平均風速が比較的低い設置場所においても1基あたりの発電量を増加させるといった、お客さまの課題を解決するソリューションも提供していきます。
さらに、日本政府が再生可能エネルギーの「主力電源化」方針を打ち出しており、分散型電源の普及が予測されることから、風力発電の導入を最大化し得る地域密着型・協創型ソリューションの提供も強化します。日立は、既に自治体をはじめとする地域向けのコンパクトエネルギーネットワーク構築事業を推進しており、今後は、エネルコン社製の風力発電機を活用したエネルギーネットワークを提案するなど、さらなるソリューションの強化を図ります。
2. ドイツ・エネルコン社との提携拡大ならびにダウンウィンド型風力発電システムについて
日立は、今回、エネルコン社との提携を拡大します。日立グループでは、これまで、日立が自社で開発・製造するダウンウィンド型風力発電システムを、グループ会社である株式会社日立パワーソリューションズ(以下、日立パワー)がエネルコン社製の風力発電機を、それぞれソリューション事業として提供してきました。しかし、現在の体制では、開発費や人財リソースの分散、保守サービス部門や教育センタなどの重複をはじめ、事業を拡大する上での課題がありました。
エネルコン社は、1984年にドイツで設立された風力発電機の製造・販売を行う専業メーカーであり、ドイツ国内においては38.1%、欧州においては22.1%のシェア*2を誇るグローバルトップメーカーの一つです。創業以来、29,260基*7の納入実績を持ち、ブレード径44〜160m、定格出力900kW〜4.5MWのラインアップと、欧州向け7.5MWのプロトタイプモデル*8 95基の納入実績を有しています。日立パワーは、1997年にエネルコン社と協業契約を締結し、以来、日本国内における販売と建設、保守のパートナーとして、エネルコン社製の風力発電機428基(628MW)を納入*9しています。
今後は、日立グループ全体でエネルコン社製の風力発電機を取り扱うことになります。日立は、グローバルトップメーカーの一つであるエネルコン社の風力発電機と、日立のデジタル技術を組み合わせたソリューション事業を拡大することで、国内の風力発電機市場におけるトップシェアを維持していきます。また、これまで分散していたリソースについては、今後、集約していくことで、風力発電システム事業をさらに強化していきます。
なお、国内外で参画してきた既に進行中の日立のダウンウィンド型風力発電システムを用いたプロジェクトについては、対応していきます。また、既設のダウンウィンド型風力発電システムについても、これまでと同様に保守・サービスなどのソリューションを提供していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/01/0125.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
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