大阪大学と富士通、誤り耐性量子コンピュータの研究開発体制を強化
[21/10/01]
TOKYO, Oct 1, 2021 - (JCN Newswire) - 国立大学法人大阪大学(注1)(以下、大阪大学)と富士通株式会社(注2)(以下、富士通)は、量子情報および量子生命研究を推進する大阪大学の「量子情報・量子生命研究センター(Center for Quantum Information and Quantum Biology、以下、QIQB)」内に、両者の共同研究部門として「富士通量子コンピューティング共同研究部門」を10月1日に設置しました。
新設する共同研究部門では、大阪大学の「QIQB」が取り組む量子誤り訂正や量子ソフトウェアの先端技術の研究開発の知見と、富士通が保有するコンピューティング技術や顧客視点に基づく量子技術の応用知見とを融合し、量子ビットに発生する誤りを訂正しながら正確に計算を実行できる誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた基盤技術を研究開発します。具体的には、数千量子ビット規模で動作する誤り耐性量子計算のための量子ソフトウェアを研究開発し、その動作検証技術を開発します。
両者は、今後も本共同研究部門を通した強固な連携により、誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた研究開発を効率良く推進し、求解が困難な社会課題の解決に貢献していきます。
背景
量子コンピュータは、量子力学特有の量子重ね合わせ状態と量子エンタングルメント(注3)の特性を生かし、現在のコンピュータを圧倒的に凌駕する計算速度の実現が期待されています。特に、複雑かつ大規模な実問題を高速に解くことが求められる創薬や金融分野などでの将来的な活用において、量子誤り訂正符号により冗長性を持たせることで、量子的な誤りを訂正しながら正確に計算を実行可能な誤り耐性量子コンピュータの実現が鍵となります。
大阪大学は、2020年3月に量子情報と量子生命研究を推進する「QIQB」を設立し、量子コンピューティング、量子情報融合、量子情報デバイス、量子通信・セキュリティ、量子計測・センシング、量子生命科学などの幅広い分野で研究に取り組んでおり、これらの分野間および他の学問分野との学際融合研究を推進しています。また、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」(注4)における量子技術分野で、「QIQB」が量子ソフトウェア研究拠点として採択され、日本の量子技術イノベーション戦略の一翼を担っています。
富士通は、コンピューティング技術のさらなる性能向上を目指し、2020年より、国内外の研究機関と連携し、量子コンピューティングの研究開発を本格的に進めています。また、量子インスパイアード技術(注5)を応用して組合せ最適化問題を高速に解く富士通の「デジタルアニーラ」を、創薬、物流などの顧客に提供し、実現場における複雑な問題の解決を支援しています。
両者は、2020年10月に量子誤り訂正に関する共同研究(注6)を開始しており、今回、「富士通量子コンピューティング共同研究部門」を新設することで、誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた研究開発体制をさらに強化します。
「富士通量子コンピューティング共同研究部門」について
1. 名称: 富士通量子コンピューティング共同研究部門 (Fujitsu Quantum Computing Joint Research Division)
2. 所在地: 大阪大学 世界最先端研究機構「量子情報・量子生命研究センター(QIQB)」内 (大阪府豊中市)
3. 設置期間: 2021年10月1日から2024年3月31日まで
4. 研究内容: 誤り耐性量子コンピュータのための量子ソフトウェアの研究開発
- 数千量子ビット規模の量子コンピュータを想定し、誤りが入った複数の量子ビットから元の情報を復元して量子誤り訂正を行うアルゴリズムの構築と、そのアルゴリズムを性能評価する技術の研究開発を行います。
- 量子誤り訂正符号によって実現される論理量子ビット(注7)を用いた量子計算を行うために、プログラムの入力から結果の出力にわたり必要となる一連のソフトウェアの研究開発と実装に取り組みます。また、将来の実機を想定したノイズを含む仮想マシン環境を用いて、これらのソフトウェアの動作検証を行います。
5. 両者の役割:
<大阪大学>
- 大阪大学が保有する量子誤り訂正技術の知見を活用して、数千量子ビット規模の量子コンピュータにおける量子誤り訂正の性能評価技術の研究開発を行う。
- 論理量子ビットを用いた量子計算を行うために必要な一連のソフトウェアの研究開発および仮想マシンでの動作検証を行う。
<富士通>
- 富士通が保有するコンピューティング技術の知見を活用し、数千量子ビット規模の量子コンピュータにおける量子誤り訂正を行うアルゴリズムの構築を行う。
- 論理量子ビットを用いた量子計算を行うために必要な一連のソフトウェアの研究開発、仮想マシンへの実装および動作検証支援を行う。
今後について
両者は、量子コンピュータを活用した科学技術の発展に向けて、様々な研究機関や企業との共創の場を形成し、本共同研究によって得られた成果を共有して、持続可能な社会を実現するイノベーションの創出に生かすことで、量子コンピュータの早期実用化を目指します。また、それを見据えた量子技術分野の人材育成に、産学一体となって取り組んでいきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/10/1.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
Copyright 2021 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
新設する共同研究部門では、大阪大学の「QIQB」が取り組む量子誤り訂正や量子ソフトウェアの先端技術の研究開発の知見と、富士通が保有するコンピューティング技術や顧客視点に基づく量子技術の応用知見とを融合し、量子ビットに発生する誤りを訂正しながら正確に計算を実行できる誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた基盤技術を研究開発します。具体的には、数千量子ビット規模で動作する誤り耐性量子計算のための量子ソフトウェアを研究開発し、その動作検証技術を開発します。
両者は、今後も本共同研究部門を通した強固な連携により、誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた研究開発を効率良く推進し、求解が困難な社会課題の解決に貢献していきます。
背景
量子コンピュータは、量子力学特有の量子重ね合わせ状態と量子エンタングルメント(注3)の特性を生かし、現在のコンピュータを圧倒的に凌駕する計算速度の実現が期待されています。特に、複雑かつ大規模な実問題を高速に解くことが求められる創薬や金融分野などでの将来的な活用において、量子誤り訂正符号により冗長性を持たせることで、量子的な誤りを訂正しながら正確に計算を実行可能な誤り耐性量子コンピュータの実現が鍵となります。
大阪大学は、2020年3月に量子情報と量子生命研究を推進する「QIQB」を設立し、量子コンピューティング、量子情報融合、量子情報デバイス、量子通信・セキュリティ、量子計測・センシング、量子生命科学などの幅広い分野で研究に取り組んでおり、これらの分野間および他の学問分野との学際融合研究を推進しています。また、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」(注4)における量子技術分野で、「QIQB」が量子ソフトウェア研究拠点として採択され、日本の量子技術イノベーション戦略の一翼を担っています。
富士通は、コンピューティング技術のさらなる性能向上を目指し、2020年より、国内外の研究機関と連携し、量子コンピューティングの研究開発を本格的に進めています。また、量子インスパイアード技術(注5)を応用して組合せ最適化問題を高速に解く富士通の「デジタルアニーラ」を、創薬、物流などの顧客に提供し、実現場における複雑な問題の解決を支援しています。
両者は、2020年10月に量子誤り訂正に関する共同研究(注6)を開始しており、今回、「富士通量子コンピューティング共同研究部門」を新設することで、誤り耐性量子コンピュータの実現に向けた研究開発体制をさらに強化します。
「富士通量子コンピューティング共同研究部門」について
1. 名称: 富士通量子コンピューティング共同研究部門 (Fujitsu Quantum Computing Joint Research Division)
2. 所在地: 大阪大学 世界最先端研究機構「量子情報・量子生命研究センター(QIQB)」内 (大阪府豊中市)
3. 設置期間: 2021年10月1日から2024年3月31日まで
4. 研究内容: 誤り耐性量子コンピュータのための量子ソフトウェアの研究開発
- 数千量子ビット規模の量子コンピュータを想定し、誤りが入った複数の量子ビットから元の情報を復元して量子誤り訂正を行うアルゴリズムの構築と、そのアルゴリズムを性能評価する技術の研究開発を行います。
- 量子誤り訂正符号によって実現される論理量子ビット(注7)を用いた量子計算を行うために、プログラムの入力から結果の出力にわたり必要となる一連のソフトウェアの研究開発と実装に取り組みます。また、将来の実機を想定したノイズを含む仮想マシン環境を用いて、これらのソフトウェアの動作検証を行います。
5. 両者の役割:
<大阪大学>
- 大阪大学が保有する量子誤り訂正技術の知見を活用して、数千量子ビット規模の量子コンピュータにおける量子誤り訂正の性能評価技術の研究開発を行う。
- 論理量子ビットを用いた量子計算を行うために必要な一連のソフトウェアの研究開発および仮想マシンでの動作検証を行う。
<富士通>
- 富士通が保有するコンピューティング技術の知見を活用し、数千量子ビット規模の量子コンピュータにおける量子誤り訂正を行うアルゴリズムの構築を行う。
- 論理量子ビットを用いた量子計算を行うために必要な一連のソフトウェアの研究開発、仮想マシンへの実装および動作検証支援を行う。
今後について
両者は、量子コンピュータを活用した科学技術の発展に向けて、様々な研究機関や企業との共創の場を形成し、本共同研究によって得られた成果を共有して、持続可能な社会を実現するイノベーションの創出に生かすことで、量子コンピュータの早期実用化を目指します。また、それを見据えた量子技術分野の人材育成に、産学一体となって取り組んでいきます。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/10/1.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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