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ニチレイロジグループと日立が、IoTを活用した冷凍設備の運用・保全効率化ソリューションを実用化、国内拠点へ順次導入

TOKYO, Apr 23, 2021 - (JCN Newswire) - 株式会社ニチレイロジグループ本社(代表取締役社長:梅澤 一彦/以下、ニチレイロジグループ)と株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび協創を通じ、IoTを活用した冷凍設備の運用・保全効率化ソリューション(以下、本ソリューション)を実用化しました。本ソリューションは日立グループの運転・音・画像データ解析技術や故障予兆診断技術などを組み合わせたもので、両社は、2018年9月から1年半にわたりニチレイロジグループ船橋物流センター(千葉県船橋市)で実施した共同実証*1において、従来と比べて運用・保全コストを約20%削減*2できることを確認し、日立において汎用ソリューションとして製品化しました。

ニチレイロジグループでは、2021年4月から、国内の冷凍倉庫へ本ソリューションの導入を順次進めていきます。日立は、本ソリューションをLumada*3の冷凍倉庫向けソリューションとして、国内にある8万台を超える冷凍設備*4を対象に拡販するとともに、グローバルにも展開していきます。これにより、コールドチェーン業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進と低炭素社会への貢献をめざします。

冷凍食品や生鮮食品などを低温で流通させるコールドチェーンは、人々の食生活を支えるインフラの一つです。また、一般消費者向け冷凍食品は新型コロナウイルス感染拡大による在宅時間の増加を背景に需要が増加するとともに、"エッセンシャルフード"として価値が向上しています。このように、ますますニーズが高まるコールドチェーンにおいて、物流ターミナルの役割を担う冷凍倉庫の冷凍設備は安定稼働が不可欠です。一方で、設備老朽化に伴う運転・メンテナンスの効率化や、熟練技術者不足などは重要な課題であるとともに、CO2排出量抑制といった低炭素社会に向けた環境対策も求められています。

こうした中、日本最大規模の食品分野のコールドチェーンサービスを担い、冷凍倉庫を国内で114拠点運営するニチレイロジグループと、冷凍設備に関する知見・研究開発力や先進のデジタル技術を保有する日立は、冷凍設備の運用・保全業務の効率化に向けて、2017年から本ソリューションの検討を進めてきました。そして、2018年8月から2020年4月までニチレイロジグループ船橋物流センター内の冷凍設備6台を対象に実施した本ソリューションの共同実証の結果、年間で電力消費量を約12%削減、メンテナンスに関わるコストを約40%削減、トータルで約20%のコスト削減効果を確認しました。

本ソリューションの概要

本ソリューションは、日立グループの運転・音・画像データ解析技術や故障予兆診断技術などを組み合わせることにより、冷凍設備の運用・保全の効率化を図るものです。まず、各種センシング技術や株式会社日立産機システムのIoT対応産業用コントローラ「HXシリーズ」*5、株式会社日立システムズの社会・公共ソリューション「CYDEEN」*6のメーター自動読み取り技術*7およびフィールド作業支援サービス*8を活用して、運転状況や稼働音、メーター数値など、分析・診断の高度化に資するさまざまなフィールドデータを収集します。そのデータを、日立の統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」*9をベースとするクラウドサービス基盤へ集積して運用効率化診断をするとともに、日立グローバルライフソリューションズの「exiida(エクシーダ) 遠隔監視・予兆診断」*10で故障予兆診断を行います。そして、これらの診断結果は、BI・ダッシュボードを通じて拠点管理者・設備管理者が確認することができます。

本ソリューションの主な機能・特長は以下のとおりです。

1. データの収集・分析により潜在課題を抽出し、設備運用にフィードバック(運用効率化)
冷凍設備の稼働データ、各所環境データ(倉庫内温度など)、冷凍サイクルデータ(圧力・温度など)を基に、設備稼働とエネルギー費用などの相関可視化を行い、高効率運用支援を目的とした各種指標情報・業務支援情報を生成する「運用効率化診断」を行います。これらの結果を、冷却水温の変動抑制による設定温度降下、冷却器のデフロスト*11実行周期の改善、圧縮機運転台数の改善など、実際の設備運用に生かすことで、電力量削減とCO2排出量の抑制を実現します。今後、負荷に応じた圧縮機台数や、冷却器の着霜量に応じたデフロスト実行の最適制御機能などを継続的に追加していく予定です。

2. IoT技術を活用した故障予兆診断の導入による状態基準保全(Condition Based Maintenance)の実現(保全合理化)
冷凍設備の保全は、機器が故障した後に修理する事後保全と、故障を事前に予防するため一定の時間間隔でメンテナンスを実施する時間基準保全(Time Based Maintenance)で成り立っています。一方、日立独自の診断アルゴリズムを活用した「故障予兆診断」の導入により、冷凍設備および補機類の運転データ、各配管部の温度・圧力データからの冷凍設備全般・冷凍サイクルの異常兆候や、圧縮機稼働音からの圧縮機の異常兆候の検知が可能です。これにより、熟練技術者の経験に頼った保守や、不要な整備や部品交換を回避するとともに、オーバーホール周期が延長できるため、保守コスト削減と長寿命化による資本的支出の削減が図れます。

ニチレイロジグループについて

ニチレイロジグループは製氷事業に始まり、保管事業、通過型物流センター事業や共同配送事業、3PL事業などを通じ、お客様に高品質な物流サービスを提供しています。また、欧州・中国・ASEANを中心に、グローバルな低温物流サービスの展開しております。世の中の期待に応える物流サービスを提供するという思いを込めたブランドスローガン「選ばれつづける仕事。」のもと、今後も優れた品質と価値あるサービスを創造・提供し続けることで、食の社会インフラを支えてまいります。 https://www.nichirei-logi.co.jp/

日立製作所について

日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。 https://www.hitachi.co.jp/

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/04/0422.html


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