富士通研究所と富士通、疾病による様々な歩き方の特徴を定量化する歩行特徴デジタル化技術を開発
[19/09/18]
TOKYO, Sep 18, 2019 - (JCN Newswire) - 株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)および富士通株式会社(注2)(以下、富士通)は、疾病の影響によって多様に発生する患者の歩き方の特徴を定量化する、歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine(キヅク ウォーキングエンジン)」を開発しました。
医療現場では、患者の歩行を観察することで症状を把握することがありますが、疾病の種類や重篤度合いによって多様な歩行特徴が存在するためデジタル化が難しく、現在は理学療法士が目視で行っていることが大半です。今回、両足首につけた市販のジャイロセンサーの信号波形を用いて、動作変化時の特徴点を判定していくことで、左右の足のスイング時間やスタンス時間(注3)、その左右の動きの差などを高精度に自動で定量化する技術を開発しました。
開発した「FUJITSU KIDUKU Walking Engine」により、筋骨格・脳神経・循環器などの様々な疾病の影響で現れる多様な歩き方の観察において、定量的な特徴把握を可能とし、回復過程の記録や遠隔モニタリングなど、業務効率化への貢献が期待されます。
開発の背景
医療現場では、患者の症状変化や回復状況を診るために、患者の歩き方の特徴を観察することが重要と言われています。特に、筋骨格・脳神経・循環器系などの疾病の影響で歩行異常が現れることがよく知られています。いち早く症状の兆候を見つけるためにも、理学療法士が観察するのと同等の情報をデジタルで捉える歩行分析技術が求められています。
課題
歩行特徴を定量データにして比較・分析するための従来技術として、機械学習やルールベースアルゴリズムによる方式が多数提案されており、医療現場からも注目されています。
しかし、理学療法士が接する患者の疾病は多岐に渡り、歩行への影響の出方も疾病や重篤度合い、障害部位などによって大きく異なるため、従来技術では、対象とする歩き方が限られていたり、学習のための歩行データを十分に準備することができず、多様に存在する歩行特徴を高精度に定量化することができていません。
開発した技術
今回、患者の両足首に装着したジャイロセンサーの信号から、多様な歩き方に対し、歩行特徴の定量化が可能な技術を開発しました。
本技術は、今回開発した、歩行時の左右の足の動作の関係性や一歩ごとの動作の遷移の仕方などの動作法則に基づくモデルを活用し、ジャイロセンサーから発せられる信号波形に対し、特徴点をつけて意味づけを行います。これにより、歩行動作のみの信号を判別したうえで、踵が着地する時や爪先が地面から離れる時など、歩行時の動作の特徴点を歩き方の違いによらず認識可能にします。この特徴点を計測することで、歩幅やスイング時間などの歩き方の特徴を高精度に定量化できます。
効果
市販のジャイロセンサーを用いて、9種類の歩行異常(小刻み歩行、ぶん回し歩行、すり足歩行など)を含む様々な歩き方を開発技術で評価した結果、歩行動作のみを判別する歩行区間の自動認識精度が96.5%、ストライド時間(スタンス時間とスイング時間の和)の抽出誤差が1.8%(歩行区間を手入力する従来の市販製品と比較し最大で約3分の1に誤差を削減)となり、複数の歩行特徴を高精度に算出できることを確認しました。
今後
富士通研究所と富士通は、「FUJITSU KIDUKU Walking Engine」を、医療従事者向けの歩行観察データの活用や、今後増加する在宅患者の遠隔把握に向け、技術開発を進めていきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/09/18.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
Copyright 2019 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
医療現場では、患者の歩行を観察することで症状を把握することがありますが、疾病の種類や重篤度合いによって多様な歩行特徴が存在するためデジタル化が難しく、現在は理学療法士が目視で行っていることが大半です。今回、両足首につけた市販のジャイロセンサーの信号波形を用いて、動作変化時の特徴点を判定していくことで、左右の足のスイング時間やスタンス時間(注3)、その左右の動きの差などを高精度に自動で定量化する技術を開発しました。
開発した「FUJITSU KIDUKU Walking Engine」により、筋骨格・脳神経・循環器などの様々な疾病の影響で現れる多様な歩き方の観察において、定量的な特徴把握を可能とし、回復過程の記録や遠隔モニタリングなど、業務効率化への貢献が期待されます。
開発の背景
医療現場では、患者の症状変化や回復状況を診るために、患者の歩き方の特徴を観察することが重要と言われています。特に、筋骨格・脳神経・循環器系などの疾病の影響で歩行異常が現れることがよく知られています。いち早く症状の兆候を見つけるためにも、理学療法士が観察するのと同等の情報をデジタルで捉える歩行分析技術が求められています。
課題
歩行特徴を定量データにして比較・分析するための従来技術として、機械学習やルールベースアルゴリズムによる方式が多数提案されており、医療現場からも注目されています。
しかし、理学療法士が接する患者の疾病は多岐に渡り、歩行への影響の出方も疾病や重篤度合い、障害部位などによって大きく異なるため、従来技術では、対象とする歩き方が限られていたり、学習のための歩行データを十分に準備することができず、多様に存在する歩行特徴を高精度に定量化することができていません。
開発した技術
今回、患者の両足首に装着したジャイロセンサーの信号から、多様な歩き方に対し、歩行特徴の定量化が可能な技術を開発しました。
本技術は、今回開発した、歩行時の左右の足の動作の関係性や一歩ごとの動作の遷移の仕方などの動作法則に基づくモデルを活用し、ジャイロセンサーから発せられる信号波形に対し、特徴点をつけて意味づけを行います。これにより、歩行動作のみの信号を判別したうえで、踵が着地する時や爪先が地面から離れる時など、歩行時の動作の特徴点を歩き方の違いによらず認識可能にします。この特徴点を計測することで、歩幅やスイング時間などの歩き方の特徴を高精度に定量化できます。
効果
市販のジャイロセンサーを用いて、9種類の歩行異常(小刻み歩行、ぶん回し歩行、すり足歩行など)を含む様々な歩き方を開発技術で評価した結果、歩行動作のみを判別する歩行区間の自動認識精度が96.5%、ストライド時間(スタンス時間とスイング時間の和)の抽出誤差が1.8%(歩行区間を手入力する従来の市販製品と比較し最大で約3分の1に誤差を削減)となり、複数の歩行特徴を高精度に算出できることを確認しました。
今後
富士通研究所と富士通は、「FUJITSU KIDUKU Walking Engine」を、医療従事者向けの歩行観察データの活用や、今後増加する在宅患者の遠隔把握に向け、技術開発を進めていきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/09/18.html
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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