日立・京都大学・リバーセルが、他家T細胞療法の普及に向け、自動培養技術開発のための共同研究契約を締結
[23/03/14]
TOKYO, Mar 14, 2023 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:小島 啓二/以下、日立)、国立大学法人京都大学(総長:湊 長博/以下、京都大学)、リバーセル株式会社(代表取締役社長兼CEO:梶川 益紀/以下、リバーセル)は、がんなどの治療に有効な他家T細胞療法*1の普及に向け、自動培養技術開発のための共同研究契約を2023年1月6日に締結しました。なお、2023年3月23日(木)から25日(土)まで国立京都国際会館で開催される第22回日本再生医療学会総会併設展示会に出展する日立グループのブースにて、本契約で実施予定の共同研究の一部についてご紹介する予定です。
近年、患者さん自身の細胞を用いた「自家細胞療法*2」が特定の疾患に劇的に効果を上げています。一方で、「自家細胞療法」は、患者さん自身の細胞を用いるため、安全性の高いオーダーメイド医療であるメリットが故の、コストや治療用細胞の調製に時間がかかるなどいくつかの課題も浮き彫りになってきています。がんなどへの新たな治療法として期待される細胞療法ですが、より汎用性が高く、より多くの患者さんの治療に使用できる「他家細胞療法」への期待が高まっています。「他家細胞療法」を実現するためには、細胞を一定の品質で大量に供給できる自動培養技術の開発が必要です。
日立は、2017年6月に研究用のiPS細胞自動培養装置を開発し、2019年3月に再生医療等製品の商用製造が可能な細胞自動培養装置iACE2を、国内で初めて製品化しました。本装置は、再生医療等製品の製造管理および品質管理の方法に関する基準であるGCTP省令*3に適合させるために必要な機能を有しており、培養容器や培地の流路には完全閉鎖系の流路モジュールを用いることで、品質の高い細胞を安定的に供給することが可能です。さらに、2019年11月には2次元培養法だけでなく、培地コスト低減、シアストレス低減、および培地交換作業の簡易化の3点を可能にする新たな3次元培養法の自動化も実現しました。日立は、長年の研究開発とオープンイノベーションの知見を生かし、細胞自動培養装置による自動製造プロセスの構築支援サービスも提供しており、製造プロセスバリデーションの豊富な経験を持っています。
京都大学は、医生物学研究所(旧ウイルス・再生医科学研究所)所長の河本宏教授を中心に、即納型他家T細胞療法の研究開発を進め、他家T細胞療法に必須の多くの特許技術を輩出しています。さらに近年、全工程フィーダー細胞*4フリーの培養条件をすでに確立しており、その方法を用いて臨床試験に向けての準備を進めています。
リバーセルは、京都大学河本宏教授の技術を治療法として患者さんに届けるために2019年10月に設立されました。京都大学でiPS細胞由来の他家キラーT細胞*5を用いた白血病に対する臨床試験を、藤田医科大学でサイトメガロウイルス(CMV)*6再活性化患者に対する臨床試験を計画しています。さらに、他家T細胞療法に必須の京都大学の特許技術の全世界サブライセンス付独占実施権を保有しており、複数の製薬企業との共同研究、ライセンス契約締結の実績があります。
今回、日立、京都大学、リバーセルの共同研究により、日立の細胞自動培養装置に、他家T細胞を大量に製造するための機能を付加させるべく、細胞自動培養装置を用いて、多能性幹細胞から再生キラーT細胞を製造する技術開発のための共同研究を開始しました。
京都大学の河本宏は次のように述べています。「この共同研究で3者が協働することによっていち早く他家T細胞製造を自動化し、安定した他家細胞製剤を患者さんへ届けることをめざしています。」
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。https://www.hitachi.co.jp/
京都大学について
京都大学は、日本及びアジアを代表する研究・教育機関の一つであり、1897年の創設以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献することを理念としています。これまでに数多くのノーベル賞受賞者や国際的に権威ある賞の受賞者を輩出し、国内外に有する数多くの研究センターや、施設・オフィスとの協同のもと、学部・大学院の両方において文理問わず分野横断的に幅広いカリキュラムを提供しています。
本共同研究を行う医生物学研究所は、ヒトT細胞白血病ウイルスの発見や分子生物学の黎明期を牽引してきたウイルス研究所と、ES細胞の樹立・iPS細胞や制御性T細胞の発見などから再生医学の基盤確立に貢献した再生医科学研究所が組織統合したウイルス・再生医科学研究所を前身とし、医学、生命科学における新たな学術領域の創成を目指して、令和4年4月に「医生物学研究所」に改称しました。また、本共同研究のマネジメントを行うオープンイノベーション機構は、全学の研究テーマをベースに「組織」対「組織」の本格的な大型共同研究を企画し実施する研究拠点です。
リバーセルについて
2019年10月に京都大学医生物学研究所所長の河本宏教授によって設立された、京都大学発のバイオベンチャー。
近年、患者自身の細胞を使う「自家細胞療法」が一部のがんに効果を発揮していますが、「その患者にしか使えない」という課題に加え「患者の身体への負担が大きい」「治療までの時間がかかる」「コストが高い」「品質が不安定」等の問題があります。また、感染症に対しては迅速な治療が求められるため「自家細胞療法」では間に合わず、細胞療法という方法すら存在しません。当社はこのような社会課題を解決すべく、全く新しい治療法「他家免疫細胞療法」を提供いたします。具体的には、多能性幹細胞から、がんやウイルスを特異的に認識して殺傷する免疫細胞を再生し、治療に用いる方法です。
他家細胞療法に必須な特許技術を駆使し、「誰にでも」「すぐに」「安く」「高品質な」治療を提供することが可能な、汎用性即納型キラーT細胞製剤を用いた治療法の臨床応用をめざします。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/03/0314.html
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト( https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。
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近年、患者さん自身の細胞を用いた「自家細胞療法*2」が特定の疾患に劇的に効果を上げています。一方で、「自家細胞療法」は、患者さん自身の細胞を用いるため、安全性の高いオーダーメイド医療であるメリットが故の、コストや治療用細胞の調製に時間がかかるなどいくつかの課題も浮き彫りになってきています。がんなどへの新たな治療法として期待される細胞療法ですが、より汎用性が高く、より多くの患者さんの治療に使用できる「他家細胞療法」への期待が高まっています。「他家細胞療法」を実現するためには、細胞を一定の品質で大量に供給できる自動培養技術の開発が必要です。
日立は、2017年6月に研究用のiPS細胞自動培養装置を開発し、2019年3月に再生医療等製品の商用製造が可能な細胞自動培養装置iACE2を、国内で初めて製品化しました。本装置は、再生医療等製品の製造管理および品質管理の方法に関する基準であるGCTP省令*3に適合させるために必要な機能を有しており、培養容器や培地の流路には完全閉鎖系の流路モジュールを用いることで、品質の高い細胞を安定的に供給することが可能です。さらに、2019年11月には2次元培養法だけでなく、培地コスト低減、シアストレス低減、および培地交換作業の簡易化の3点を可能にする新たな3次元培養法の自動化も実現しました。日立は、長年の研究開発とオープンイノベーションの知見を生かし、細胞自動培養装置による自動製造プロセスの構築支援サービスも提供しており、製造プロセスバリデーションの豊富な経験を持っています。
京都大学は、医生物学研究所(旧ウイルス・再生医科学研究所)所長の河本宏教授を中心に、即納型他家T細胞療法の研究開発を進め、他家T細胞療法に必須の多くの特許技術を輩出しています。さらに近年、全工程フィーダー細胞*4フリーの培養条件をすでに確立しており、その方法を用いて臨床試験に向けての準備を進めています。
リバーセルは、京都大学河本宏教授の技術を治療法として患者さんに届けるために2019年10月に設立されました。京都大学でiPS細胞由来の他家キラーT細胞*5を用いた白血病に対する臨床試験を、藤田医科大学でサイトメガロウイルス(CMV)*6再活性化患者に対する臨床試験を計画しています。さらに、他家T細胞療法に必須の京都大学の特許技術の全世界サブライセンス付独占実施権を保有しており、複数の製薬企業との共同研究、ライセンス契約締結の実績があります。
今回、日立、京都大学、リバーセルの共同研究により、日立の細胞自動培養装置に、他家T細胞を大量に製造するための機能を付加させるべく、細胞自動培養装置を用いて、多能性幹細胞から再生キラーT細胞を製造する技術開発のための共同研究を開始しました。
京都大学の河本宏は次のように述べています。「この共同研究で3者が協働することによっていち早く他家T細胞製造を自動化し、安定した他家細胞製剤を患者さんへ届けることをめざしています。」
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。https://www.hitachi.co.jp/
京都大学について
京都大学は、日本及びアジアを代表する研究・教育機関の一つであり、1897年の創設以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献することを理念としています。これまでに数多くのノーベル賞受賞者や国際的に権威ある賞の受賞者を輩出し、国内外に有する数多くの研究センターや、施設・オフィスとの協同のもと、学部・大学院の両方において文理問わず分野横断的に幅広いカリキュラムを提供しています。
本共同研究を行う医生物学研究所は、ヒトT細胞白血病ウイルスの発見や分子生物学の黎明期を牽引してきたウイルス研究所と、ES細胞の樹立・iPS細胞や制御性T細胞の発見などから再生医学の基盤確立に貢献した再生医科学研究所が組織統合したウイルス・再生医科学研究所を前身とし、医学、生命科学における新たな学術領域の創成を目指して、令和4年4月に「医生物学研究所」に改称しました。また、本共同研究のマネジメントを行うオープンイノベーション機構は、全学の研究テーマをベースに「組織」対「組織」の本格的な大型共同研究を企画し実施する研究拠点です。
リバーセルについて
2019年10月に京都大学医生物学研究所所長の河本宏教授によって設立された、京都大学発のバイオベンチャー。
近年、患者自身の細胞を使う「自家細胞療法」が一部のがんに効果を発揮していますが、「その患者にしか使えない」という課題に加え「患者の身体への負担が大きい」「治療までの時間がかかる」「コストが高い」「品質が不安定」等の問題があります。また、感染症に対しては迅速な治療が求められるため「自家細胞療法」では間に合わず、細胞療法という方法すら存在しません。当社はこのような社会課題を解決すべく、全く新しい治療法「他家免疫細胞療法」を提供いたします。具体的には、多能性幹細胞から、がんやウイルスを特異的に認識して殺傷する免疫細胞を再生し、治療に用いる方法です。
他家細胞療法に必須な特許技術を駆使し、「誰にでも」「すぐに」「安く」「高品質な」治療を提供することが可能な、汎用性即納型キラーT細胞製剤を用いた治療法の臨床応用をめざします。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/03/0314.html
日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト( https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。
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