NEC、エッジ機器の性能を引き出し、大量の映像から分析対象を高速・高精度に検知できる技術を開発
[21/11/16]
TOKYO, Nov 16, 2021 - (JCN Newswire) - NECは、さまざまな映像分析に利用される基本要素である物体検知処理を、検知精度を維持しつつ効率的かつ高速に実行できる「漸進的物体検知技術」を開発しました。本技術により、処理能力に制約があるエッジ機器でも大量の映像に対する物体検知について最大で約8倍の処理速度を実現します。NECは今後、本技術の開発強化や実証を経て、2022年度の製品化を目指します。
映像分析は、車両や交差点のカメラ映像の分析による交差点の見守りや交通管制の最適化、店舗や倉庫のカメラ映像の分析による立ち入り禁止区域への侵入検知や施設管理の最適化など、多くの活用が期待されています。これらの映像分析をリアルタイムに行うには、カメラなどのセンサーの近くのエッジ機器で処理を行うことが理想です。しかし、エッジ機器では廃熱・冷却が難しく消費電力が制限されるため、高性能サーバで使用されるGPUなどの高性能プロセッサーを利用できず、処理能力に制約があります。
映像分析では、ディープラーニングを活用した物体検知ソフトウェア(以下、物体検知AIモデル)によってカメラで撮影された映像から分析対象となる物体を探し出す物体検知処理を行います。しかし、精度の高い物体検知AIモデルは演算量が多いため、処理能力に制約があるエッジ機器では、大量の映像の処理を行うことが難しいという課題があります。一方、演算量を削減した高速な物体検知AIモデルを利用する場合、一般的に演算量と精度はトレードオフの関係にあるため、演算量を削減すると精度が低下して映像分析に求められる認識精度要件を満たせないという課題があります。
今回開発した「漸進的物体検知技術」を適用することで、処理能力に制約があるエッジ機器でも大量の画像の中から分析対象を効率的かつ高速・高精度に検知し、リアルタイムでのカメラ映像の処理や複数台カメラの同時処理を行うことが可能になります。
技術の特長
1.高速・高精度を両立した検知を実現
本技術では、高速だが精度が劣る物体検知AIモデルと、高精度だが演算量の多い物体検知AIモデルを組み合わせ、それぞれの利点を活かして効率的に複数の画像を処理することにより、高速・高精度な検知を実現します。具体的には、まず高速な物体検知AIモデルによって粗い精度で複数検知し、その検知結果をまとめて高精度な物体検知AIモデルで処理することにより検知対象を徐々に(漸進的に)精緻化し、分析します。
これにより、カメラ映像から車両のナンバープレートを検知する例では、精度の高い物体検知AIモデルを単独で使用する場合に対して、検知精度を維持しつつ、約8倍の処理速度を実現しました(注)。
2.さまざまな検知対象や検知方式、AIチップに対応
特定の検知対象や特定の処理方式に限ることなく、「人」や「人の関節点」、「車両」や「車両のナンバープレート」などの検知対象に応じた多様な物体検知処理に対応しています。
さらに、特定のAIチップに限ることなく適用することができます。AIチップが共通して持つ、多数の演算リソースを内部に持つという特長を活用し、AIチップ内部の演算能力を使いきることができます。
NECは、社会の様々なシーンに映像分析技術の活用を広げていくことで、社会の安全・安心、利便性の向上に貢献していきます。
なおNECは、本技術を2021年11月17日(水)〜19日(金)にパシフィコ横浜にて開催される「ET & IoT 2021」に展示します。また、「ET / IoT Technology AWARD 2021」にて「Embedded Technology 優秀賞」を受賞しました。
「ET & IoT 2021」について: https://www.jasa.or.jp/expo/
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/202111/20211116_02.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。
Copyright 2021 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
映像分析は、車両や交差点のカメラ映像の分析による交差点の見守りや交通管制の最適化、店舗や倉庫のカメラ映像の分析による立ち入り禁止区域への侵入検知や施設管理の最適化など、多くの活用が期待されています。これらの映像分析をリアルタイムに行うには、カメラなどのセンサーの近くのエッジ機器で処理を行うことが理想です。しかし、エッジ機器では廃熱・冷却が難しく消費電力が制限されるため、高性能サーバで使用されるGPUなどの高性能プロセッサーを利用できず、処理能力に制約があります。
映像分析では、ディープラーニングを活用した物体検知ソフトウェア(以下、物体検知AIモデル)によってカメラで撮影された映像から分析対象となる物体を探し出す物体検知処理を行います。しかし、精度の高い物体検知AIモデルは演算量が多いため、処理能力に制約があるエッジ機器では、大量の映像の処理を行うことが難しいという課題があります。一方、演算量を削減した高速な物体検知AIモデルを利用する場合、一般的に演算量と精度はトレードオフの関係にあるため、演算量を削減すると精度が低下して映像分析に求められる認識精度要件を満たせないという課題があります。
今回開発した「漸進的物体検知技術」を適用することで、処理能力に制約があるエッジ機器でも大量の画像の中から分析対象を効率的かつ高速・高精度に検知し、リアルタイムでのカメラ映像の処理や複数台カメラの同時処理を行うことが可能になります。
技術の特長
1.高速・高精度を両立した検知を実現
本技術では、高速だが精度が劣る物体検知AIモデルと、高精度だが演算量の多い物体検知AIモデルを組み合わせ、それぞれの利点を活かして効率的に複数の画像を処理することにより、高速・高精度な検知を実現します。具体的には、まず高速な物体検知AIモデルによって粗い精度で複数検知し、その検知結果をまとめて高精度な物体検知AIモデルで処理することにより検知対象を徐々に(漸進的に)精緻化し、分析します。
これにより、カメラ映像から車両のナンバープレートを検知する例では、精度の高い物体検知AIモデルを単独で使用する場合に対して、検知精度を維持しつつ、約8倍の処理速度を実現しました(注)。
2.さまざまな検知対象や検知方式、AIチップに対応
特定の検知対象や特定の処理方式に限ることなく、「人」や「人の関節点」、「車両」や「車両のナンバープレート」などの検知対象に応じた多様な物体検知処理に対応しています。
さらに、特定のAIチップに限ることなく適用することができます。AIチップが共通して持つ、多数の演算リソースを内部に持つという特長を活用し、AIチップ内部の演算能力を使いきることができます。
NECは、社会の様々なシーンに映像分析技術の活用を広げていくことで、社会の安全・安心、利便性の向上に貢献していきます。
なおNECは、本技術を2021年11月17日(水)〜19日(金)にパシフィコ横浜にて開催される「ET & IoT 2021」に展示します。また、「ET / IoT Technology AWARD 2021」にて「Embedded Technology 優秀賞」を受賞しました。
「ET & IoT 2021」について: https://www.jasa.or.jp/expo/
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://jpn.nec.com/press/202111/20211116_02.html
概要:日本電気株式会社(NEC)
詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。
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