NEC、北原病院グループとともに、AI技術を活用したリハビリ計画作成に関する技術実証を実施
[19/11/01]
TOKYO, Nov 1, 2019 - (JCN Newswire) - 日本電気株式会社(注1、以下 NEC) は、北原病院グループ(医療法人社団KNI(注2、以下 KNI))協力のもと、患者の入院長期化の回避による早期の社会復帰と、リハビリテーション(以下、リハビリ)のスタッフの業務負荷軽減・医療サービスの質向上に向け、AI技術を活用したリハビリ計画作成の技術実証を北原リハビリテーション病院において行いました。これにより、経験の浅いリハビリスタッフによるリハビリ計画作成業務の質を、経験年数5年以上でスキルの高いスタッフ(以下、ベテランスタッフ)と同程度まで向上すると共に、リハビリ計画作成に要していた業務時間を全体で約60%短縮することに成功しました。
背景
超少子高齢社会の進展に伴い、医療の財源不足や人材不足がより深刻となる中、限られた財源と人材で患者の増加と多様化するニーズに対応するためには、徹底した業務効率化と医療の質の向上が求められています。
KNIとNECは、これらの課題を解決するため2017年より共創を開始し(注3)、「デジタルホスピタル」(注4)の実現に取り組んでいます。
早期の在宅復帰や介護予防は、医療の財源不足や人材不足の解決に直結するだけでなく、患者のQOL向上にもつながります。早期の在宅復帰と介護予防のためには、リハビリによる「より良い回復」、すなわち、短い期間で最大限に患者の機能の回復を促す取り組みが重要です。
日本の回復期リハビリ病棟は、原因疾患が「脳血管系」の入院の場合、平均在院日数は約3ヶ月(注5)と言われていますが、北原リハビリテーション病院では、入院時に綿密なリハビリ計画を立て、それを実行することにより、平均在院日数を約1カ月間まで縮めることに成功しています。しかし、リハビリ計画作成はスタッフのスキルや経験値に依存するところが大きく、経験の浅いスタッフが作成したリハビリ計画をベテランスタッフが見直すことで計画の質を担保しており、ベテランスタッフの業務負荷が増大するという課題がありました。
今回の取り組みについて
リハビリ計画作成業務は、「患者の回復度の予測」「リハビリ目標の設定」「リハビリ介入プログラム作成」の3つのプロセスがあります。今回の技術実証では、このうち、ベテランスタッフと経験の浅いスタッフにおいて、リハビリ作成時間の開きや作成した計画書の質への影響が大きい「患者の回復度の予測」と「リハビリ目標の設定」の2つのプロセスに着目し、KNIのベテランスタッフのドメインナレッジ(注6)を組み込んだNEC独自のAI技術を活用しています。
1. リハビリの回復度を予測する技術
NEC独自のAI技術の適用により、入院3日目ごろまでの電子カルテデータから、退院までにどの程度まで回復するかを、KNIのベテランスタッフと同程度の精度で予測できました(注7)。これにより、経験の浅いスタッフでもベテランと同程度の精度での回復度予測が可能となり、患者1人あたり通常約10分かかっていた回復度予測の時間を大幅に短縮できるようになりました。
2. リハビリの目標候補を表示する技術
北原リハビリテーション病院に蓄積されているリハビリ目標の事例データベースに、NEC独自のAI技術を適用することによって、入院3日目ごろまでの電子カルテデータから、患者の状態に合わせたリハビリの長期および短期目標の候補の表示を行いました。リハビリスタッフは、AI技術が表示したリハビリ目標の候補を参考に目標を設定できるため、従来は患者1人当たり約30分かかっていたリハビリ目標設定が、経験の浅いスタッフだけでもベテランスタッフと同程度の質のリハビリ目標設定を約10分で作成できるようになりました。
今回の技術実証により、経験の浅いスタッフが作成したリハビリ計画をベテランスタッフが見直す従来の運用では患者一人当たり約50分要していたリハビリ計画作成業務を約20分で行うことができ、業務時間を約60%短縮できることを確認しました(注8)。短い期間で最大限に回復を促すためのリハビリサービスの提供を効率化することが可能となり、限られた財源と人材で、高齢化によるリハビリニーズの増加に持続的に対応することが期待できます。
NECは、今後もAI技術をはじめとする先進ICTを活用した取り組みを通じて、医療におけるデジタルトランスフォーメーションを加速することで、新たな社会価値の「共創」に貢献していきます。
KNIは超高齢社会とその先の未来においても、一般市民が安心・安全・快適な生活を送れるように、医療を起点とした社会改革を進めてまいります。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/201911/20191101_01.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。
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背景
超少子高齢社会の進展に伴い、医療の財源不足や人材不足がより深刻となる中、限られた財源と人材で患者の増加と多様化するニーズに対応するためには、徹底した業務効率化と医療の質の向上が求められています。
KNIとNECは、これらの課題を解決するため2017年より共創を開始し(注3)、「デジタルホスピタル」(注4)の実現に取り組んでいます。
早期の在宅復帰や介護予防は、医療の財源不足や人材不足の解決に直結するだけでなく、患者のQOL向上にもつながります。早期の在宅復帰と介護予防のためには、リハビリによる「より良い回復」、すなわち、短い期間で最大限に患者の機能の回復を促す取り組みが重要です。
日本の回復期リハビリ病棟は、原因疾患が「脳血管系」の入院の場合、平均在院日数は約3ヶ月(注5)と言われていますが、北原リハビリテーション病院では、入院時に綿密なリハビリ計画を立て、それを実行することにより、平均在院日数を約1カ月間まで縮めることに成功しています。しかし、リハビリ計画作成はスタッフのスキルや経験値に依存するところが大きく、経験の浅いスタッフが作成したリハビリ計画をベテランスタッフが見直すことで計画の質を担保しており、ベテランスタッフの業務負荷が増大するという課題がありました。
今回の取り組みについて
リハビリ計画作成業務は、「患者の回復度の予測」「リハビリ目標の設定」「リハビリ介入プログラム作成」の3つのプロセスがあります。今回の技術実証では、このうち、ベテランスタッフと経験の浅いスタッフにおいて、リハビリ作成時間の開きや作成した計画書の質への影響が大きい「患者の回復度の予測」と「リハビリ目標の設定」の2つのプロセスに着目し、KNIのベテランスタッフのドメインナレッジ(注6)を組み込んだNEC独自のAI技術を活用しています。
1. リハビリの回復度を予測する技術
NEC独自のAI技術の適用により、入院3日目ごろまでの電子カルテデータから、退院までにどの程度まで回復するかを、KNIのベテランスタッフと同程度の精度で予測できました(注7)。これにより、経験の浅いスタッフでもベテランと同程度の精度での回復度予測が可能となり、患者1人あたり通常約10分かかっていた回復度予測の時間を大幅に短縮できるようになりました。
2. リハビリの目標候補を表示する技術
北原リハビリテーション病院に蓄積されているリハビリ目標の事例データベースに、NEC独自のAI技術を適用することによって、入院3日目ごろまでの電子カルテデータから、患者の状態に合わせたリハビリの長期および短期目標の候補の表示を行いました。リハビリスタッフは、AI技術が表示したリハビリ目標の候補を参考に目標を設定できるため、従来は患者1人当たり約30分かかっていたリハビリ目標設定が、経験の浅いスタッフだけでもベテランスタッフと同程度の質のリハビリ目標設定を約10分で作成できるようになりました。
今回の技術実証により、経験の浅いスタッフが作成したリハビリ計画をベテランスタッフが見直す従来の運用では患者一人当たり約50分要していたリハビリ計画作成業務を約20分で行うことができ、業務時間を約60%短縮できることを確認しました(注8)。短い期間で最大限に回復を促すためのリハビリサービスの提供を効率化することが可能となり、限られた財源と人材で、高齢化によるリハビリニーズの増加に持続的に対応することが期待できます。
NECは、今後もAI技術をはじめとする先進ICTを活用した取り組みを通じて、医療におけるデジタルトランスフォーメーションを加速することで、新たな社会価値の「共創」に貢献していきます。
KNIは超高齢社会とその先の未来においても、一般市民が安心・安全・快適な生活を送れるように、医療を起点とした社会改革を進めてまいります。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/201911/20191101_01.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。
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