日立ハイテク、操作性を追求した原子間力顕微鏡「AFM100/100 Plus」の販売を開始
[21/06/17]
TOKYO, Jun 17, 2021 - (JCN Newswire) - 株式会社日立ハイテク(社長:飯泉 孝/以下、日立ハイテク)は、このたび研究開発や品質管理の現場において、操作性を追求し、スループットの向上を実現した原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope / 以下、AFM)のAFM100 Plusと、そのエントリーモデルであるAFM100の2機種からなる小型プローブ顕微鏡AFM100シリーズの販売を開始します。
AFMは、走査プローブ顕微鏡(SPM : Scanning Probe Microscope)の一種で、先端径が数ナノメートル(1ナノメートル:100万分の1ミリメートル)に尖ったプローブ(探針)で試料表面を走査し、ナノレベルで試料表面の形状観察と物性マッピング評価を同時に行うことができる計測・分析装置です。AFMは、電池材料や半導体・高分子・生体をはじめとする幅広い産業分野での研究開発や品質管理の現場で活用されています。
これまでAFMの操作では、プローブが取り付けられた幅1mm程度のカンチレバーをピンセットでつまんで装置にセットするプロセスや、そのカンチレバー先端にある探針を試料表面上で走査する際の接触状態制御や走査速度調整などの各工程が煩雑でした。そのため、測定開始からデータ取得に至るまでのトータルスループットが低く、各測定者の間で習熟度や感性の違いにより測定条件が異なるために取得データに差異が生じるといった課題がありました。
今回、日立ハイテクが開発したAFM100/100 Plusは、こうした課題に対応し、産業分野や研究開発分野において、操作性の高いAFM装置の普及をめざします。AFM100/100 Plusは、誰でも簡単に安定的に、確実なデータ取得が可能になるため、研究用途から品質管理におけるルーチン作業まで対応可能です。特に、AFM100 Plusはグラフェンやカーボンナノファイバーなどのナノマテリアルの観察から、0.1 mm を超える広領域の3D形状観察,粗さ解析,物性評価など幅広い用途に用いられます。
本製品の主な特長は、以下のとおりです。
1. 操作性と信頼性、トータルスループットを向上
これまで操作が煩雑であったカンチレバーの交換を容易にするため、新しく開発したプリマウント方式*1カンチレバーを採用し、操作性の向上を実現しました。また、オートパイロット機能を搭載したことで探針の接触状態制御や走査速度調整など、試料の表面形態に最適な測定条件が自動設定されるため、誰が測定しても安定した結果が得られ、取得データの信頼性向上を実現します。さらに、ワンクリックで測定開始から得られた画像データの解析や保存まで一貫して行える自動多点測定にも対応し、データ取得までのトータルスループットが向上しました。
2. 当社SEMとの親和性を向上
オプション機能である「AFMマーキング機能」は、日立ハイテクが独自に進めてきたSÆMic.(セイミック:AFM-SEM相関顕微鏡法)という観察手法により走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electronic Microscope)との親和性を高めています。試料の同一箇所を観察する際、それぞれの機器特性を活かしながら試料の機械特性、電気特性、成分分析などを含めて計測し、多角的解析へのアプローチを容易にしました。
3. 装置の拡張性と持続性を実現
利用者が装置を長く使い続けるため、制御ソフトウェアの無償ダウンロードサービスと、万が一の不具合要因を自己診断できるセルフチェック機能を標準搭載しました。これにより、利用者自身が、常に最新のパフォーマンスを維持することが可能となります。
日立ハイテクは、本製品をはじめとする革新的なソリューションを今後もタイムリーに提供し続け、お客様とともに新たな社会・環境価値の創出に取り組み、最先端のモノづくりに貢献いたします。
日立製作所について
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーであるLumadaを通じて、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ、オートモティブシステムの6分野でお客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速することで、社会価値・環境価値・経済価値の3つの価値向上に貢献します。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/06/0617a.html
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AFMは、走査プローブ顕微鏡(SPM : Scanning Probe Microscope)の一種で、先端径が数ナノメートル(1ナノメートル:100万分の1ミリメートル)に尖ったプローブ(探針)で試料表面を走査し、ナノレベルで試料表面の形状観察と物性マッピング評価を同時に行うことができる計測・分析装置です。AFMは、電池材料や半導体・高分子・生体をはじめとする幅広い産業分野での研究開発や品質管理の現場で活用されています。
これまでAFMの操作では、プローブが取り付けられた幅1mm程度のカンチレバーをピンセットでつまんで装置にセットするプロセスや、そのカンチレバー先端にある探針を試料表面上で走査する際の接触状態制御や走査速度調整などの各工程が煩雑でした。そのため、測定開始からデータ取得に至るまでのトータルスループットが低く、各測定者の間で習熟度や感性の違いにより測定条件が異なるために取得データに差異が生じるといった課題がありました。
今回、日立ハイテクが開発したAFM100/100 Plusは、こうした課題に対応し、産業分野や研究開発分野において、操作性の高いAFM装置の普及をめざします。AFM100/100 Plusは、誰でも簡単に安定的に、確実なデータ取得が可能になるため、研究用途から品質管理におけるルーチン作業まで対応可能です。特に、AFM100 Plusはグラフェンやカーボンナノファイバーなどのナノマテリアルの観察から、0.1 mm を超える広領域の3D形状観察,粗さ解析,物性評価など幅広い用途に用いられます。
本製品の主な特長は、以下のとおりです。
1. 操作性と信頼性、トータルスループットを向上
これまで操作が煩雑であったカンチレバーの交換を容易にするため、新しく開発したプリマウント方式*1カンチレバーを採用し、操作性の向上を実現しました。また、オートパイロット機能を搭載したことで探針の接触状態制御や走査速度調整など、試料の表面形態に最適な測定条件が自動設定されるため、誰が測定しても安定した結果が得られ、取得データの信頼性向上を実現します。さらに、ワンクリックで測定開始から得られた画像データの解析や保存まで一貫して行える自動多点測定にも対応し、データ取得までのトータルスループットが向上しました。
2. 当社SEMとの親和性を向上
オプション機能である「AFMマーキング機能」は、日立ハイテクが独自に進めてきたSÆMic.(セイミック:AFM-SEM相関顕微鏡法)という観察手法により走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electronic Microscope)との親和性を高めています。試料の同一箇所を観察する際、それぞれの機器特性を活かしながら試料の機械特性、電気特性、成分分析などを含めて計測し、多角的解析へのアプローチを容易にしました。
3. 装置の拡張性と持続性を実現
利用者が装置を長く使い続けるため、制御ソフトウェアの無償ダウンロードサービスと、万が一の不具合要因を自己診断できるセルフチェック機能を標準搭載しました。これにより、利用者自身が、常に最新のパフォーマンスを維持することが可能となります。
日立ハイテクは、本製品をはじめとする革新的なソリューションを今後もタイムリーに提供し続け、お客様とともに新たな社会・環境価値の創出に取り組み、最先端のモノづくりに貢献いたします。
日立製作所について
日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーであるLumadaを通じて、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ、オートモティブシステムの6分野でお客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速することで、社会価値・環境価値・経済価値の3つの価値向上に貢献します。
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