エーザイ、LEQEMBI(TM)(レカネマブ)がアルツハイマー病に対する治療薬として米国FDAより迅速承認を取得
[23/01/07]
TOKYO, Jan 7, 2023 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が可溶性(プロトフィブリル*)および不溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体に対するヒト化 IgG1 モノクローナル抗体レカネマブ(一般名、米国ブランド名:LEQEMBI(TM) 注射 100 mg/mL 溶液、以下LEQEMBI)について、アルツハイマー病(AD)の治療薬として、迅速承認したことをお知らせします。本承認は、LEQEMBI が AD の特徴である脳内に蓄積した Aβ プラークの減少効果を示した
臨床第II相試験(201試験)の結果に基づくものです。エーザイは、最近発表した大規模なグローバル臨床第III相検証試験であるClarity AD 試験のデータを用い、フル承認に向けた生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を FDA に対して速やかに行います。
適応症
今回承認された LEQEMBI の適応症は、アルツハイマー病の治療です。LEQEMBI による治療は、臨床試験と同様、AD による軽度認知障害または軽度認知症の患者において開始する必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性のデータはありません。本適応症は、LEQEMBI の治療により観察された Aβ プラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されており、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。
用法・用量(対象者・投与方法・ARIA のモニタリング)
LEQEMBI の用法・用量として、治療開始前に Aβ 病理が確認された患者に対して、10 ?/kg を推奨用量として 2 週間に 1 回点滴静注します。LEQEMBI による治療の最初の 14 週間は、アミロイド関連画像異常(ARIA)について特に注意深く患者の様子を観察することが推奨されます。
LEQEMBIの投与開始前に、ベースライン時(直近1年以内)の脳MRI、および投与後のMRIによる定期的なモニタリング(5 回目、7 回目、14 回目の投与前)が行われます。
副作用
LEQEMBI の安全性は、201 試験において LEQEMBI を少なくとも 1 回投与された 763 人の被験者で評価されています。LEQEMBI 10 mg/kg を隔週投与された被験者(N=161)の少なくとも 5%に報告され、プラセボ投与被験者(N=245)より少なくとも 2%高い発生率であった主な副作用は、Infusion Reaction(LEQEMBI:20%、プラセボ:3%)、頭痛(LEQEMBI:14%、プラセボ:10%)、ARIA-E(LEQEMBI:10%、プラセボ:1%)、咳(LEQEMBI:9%、プラセボ:5%)および下痢(LEQEMBI:8%、プラセボ: 5%)でした。LEQEMBI の投与中止に至った最も多い副作用は Infusion Reaction であり、LEQEMBI 投与群は 2%(161 人中 4 人)に対して、プラセボ投与群は 1%(245 人中 2 人)でした。
抗血栓薬との併用と脳内出血の他の危険因子について
201試験において、ベースラインで抗凝固薬を使用していた被験者を除外しました。アスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板薬の使用は許可されました。抗血栓薬(アスピリン、その他の抗血小板薬、抗凝固薬)の併用に関して、LEQEMBI と抗血栓薬の併用投与群は、プラセボと抗血栓薬の投与群と比較して、ARIA-H の発症リスクの増加は認められませんでした。使用された抗血栓薬の多くはアスピリンであり、他の抗血小板薬や抗凝固薬の使用は限られており、これらの薬剤の併用時における ARIA や脳内出血のリスクは結論づけられていません。LEQEMBI 投与中に直径1cmを超える脳内出血が観察された症例が報告されており、LEQEMBI投与中の抗血栓薬または血栓溶解薬(組織プラスミノーゲンアクチベーターなど)の投与には注意が必要です。さらに、脳内出血の危険因子として、201 試験においては以下の基準により被験者登録を除外しています。直径 1cm を超える脳出血の既往、4 個を超える微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、血管性浮腫、脳挫傷、動脈瘤、血管奇形、感染病変、多発性ラクナ梗塞または大血管支配領域の脳卒中、重度の小血管疾患または白質疾患。これらの危険因子を持つ患者への LEQEMBI の使用を検討する際には注意が必要です。
エーザイの CEO である内藤晴夫は「LEQEMBI の FDA による迅速承認は、エーザイの 40 年にわたる AD 研究の重要な 1 ページであり、AD 当事者様とそのご家族が抱える憂慮の解消をめざす当社の継続的な取り組みの成果です。当社は AD 当事者様と、支えるご家族が直面する問題や懸念を理解することに努めており、この様々な憂慮を軽減する新しい治療選択肢として LEQEMBI をお届けできることを大変嬉しく思います。AD は当事者様の医学的な問題やご家族の介護負担だけでなく、生産性の低下、社会的コストや不安の増大など、社会全体に影響を及ぼす問題です。このたびの迅速承認取得を受けて、我々は医療従事者への適正使用情報の提供に注力します。また、当社は様々な支払者との連携や支援プログラムの提供により必要とする人々への LEQEMBI のアクセスが可能となるよう最善を尽くすとともに、より多くの当事者様に貢献すべく、速やかなフル承認申請の達成に向けて全力で取り組みます」と述べています。
バイオジェンの社長兼 CEO である Christopher A. Viehbacher は「LEQEMBI の承認は、AD の患者さんに新たな希望を与えるものです。早期 AD の患者さんやその介護者は、医師と共にに新しい治療法を検討することができます。私たちは、この治療法の恩恵を受ける可能性のある患者さんに LEQEMBI をできるだけ早く提供できるよう、エーザイと共に注力しています。今回の承認は、AD という非常に複雑な疾患に対する治療法を見つけるために、長年にわたり忍耐強く、粘り強く取り組んできた多くの科学者や医師の努力が認められたものです。エーザイとバイオジェンは、AD に苦しむ人々の生活の改善に繋がる研究を進めるために、ほぼ 10 年にわたり協力してきました。私たちは、引き続き AD との闘いに強くコミットしていきます」と述べています。
LEQEMBI のアクセスと AD 当事者様を支援する取り組みについて
米国においては、当事者様と介護者の皆様に対して様々な支援を行うための「Eisai Patient Support Program」を用意しています。専任のナビゲーターが、当事者様やご家族と直接連携し、対象となる当事者様に治療や保険適用に関するナビゲーションを行い、保険適用、自己負担額、当事者様が利用できるアクセスプログラムなどのサポートを行います。詳しくはLEQEMBI.comをご覧いただくか、電話:1-833-453-7362(月〜金、東部時間午前 8 時〜午後 8 時)またはファックス(1-833-770-7017)にてお問い合わせください。
また、経済的な理由で LEQEMBI にアクセスができない方を支援するために「Eisai’s Patient Assistance Program」を開設し、自己負担上限(メディギャップ)のないメディケア受給者や保険未加入の当事者様で、経済的支援の必要性などのプログラム対象基準を満たす方には、LEQEMBIを無償で提供します。
また、エーザイは、この新規治療法である LEQEMBI を適格な当事者様が利用できるように、CMS(Centers for Medicare and Medicaid)、TRICARE**、米国退役軍人保険局***、民間医療保険会社などの様々な支払者と引き続き建設的な議論をしていきます。現在、Medicare に加入している当事者様は LEQEMBI による治療を受けることができませんが、医療従事者によって早期 AD と診断され、脳内にアミロイドプラークの蓄積が確認された Medicaid 単独受給者は、各州のプロセスに応じて、迅速承認後の Medicaid プログラムの下で LEQEMBI による治療を受けることができます。
エーザイは、実臨床における ARIA の管理とモニタリングについて、AD ヘルスケアコミュニティに対する多面的な教育イニシアチブを開発しています。このイニシアチブ「Understanding ARIA(TM)」は、受講者同士によるトレーニング、個人およびグループトレーニング、専門家による症例検討などの教材とプログラムを提供します。このイニシアチブは、医療用画像分野の専門家、主要な専門学会との協力のもと実施する予定です。最初の教材は 2023 年 1 月から利用可能となる予定です。
LEQEMBI は 2023 年 1 月 23 日の週までに新発売する予定です。LEQEMBI の米国における価格と設定根拠については、本日ニュースリリースとしてステートメントを発表しています。
LEQEMBI について、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202301.html
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
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臨床第II相試験(201試験)の結果に基づくものです。エーザイは、最近発表した大規模なグローバル臨床第III相検証試験であるClarity AD 試験のデータを用い、フル承認に向けた生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を FDA に対して速やかに行います。
適応症
今回承認された LEQEMBI の適応症は、アルツハイマー病の治療です。LEQEMBI による治療は、臨床試験と同様、AD による軽度認知障害または軽度認知症の患者において開始する必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性のデータはありません。本適応症は、LEQEMBI の治療により観察された Aβ プラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されており、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。
用法・用量(対象者・投与方法・ARIA のモニタリング)
LEQEMBI の用法・用量として、治療開始前に Aβ 病理が確認された患者に対して、10 ?/kg を推奨用量として 2 週間に 1 回点滴静注します。LEQEMBI による治療の最初の 14 週間は、アミロイド関連画像異常(ARIA)について特に注意深く患者の様子を観察することが推奨されます。
LEQEMBIの投与開始前に、ベースライン時(直近1年以内)の脳MRI、および投与後のMRIによる定期的なモニタリング(5 回目、7 回目、14 回目の投与前)が行われます。
副作用
LEQEMBI の安全性は、201 試験において LEQEMBI を少なくとも 1 回投与された 763 人の被験者で評価されています。LEQEMBI 10 mg/kg を隔週投与された被験者(N=161)の少なくとも 5%に報告され、プラセボ投与被験者(N=245)より少なくとも 2%高い発生率であった主な副作用は、Infusion Reaction(LEQEMBI:20%、プラセボ:3%)、頭痛(LEQEMBI:14%、プラセボ:10%)、ARIA-E(LEQEMBI:10%、プラセボ:1%)、咳(LEQEMBI:9%、プラセボ:5%)および下痢(LEQEMBI:8%、プラセボ: 5%)でした。LEQEMBI の投与中止に至った最も多い副作用は Infusion Reaction であり、LEQEMBI 投与群は 2%(161 人中 4 人)に対して、プラセボ投与群は 1%(245 人中 2 人)でした。
抗血栓薬との併用と脳内出血の他の危険因子について
201試験において、ベースラインで抗凝固薬を使用していた被験者を除外しました。アスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板薬の使用は許可されました。抗血栓薬(アスピリン、その他の抗血小板薬、抗凝固薬)の併用に関して、LEQEMBI と抗血栓薬の併用投与群は、プラセボと抗血栓薬の投与群と比較して、ARIA-H の発症リスクの増加は認められませんでした。使用された抗血栓薬の多くはアスピリンであり、他の抗血小板薬や抗凝固薬の使用は限られており、これらの薬剤の併用時における ARIA や脳内出血のリスクは結論づけられていません。LEQEMBI 投与中に直径1cmを超える脳内出血が観察された症例が報告されており、LEQEMBI投与中の抗血栓薬または血栓溶解薬(組織プラスミノーゲンアクチベーターなど)の投与には注意が必要です。さらに、脳内出血の危険因子として、201 試験においては以下の基準により被験者登録を除外しています。直径 1cm を超える脳出血の既往、4 個を超える微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症、血管性浮腫、脳挫傷、動脈瘤、血管奇形、感染病変、多発性ラクナ梗塞または大血管支配領域の脳卒中、重度の小血管疾患または白質疾患。これらの危険因子を持つ患者への LEQEMBI の使用を検討する際には注意が必要です。
エーザイの CEO である内藤晴夫は「LEQEMBI の FDA による迅速承認は、エーザイの 40 年にわたる AD 研究の重要な 1 ページであり、AD 当事者様とそのご家族が抱える憂慮の解消をめざす当社の継続的な取り組みの成果です。当社は AD 当事者様と、支えるご家族が直面する問題や懸念を理解することに努めており、この様々な憂慮を軽減する新しい治療選択肢として LEQEMBI をお届けできることを大変嬉しく思います。AD は当事者様の医学的な問題やご家族の介護負担だけでなく、生産性の低下、社会的コストや不安の増大など、社会全体に影響を及ぼす問題です。このたびの迅速承認取得を受けて、我々は医療従事者への適正使用情報の提供に注力します。また、当社は様々な支払者との連携や支援プログラムの提供により必要とする人々への LEQEMBI のアクセスが可能となるよう最善を尽くすとともに、より多くの当事者様に貢献すべく、速やかなフル承認申請の達成に向けて全力で取り組みます」と述べています。
バイオジェンの社長兼 CEO である Christopher A. Viehbacher は「LEQEMBI の承認は、AD の患者さんに新たな希望を与えるものです。早期 AD の患者さんやその介護者は、医師と共にに新しい治療法を検討することができます。私たちは、この治療法の恩恵を受ける可能性のある患者さんに LEQEMBI をできるだけ早く提供できるよう、エーザイと共に注力しています。今回の承認は、AD という非常に複雑な疾患に対する治療法を見つけるために、長年にわたり忍耐強く、粘り強く取り組んできた多くの科学者や医師の努力が認められたものです。エーザイとバイオジェンは、AD に苦しむ人々の生活の改善に繋がる研究を進めるために、ほぼ 10 年にわたり協力してきました。私たちは、引き続き AD との闘いに強くコミットしていきます」と述べています。
LEQEMBI のアクセスと AD 当事者様を支援する取り組みについて
米国においては、当事者様と介護者の皆様に対して様々な支援を行うための「Eisai Patient Support Program」を用意しています。専任のナビゲーターが、当事者様やご家族と直接連携し、対象となる当事者様に治療や保険適用に関するナビゲーションを行い、保険適用、自己負担額、当事者様が利用できるアクセスプログラムなどのサポートを行います。詳しくはLEQEMBI.comをご覧いただくか、電話:1-833-453-7362(月〜金、東部時間午前 8 時〜午後 8 時)またはファックス(1-833-770-7017)にてお問い合わせください。
また、経済的な理由で LEQEMBI にアクセスができない方を支援するために「Eisai’s Patient Assistance Program」を開設し、自己負担上限(メディギャップ)のないメディケア受給者や保険未加入の当事者様で、経済的支援の必要性などのプログラム対象基準を満たす方には、LEQEMBIを無償で提供します。
また、エーザイは、この新規治療法である LEQEMBI を適格な当事者様が利用できるように、CMS(Centers for Medicare and Medicaid)、TRICARE**、米国退役軍人保険局***、民間医療保険会社などの様々な支払者と引き続き建設的な議論をしていきます。現在、Medicare に加入している当事者様は LEQEMBI による治療を受けることができませんが、医療従事者によって早期 AD と診断され、脳内にアミロイドプラークの蓄積が確認された Medicaid 単独受給者は、各州のプロセスに応じて、迅速承認後の Medicaid プログラムの下で LEQEMBI による治療を受けることができます。
エーザイは、実臨床における ARIA の管理とモニタリングについて、AD ヘルスケアコミュニティに対する多面的な教育イニシアチブを開発しています。このイニシアチブ「Understanding ARIA(TM)」は、受講者同士によるトレーニング、個人およびグループトレーニング、専門家による症例検討などの教材とプログラムを提供します。このイニシアチブは、医療用画像分野の専門家、主要な専門学会との協力のもと実施する予定です。最初の教材は 2023 年 1 月から利用可能となる予定です。
LEQEMBI は 2023 年 1 月 23 日の週までに新発売する予定です。LEQEMBI の米国における価格と設定根拠については、本日ニュースリリースとしてステートメントを発表しています。
LEQEMBI について、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202301.html
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
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