アリックスパートナーズ、「2021年電気自動車(EV)消費者意識調査」を発表
[21/11/04]
TOKYO, Nov 4, 2021 - (JCN Newswire) - グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズは、本日、「2021年版 電気自動車に関する消費者意識調査」(以下、本調査)の結果を発表しました。電気自動車(以下、EV)に対する関心が世界的に高まる一方、普及には価格、充電インフラ、販売形式などが課題となっていることが示されました。同時に、日本の消費者の意識が諸外国に比べて遅れていることも明らかになりました。
本調査は、米国、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国において運転免許証を保有する18歳以上の消費者計8,124人を対象に今年8月17日から31日まで実施されました。アリックスパートナーズでは2019年にも同様の調査を実施しており、今回は2年前との比較から市場の変化も読み取れるものとなりました。
まず、次の車としてEVを購入またはリースする可能性が「非常に高い」人の割合は2年前と比較しても世界で上昇傾向にあります。世界平均は11%から25%と2倍以上に上昇、とりわけ、中国では34%から50%にまで上昇しています。米国では5%から19%に上昇、中でも環境規制をリードするカリフォルニア州では9%から34%まで増えています。対照的に日本は6%から7%への上昇にとどまりました。
とはいえ日本においてもEVへの関心は高まっています。しかし、その理由はさまざまです。過去1年間でEVへの関心が高まった人の17%が「価格が低下したから」、16%が「自動車メーカーやメディアによる環境面でのメリットに関する情報が増えたから」、14%が「興味のあるモデルが増えたから」、さらに14%が「EVに搭載される新技術に興味があるから」と答えています。
EV購入に意欲を持つ消費者はオンラインでの購入と所有体験を重視していることがわかりました。本調査では、全ての市場においてEV購入について「やや可能性が高い」、「非常に可能性が高い」人は、オンラインでの体験と購入を希望する割合が高いことが明らかになっています。購入意欲が高い人と低い人を比べると、オンライン購入を求める人のグローバル平均がそれぞれ42%対15%、日本では43%対16%でした。このことは、対面式の販売店の存続に関わる問題であると同時に、自動車メーカーにとっても販売モデルが新たな課題となることを示しています。
さらに、過去1年間でEVへの関心が高まった人の23%(日本では10%のみ)は、友人や家族の影響が主な理由であると回答しています。このことは、販売モデルの転換だけでなく、EV販売には、ソーシャルメディアの活用など、より「草の根」的なチャネルが必要となることも示唆しています。
同時に、EV普及にはいくつかの大きなハードルがあることも示されました。EV購入に対する懸念材料の上位3つには、2019年と同様に「車両コスト」が入っていることがわかりました。それでも、25%の価格プレミアムを支払ってでもEVを購入したいと考える消費者は世界では11%存在しました。しかしながら、日本ではわずか7%にとどまっています。ただ、EVの価格がICE(内燃機関)車と同等であれば、日本の消費者も69%はEVにお金を払っても良いと考えていることもわかりました。
本調査では、グローバル平均でみても、EV購入を「中程度の可能性」と「非常に高い可能性」と回答した人の27%(日本は25%)が公共の充電施設を利用できるようになることが購入には「不可欠」であると考えており、実際、47-62%(日本では51%)が自宅以外の場所で充電するとしています。この充電ネットワークについては世界で48-86%が自動車メーカーによる充電ネットワークの提供を期待していると回答しています。特に、日本のEV購入意向者の53%は自動車メーカーが充電ネットワークの利用を保証し、全体管理することを期待しています。このことは、充電ネットワークの拡充については政府やその他第三者(事業者)に依存するビジネスモデルではEV普及が困難であることを示唆しています。
アリックスパートナーズの自動車製造業プラクティスのグローバル共同リーダーでありマネージング・ディレクターのマーク・ウェイクフィールドは次のように述べています。「世界ではごく一部の例外を除いてEVに興味を持つ消費者が増えていますが、EV普及には多くの面で大きなハードルが残っていることも明らかとなりました。低価格化、オンラインでの販売・所有体験、充電インフラの確保など自動車業界が直面している変化はまさに歴史的なものと言えます。このような混沌とする市場の中で企業として成功を収めるためには、深く考え抜かれた戦略と完璧な実行力の両方が必要です。どちらか一方だけでは十分ではありません」。
また、アリックスパートナーズ 東京オフィスで自動車製造業プラクティスのリーダーを務めるマネージング・ディレクターの鈴木智之は次のようにコメントしています。「自動車メーカーやサプライヤーは、EVに対する世界の消費者の関心の度合いを考慮しながら各市場における優先順位を決め、それに応じて製品ポートフォリオをカスタマイズする必要があります。特に日本の消費者にとっては充電ネットワーク拡充と低価格化がEV購入に動く鍵となっていることがわかりました。世界と比較して日本においてのみEV購入意向者が増加していない現状を直視し、自動車業界全体でEV普及に必要な条件を1つずつ解決していく必要があると思われます」。
「2021年電気自動車消費者意識調査」について
アリックスパートナーズでは、運転免許証を保有する18歳以上の消費者計8,124人を対象に、2021年8月17日から31日まで電気自動車に関する消費者意識調査を実施。中国(1,007人)、フランス(1,005人)、ドイツ(1,015人)、イタリア(1,019人)、日本(1,017人)、英国(1,007人)、米国(2,054人、うちカリフォルニア州の1,051人は別途調査分析)から回答を受領。
アリックスパートナーズについて
1981年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界20都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は2005年。日本語ウェッブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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本調査は、米国、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国において運転免許証を保有する18歳以上の消費者計8,124人を対象に今年8月17日から31日まで実施されました。アリックスパートナーズでは2019年にも同様の調査を実施しており、今回は2年前との比較から市場の変化も読み取れるものとなりました。
まず、次の車としてEVを購入またはリースする可能性が「非常に高い」人の割合は2年前と比較しても世界で上昇傾向にあります。世界平均は11%から25%と2倍以上に上昇、とりわけ、中国では34%から50%にまで上昇しています。米国では5%から19%に上昇、中でも環境規制をリードするカリフォルニア州では9%から34%まで増えています。対照的に日本は6%から7%への上昇にとどまりました。
とはいえ日本においてもEVへの関心は高まっています。しかし、その理由はさまざまです。過去1年間でEVへの関心が高まった人の17%が「価格が低下したから」、16%が「自動車メーカーやメディアによる環境面でのメリットに関する情報が増えたから」、14%が「興味のあるモデルが増えたから」、さらに14%が「EVに搭載される新技術に興味があるから」と答えています。
EV購入に意欲を持つ消費者はオンラインでの購入と所有体験を重視していることがわかりました。本調査では、全ての市場においてEV購入について「やや可能性が高い」、「非常に可能性が高い」人は、オンラインでの体験と購入を希望する割合が高いことが明らかになっています。購入意欲が高い人と低い人を比べると、オンライン購入を求める人のグローバル平均がそれぞれ42%対15%、日本では43%対16%でした。このことは、対面式の販売店の存続に関わる問題であると同時に、自動車メーカーにとっても販売モデルが新たな課題となることを示しています。
さらに、過去1年間でEVへの関心が高まった人の23%(日本では10%のみ)は、友人や家族の影響が主な理由であると回答しています。このことは、販売モデルの転換だけでなく、EV販売には、ソーシャルメディアの活用など、より「草の根」的なチャネルが必要となることも示唆しています。
同時に、EV普及にはいくつかの大きなハードルがあることも示されました。EV購入に対する懸念材料の上位3つには、2019年と同様に「車両コスト」が入っていることがわかりました。それでも、25%の価格プレミアムを支払ってでもEVを購入したいと考える消費者は世界では11%存在しました。しかしながら、日本ではわずか7%にとどまっています。ただ、EVの価格がICE(内燃機関)車と同等であれば、日本の消費者も69%はEVにお金を払っても良いと考えていることもわかりました。
本調査では、グローバル平均でみても、EV購入を「中程度の可能性」と「非常に高い可能性」と回答した人の27%(日本は25%)が公共の充電施設を利用できるようになることが購入には「不可欠」であると考えており、実際、47-62%(日本では51%)が自宅以外の場所で充電するとしています。この充電ネットワークについては世界で48-86%が自動車メーカーによる充電ネットワークの提供を期待していると回答しています。特に、日本のEV購入意向者の53%は自動車メーカーが充電ネットワークの利用を保証し、全体管理することを期待しています。このことは、充電ネットワークの拡充については政府やその他第三者(事業者)に依存するビジネスモデルではEV普及が困難であることを示唆しています。
アリックスパートナーズの自動車製造業プラクティスのグローバル共同リーダーでありマネージング・ディレクターのマーク・ウェイクフィールドは次のように述べています。「世界ではごく一部の例外を除いてEVに興味を持つ消費者が増えていますが、EV普及には多くの面で大きなハードルが残っていることも明らかとなりました。低価格化、オンラインでの販売・所有体験、充電インフラの確保など自動車業界が直面している変化はまさに歴史的なものと言えます。このような混沌とする市場の中で企業として成功を収めるためには、深く考え抜かれた戦略と完璧な実行力の両方が必要です。どちらか一方だけでは十分ではありません」。
また、アリックスパートナーズ 東京オフィスで自動車製造業プラクティスのリーダーを務めるマネージング・ディレクターの鈴木智之は次のようにコメントしています。「自動車メーカーやサプライヤーは、EVに対する世界の消費者の関心の度合いを考慮しながら各市場における優先順位を決め、それに応じて製品ポートフォリオをカスタマイズする必要があります。特に日本の消費者にとっては充電ネットワーク拡充と低価格化がEV購入に動く鍵となっていることがわかりました。世界と比較して日本においてのみEV購入意向者が増加していない現状を直視し、自動車業界全体でEV普及に必要な条件を1つずつ解決していく必要があると思われます」。
「2021年電気自動車消費者意識調査」について
アリックスパートナーズでは、運転免許証を保有する18歳以上の消費者計8,124人を対象に、2021年8月17日から31日まで電気自動車に関する消費者意識調査を実施。中国(1,007人)、フランス(1,005人)、ドイツ(1,015人)、イタリア(1,019人)、日本(1,017人)、英国(1,007人)、米国(2,054人、うちカリフォルニア州の1,051人は別途調査分析)から回答を受領。
アリックスパートナーズについて
1981年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界20都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は2005年。日本語ウェッブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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