NEC・OCC・住友電気工業、世界で初めてマルチコアファイバを収容した海底ケーブルを開発
[21/10/04]
TOKYO, Oct 4, 2021 - (JCN Newswire) - 日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之、以下 NEC)、株式会社OCC(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:伊藤 友一、以下 OCC) 、住友電気工業株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:井上 治、以下 住友電気工業)は、非結合型マルチコアファイバ(注1)を収容した海底ケーブルを世界で初めて開発しました。
本ケーブルは、総務省の「ICT重点技術の研究開発プロジェクト」における研究開発課題「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」の技術課題「マルチコア大容量光伝送システム技術」(JPMI00316)の取り組みの一部として開発したものです。
5Gの普及に伴うモバイルデータ通信の増加や各国でのデーターセンター建設などを背景に、国際通信の回線需要は2020年〜2026年で年率30〜40%伸長すると予想される(注2)など国際的なデータ流通量は今後も継続的な増大が予想されます。このような需要に応えるため、大容量・高速な通信を実現する海底ケーブルの国際データ通信インフラとしての重要性はますます高まっています。海底ケーブルの大容量化に向け、ケーブルの外径を変えずに伝送容量を拡大する空間分割多重(SDM)技術の開発が様々な形で進められており、その一つとして、1本のファイバケーブルに複数の光伝送路を設けるマルチコアファイバケーブルは国際データ通信網の拡充に貢献することが期待されています。
開発したケーブルの特徴
光ファイバケーブルは光が伝搬する中心部のコアと、その周囲を覆うクラッドの二重構造になっています。従来のシングルコアファイバケーブルはクラッド内に単一のコアを有しているのに対し、マルチコアファイバケーブルはクラッド内に複数のコアを有しており、それぞれ独立した伝送路を設けることができます。
今回開発したマルチコアファイバケーブルには従来のシングルコアファイバケーブルと比較して4倍のコアを有する非結合型4コアファイバを適用しており、ファイバサイズを維持したまま伝送容量を大幅に拡大することが可能です。また、本海底ケーブルには非結合型4コアファイバを32心収容でき、最大で128コアによる伝送が可能です。
今回の非結合型マルチコアファイバを収容する海底ケーブルには、OCC-SC500シリーズのLW (Light Weight)ケーブルを使用しており、17mmと細径でありながら水深8,000mの海底でも耐えうる強度を有しています。これまで、伝送容量を大幅に拡大するためには広径の海底ケーブルにより多くのファイバを収容することが一般的でしたが、マルチコアファイバを適用することで空間が小さい細径ケーブルを用いて伝送容量を拡大することができます。外径が細く荷重も小さいケーブルを適用することで、広径ケーブルを使用する場合と比較してケーブルに必要な材料費を安く抑えることができ、また、敷設船へ効率的に積載可能であることから、コスト削減に貢献することができます。
伝送試験について
開発したマルチコアファイバケーブルを用いて、実際の利用を想定し水中・長距離の伝送試験を行ったところ、ファイバそのものの試験結果と比較して、光信号パワーの減衰量、コア間クロストーク(隣接するコアからの光の漏れ込み量)などの光学特性に大きな変化はなく、良好な伝送性能を得ることに成功しました。
各社の役割
NEC:海底ケーブルを用いた長距離伝送試験の実施
OCC:マルチコアファイバを収容した海底ケーブルの製造
住友電気工業:海底ケーブルに収容される非結合型4コアのファイバの製造
今後3社は、マルチコアファイバ量産化技術の開発、長期利用における信頼性の検証、マルチコアファイバに対応した海底光中継器の開発を進め、マルチコアファイバケーブルを活用した国際データ通信網の拡充に貢献します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/202110/20211004_01.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。
Copyright 2021 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
本ケーブルは、総務省の「ICT重点技術の研究開発プロジェクト」における研究開発課題「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」の技術課題「マルチコア大容量光伝送システム技術」(JPMI00316)の取り組みの一部として開発したものです。
5Gの普及に伴うモバイルデータ通信の増加や各国でのデーターセンター建設などを背景に、国際通信の回線需要は2020年〜2026年で年率30〜40%伸長すると予想される(注2)など国際的なデータ流通量は今後も継続的な増大が予想されます。このような需要に応えるため、大容量・高速な通信を実現する海底ケーブルの国際データ通信インフラとしての重要性はますます高まっています。海底ケーブルの大容量化に向け、ケーブルの外径を変えずに伝送容量を拡大する空間分割多重(SDM)技術の開発が様々な形で進められており、その一つとして、1本のファイバケーブルに複数の光伝送路を設けるマルチコアファイバケーブルは国際データ通信網の拡充に貢献することが期待されています。
開発したケーブルの特徴
光ファイバケーブルは光が伝搬する中心部のコアと、その周囲を覆うクラッドの二重構造になっています。従来のシングルコアファイバケーブルはクラッド内に単一のコアを有しているのに対し、マルチコアファイバケーブルはクラッド内に複数のコアを有しており、それぞれ独立した伝送路を設けることができます。
今回開発したマルチコアファイバケーブルには従来のシングルコアファイバケーブルと比較して4倍のコアを有する非結合型4コアファイバを適用しており、ファイバサイズを維持したまま伝送容量を大幅に拡大することが可能です。また、本海底ケーブルには非結合型4コアファイバを32心収容でき、最大で128コアによる伝送が可能です。
今回の非結合型マルチコアファイバを収容する海底ケーブルには、OCC-SC500シリーズのLW (Light Weight)ケーブルを使用しており、17mmと細径でありながら水深8,000mの海底でも耐えうる強度を有しています。これまで、伝送容量を大幅に拡大するためには広径の海底ケーブルにより多くのファイバを収容することが一般的でしたが、マルチコアファイバを適用することで空間が小さい細径ケーブルを用いて伝送容量を拡大することができます。外径が細く荷重も小さいケーブルを適用することで、広径ケーブルを使用する場合と比較してケーブルに必要な材料費を安く抑えることができ、また、敷設船へ効率的に積載可能であることから、コスト削減に貢献することができます。
伝送試験について
開発したマルチコアファイバケーブルを用いて、実際の利用を想定し水中・長距離の伝送試験を行ったところ、ファイバそのものの試験結果と比較して、光信号パワーの減衰量、コア間クロストーク(隣接するコアからの光の漏れ込み量)などの光学特性に大きな変化はなく、良好な伝送性能を得ることに成功しました。
各社の役割
NEC:海底ケーブルを用いた長距離伝送試験の実施
OCC:マルチコアファイバを収容した海底ケーブルの製造
住友電気工業:海底ケーブルに収容される非結合型4コアのファイバの製造
今後3社は、マルチコアファイバ量産化技術の開発、長期利用における信頼性の検証、マルチコアファイバに対応した海底光中継器の開発を進め、マルチコアファイバケーブルを活用した国際データ通信網の拡充に貢献します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/202110/20211004_01.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
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