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長瀬産業と日立グループが、スマートセルを用いた、希少アミノ酸などの生産プロセスの実用化に向けた共同開発を開始

TOKYO, Apr 19, 2022 - (JCN Newswire) - 長瀬産業株式会社(以下、長瀬産業)、株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社日立プラントサービス(以下、日立プラントサービス)は、このたび、バイオテクノロジーとデジタル技術を組み合わせて、物質生産能力を最大限引き出した微生物(スマートセル*1)を用いた、希少アミノ酸「エルゴチオネイン(EGT)*2」をはじめとした有用物質の精密発酵プロセス確立に向けた共同開発を開始します。

今回共同開発するのは、一般的な化学合成法と比べて、環境負荷を抑えつつ、有用物質の生産性を大きく向上できる可能性を持つスマートセルによる次世代バイオ生産技術であり、実用化への課題である生産プロセスのスケールアップと安定生産に向けて、長瀬産業、日立、日立プラントサービスが培ってきた技術と知見を最大限に活かして取り組んでいきます。3社では、2022年3月に共同開発契約を締結し、4月から具体的な共同開発を進めていきます。

背景

人の生活を豊かにする健康食品や医薬品、化粧品の原料や化成品などに用いられる各種有用物質は、多様かつ変化の激しいニーズに即応するため、市場投入までのスピードアップに加え、開発・製造における原料消費や廃棄物、エネルギー消費の抑制など地球環境への配慮も必要です。従来これらの有用物質は、原料を反応槽に投入し攪拌して反応を進行させる化学合成法や、天然物からの抽出法などで製造されてきましたが、化学合成法では高温・高圧の反応プロセスによる環境負荷が大きいことや、抽出法では生産効率が低いことなどが課題でした。一方、昨今のバイオテクノロジーの技術革新やデジタル技術の進展に伴い、今まで利用しえなかった潜在的な生物細胞が持つ機能を引き出すスマートセルを用いた次世代バイオ生産技術は、持続可能なバイオマスを原料とした物質生産や、常温常圧の温和な条件での生産も可能なため、環境負荷低減につながるとともに、従来では大量生産が難しかった複雑な構造を持つ有用物質を高効率で生産できるようになることが期待されています。

これまでの3社の取り組み

長瀬産業では、2015年から微生物を用いた発酵法でEGTを安定供給できる環境配慮型バイオ生産プロセスの開発に着手しました。2019年からはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「スマートセルプロジェクト」に参画しEGTの生産性を従来比約1,000倍向上することを達成しました*3。しかしながら、産業化に不可欠となるさらなるスケールアップ・安定生産を実現できる生産条件はまだ解明されていません。

また、日立および日立プラントサービスは、持続可能なモノづくりの実現に向け、日立が有する培養シミュレーション技術やLumada*4のデータ解析技術、日立プラントサービスが有する大型培養プラントの設計・施工や生産設備スケールアップのエンジニアリング技術をもとに、今後の成長領域であるスマートセルを活用した次世代生産方法への技術展開を構想してきました。

今回の共同開発内容

そこで今回、これまで長瀬産業、日立、日立プラントサービスの3社が長年にわたり培ってきた経験・ノウハウを活用・融合し、スマートセルを用いたEGTをはじめとした有用物質の生産プロセスの実用化に向けた共同開発を開始します。具体的な共同開発内容は以下を予定しています。

1. 培養シミュレーション技術などを用いて、スマートセルの培養工程のスケールアップ条件を予測
2. ラボ実験や生産プロセス検討で取得したデータを解析し、生産性を最大化するプロセス条件およびスケールアップ条件を探索
3. 生産プロセスのエンジニアリングや最適化方法の確立

今後の展開

長瀬産業、日立、日立プラントサービスでは、今回の共同開発で得た成果を通じて、スマートセルによるEGTの生産プロセスの量産化に向けた課題解決に取り組むとともに、今後さまざまな有用物質へ応用展開することで、環境負荷軽減と生産の効率化を両立し、持続可能で健康・便利な社会の実現をめざしていきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/04/0419.html

長瀬産業について

長瀬産業は、1832 年の創業以来、化学品の輸出入を主軸に、化学を基盤としたユニークな企業グループへと成長してきました。幅広い事業領域とグローバルに広がるネットワーク、グループ力を高めている製造・加工や研究開発機能、また「誠実に正道を歩む」姿勢に対するパートナーからの信頼などが、NAGASEの持続的成長につながる強みとなっています。長い年月をかけて培われてきたこの強みに、今後も"新たな強み"を重ねながら事業を展開し、化学系専門商社の枠を超えた、温もりある未来を創造するビジネスデザイナーとしてサステナブルな社会の発展に貢献いたします。

日立製作所について

日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。

日立プラントサービスについて

日立プラントサービスは、空気、水、エネルギーなど幅広い分野でお客さまのさまざまなニーズにお応えし、快適な社会の実現をめざす総合エンジニアリング企業です。各種プラント・工場設備のエンジニアリングからメンテナンスサービス、リニューアルまでを提供し、また、デジタルイノベーションを加速する日立のLumadaとの連携による設備運用の効率化ソリューションなどを提供することにより、お客さまのビジネスの成長と、社会課題の解決に貢献します。


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