日立とドイツ人工知能研究センター、作業者の身体負荷をスーツ型のウェアラブルデバイスにより定量評価し、作業動作の改善点を提示するAIを開発
[19/03/20]
TOKYO, Mar 20, 2019 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と、ドイツ人工知能研究センター(Deutsches Forschungszentrum für Künstliche Intelligenz CEO:Prof. Jana Koehler/以下、DFKI)は、スーツ型のウェアラブルデバイス*1を着用した作業者の身体負荷を定量評価し、身体の部位ごとに作業動作の改善点を提示するAIを開発しました。本技術は、ウェアラブルデバイスのセンサーが計測した動作データを利用し、作業時にかかる身体への負荷をリアルタイムに認識、定量化できるとともに、模範的な作業動作との違いを身体の部位ごとにフィードバックするといった支援を可能にします。今後、日立とDFKIは、今回開発したAIを作業支援や危険行動防止に活用し、さまざまな現場における作業者の安全確保や健康管理、作業効率化に貢献していきます。
近年、熟練作業者の減少とともに、新たな労働力の確保も難しくなっており、例えば自動車工場などの製造業や保守・運送業の現場では、作業者のスキルレベルを維持することが大きな課題となっています。さらに、現場の安全性に対する意識の高まりを背景に、作業者の危険防止や健康維持のための支援の重要性が増しています。作業者を支援するためには、作業中の労働負荷を把握する必要がありますが、従来の固定カメラ映像を利用した方法ではカメラに写る範囲に計測範囲が限定されるといった課題があり、死角が生じる複雑な生産現場や屋外で安定的かつ定量的に作業負荷を評価することは困難でした。
そこで日立とDFKIは、新たに、スーツ型のウェアラブルデバイスにより計測した作業動作データを利用することで、作業時の身体負荷を定量評価し、動作の改善点を提案するAIを開発しました。本AIは、2017年に開発*2した、眼鏡型デバイスとアームバンド型デバイスからのデータを定量化して「ネジ締め」などの作業内容を認識するAIを発展させたもので、日立の産業向け作業解析技術とDFKIのディープラーニング技術の融合により初めて実現したAIです。開発した技術の特長は以下の通りです。
1. さまざまな作業動作を計測し、身体負荷を定量化する技術
人間の主要な動きの識別に必要な30カ所を超える関節部位の動作を、ウェアラブルデバイスのセンサーで計測し、身体の各部位の状態認識モデルを個別に機械学習させたAIにより計測データを解析します。各部位の状態が組み合わさった動作の計測データをAIにより認識することで、作業で身体にかかる負荷をディープラーニングを用いた時系列データ処理技術により定量化します。
2. リアルタイムに身体負荷を推定し、適切な作業姿勢との違いを作業者に提示する技術
あらかじめ計測した模範作業の動作データと、作業者の動作データを、個別部位ごとに自動比較することで、重要な違いを生んでいる作業箇所と身体部位をAIが特定し、身体負荷への影響が大きい部位の評価のみを作業者に分かりやすく提示します。
本技術を用いて重量物の持ち上げ動作について実験した結果、作業の身体負荷をリアルタイムに定量評価し、非模範的な動作に対しては腰や膝の動作が模範動作と大きく異なるといった情報の提示が可能なことを確認しました。
今後、日立とDFKIは、本技術を作業支援や危険行動防止に活用し、さまざまな現場における作業者の安全確保や健康管理、作業教育の効率化に貢献していきます。また本技術は、身体の動作を測定し評価するAIとして、将来的にはスポーツ分野・エンターテインメント分野などへの応用も検討していきます。さらには、これまでに開発した作業認識AIなどとも連携し、作業現場の生産性向上に貢献し、より効率的で働きやすい作業現場の実現をめざします。
本技術は、2019年4月1日〜5日にドイツ・ハノーバーで開催される「HANNOVER MESSE 2019」(国際産業技術見本市)のDFKIブースにおいて展示予定です。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/03/0320.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
Copyright 2019 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
近年、熟練作業者の減少とともに、新たな労働力の確保も難しくなっており、例えば自動車工場などの製造業や保守・運送業の現場では、作業者のスキルレベルを維持することが大きな課題となっています。さらに、現場の安全性に対する意識の高まりを背景に、作業者の危険防止や健康維持のための支援の重要性が増しています。作業者を支援するためには、作業中の労働負荷を把握する必要がありますが、従来の固定カメラ映像を利用した方法ではカメラに写る範囲に計測範囲が限定されるといった課題があり、死角が生じる複雑な生産現場や屋外で安定的かつ定量的に作業負荷を評価することは困難でした。
そこで日立とDFKIは、新たに、スーツ型のウェアラブルデバイスにより計測した作業動作データを利用することで、作業時の身体負荷を定量評価し、動作の改善点を提案するAIを開発しました。本AIは、2017年に開発*2した、眼鏡型デバイスとアームバンド型デバイスからのデータを定量化して「ネジ締め」などの作業内容を認識するAIを発展させたもので、日立の産業向け作業解析技術とDFKIのディープラーニング技術の融合により初めて実現したAIです。開発した技術の特長は以下の通りです。
1. さまざまな作業動作を計測し、身体負荷を定量化する技術
人間の主要な動きの識別に必要な30カ所を超える関節部位の動作を、ウェアラブルデバイスのセンサーで計測し、身体の各部位の状態認識モデルを個別に機械学習させたAIにより計測データを解析します。各部位の状態が組み合わさった動作の計測データをAIにより認識することで、作業で身体にかかる負荷をディープラーニングを用いた時系列データ処理技術により定量化します。
2. リアルタイムに身体負荷を推定し、適切な作業姿勢との違いを作業者に提示する技術
あらかじめ計測した模範作業の動作データと、作業者の動作データを、個別部位ごとに自動比較することで、重要な違いを生んでいる作業箇所と身体部位をAIが特定し、身体負荷への影響が大きい部位の評価のみを作業者に分かりやすく提示します。
本技術を用いて重量物の持ち上げ動作について実験した結果、作業の身体負荷をリアルタイムに定量評価し、非模範的な動作に対しては腰や膝の動作が模範動作と大きく異なるといった情報の提示が可能なことを確認しました。
今後、日立とDFKIは、本技術を作業支援や危険行動防止に活用し、さまざまな現場における作業者の安全確保や健康管理、作業教育の効率化に貢献していきます。また本技術は、身体の動作を測定し評価するAIとして、将来的にはスポーツ分野・エンターテインメント分野などへの応用も検討していきます。さらには、これまでに開発した作業認識AIなどとも連携し、作業現場の生産性向上に貢献し、より効率的で働きやすい作業現場の実現をめざします。
本技術は、2019年4月1日〜5日にドイツ・ハノーバーで開催される「HANNOVER MESSE 2019」(国際産業技術見本市)のDFKIブースにおいて展示予定です。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/03/0320.html
概要:日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
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