エーザイ、臨床第III相 Clarity AD 試験データを用いた「レカネマブ」の社会的価値について、査読学術専門誌 Neurology and Therapy 誌に掲載
[23/03/20]
TOKYO, Mar 20, 2023 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度 AD(総称して早期 AD と定義)当事者様に対する抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル*抗体レカネマブ(一般名、米国ブランド名「LEQEMBI(TM)」)の社会的価値について、米国における医療費支払者観点および社会的観点から、レカネマブの臨床第III相 Clarity AD 試験のデータを用いて、検証済の疾患シミュレーション・モデル(AD Archimedes Condition Event simulation:AD ACE モデル 1,2,3)により推定した最新の評価結果が査読学術専門誌 Neurology and Therapy 誌に掲載されたことをお知らせします。医療費支払者観点では直接的なケアコスト(外来・入院サービス、介護・在宅医療サービス、レカネマブの薬剤費を除く投薬、その他介入コストなど)に焦点を当てているのに対し、社会的観点では直接的なケアコストに加えて社会的コスト(家族介護によるインフォーマル・ケアコストおよび生産性損失)も考慮しています(以下、社会的観点に基づく評価)。
本論文は、2023 年 1 月 7 日(日本時間)に発表した、プレスリリース「早期アルツハイマー病治療薬「LEQEMBI」(レカネマブ)の米国における価格設定のアプローチは「医薬品の社会的価値」と「価格」の関係性に関するエーザイの考え方に基づく」の米国でのレカネマブの社会的価値について論文化したものとなります。
本シミュレーションは、アミロイド病理を有する早期 AD 当事者様に対するレカネマブの有効性と安全性を評価した臨床第III相 Clarity AD 試験の結果と公表されたその他論文を用いて実施されました。
アミロイド病理を有する早期 AD 当事者様において、標準治療**(SoC:standard of care)に加えレカネマブ投与を行った群(レカネマブ群)は SoC のみ行った群(SoC 群)と比較して、医療費支払者観点では 0.61 質調整生存年***(QALY:Quality-adjusted life years)の増加と6,263 ドルの総費用(レカネマブの薬剤費を除く)の減少となり、また、社会的観点に基づく評価では 0.64QALYs 増加、7,451 ドル減少をもたらすと予測されました。本シミュレーションで得られたレカネマブの平均投与期間は 3.91 年でした。獲得 QALYs 当たり 10 万ドルから 20 万ドルの支払意思額(WTP:willingness to pay)において、米国医療制度下におけるレカネマブの年間価値は、医療費支払者の視点で 18,709 ドル〜35,678 ドル、社会的観点に基づく評価で19,710 ドル〜37,351 ドルと試算されました。AD のように社会的コストが大きく、介護者に甚大な影響を与える疾患の場合には、より高い WTP 閾値である 20 万ドルを用いた社会的観点に基づく評価の適用が考慮されます。本論文では、レカネマブ投与により早期 AD 当事者様や介護者にとってより高い健康アウトカムや生活の質(QOL)の向上をもたらし、より低い経済負担につながる可能性が示唆されたと結論付けています。
エーザイ株式会社の常務執行役であり、グローバル AD オフィサーである Ivan Cheung は、「本シミュレーションの結果は、レカネマブによってもたらされる社会的価値を定量的に示したものであり、レカネマブは AD 当事者様とその介護者だけでなく、社会全体に大きなインパクトをもたらすことが示されました。幅広い支払意思額が検討され、重症度調整後の支払意思額の閾値として QALY あたり 20 万ドルが、レカネマブの社会的価値を正確に反映していると考えています。当社は、レカネマブの社会的価値を世界中の人々や国々に伝えるため、今後も透明性高く、迅速なデータと情報の公表を続けてまいります」と述べています。
レカネマブは米国において迅速承認制度の下で承認され、2023 年 1 月 18 日に発売されました。本迅速承認は、レカネマブが AD の特徴である脳内に蓄積した Aβプラークの減少効果を示した臨床第II相試験の結果に基づくものであり、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。米国食品医薬品局(FDA)は、Clarity AD 試験結果をレカネマブの臨床的有用性の検証試験として評価することに合意しています。2023 年 1 月 6 日にフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)を FDA に提出し、3 月 3 日に受理されました。本申請は優先審査に指定され、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデート(審査終了目標日)は 2023年 7 月 6 日に設定されました。日本において、当社は、2023 年 1 月 16 日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行い、1 月 26 日に厚生労働省より優先審査に指定されました。本申請においては、審査期間の短縮をめざし医薬品事前評価相談制度を活用しています。欧州においても、2023 年 1 月 9 日に欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請(MAA)を提出し、1 月 26 日に受理されました。中国においては、2022 年 12 月に国家薬品監督管理局(NMPA)に生物ライセンス申請(BLA)のデータ提出を開始し、2023 年 2 月 27 日に優先審査に指定されました。
レカネマブについては、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン・インクは共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/pdf/news202320pdf.pdf
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
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本論文は、2023 年 1 月 7 日(日本時間)に発表した、プレスリリース「早期アルツハイマー病治療薬「LEQEMBI」(レカネマブ)の米国における価格設定のアプローチは「医薬品の社会的価値」と「価格」の関係性に関するエーザイの考え方に基づく」の米国でのレカネマブの社会的価値について論文化したものとなります。
本シミュレーションは、アミロイド病理を有する早期 AD 当事者様に対するレカネマブの有効性と安全性を評価した臨床第III相 Clarity AD 試験の結果と公表されたその他論文を用いて実施されました。
アミロイド病理を有する早期 AD 当事者様において、標準治療**(SoC:standard of care)に加えレカネマブ投与を行った群(レカネマブ群)は SoC のみ行った群(SoC 群)と比較して、医療費支払者観点では 0.61 質調整生存年***(QALY:Quality-adjusted life years)の増加と6,263 ドルの総費用(レカネマブの薬剤費を除く)の減少となり、また、社会的観点に基づく評価では 0.64QALYs 増加、7,451 ドル減少をもたらすと予測されました。本シミュレーションで得られたレカネマブの平均投与期間は 3.91 年でした。獲得 QALYs 当たり 10 万ドルから 20 万ドルの支払意思額(WTP:willingness to pay)において、米国医療制度下におけるレカネマブの年間価値は、医療費支払者の視点で 18,709 ドル〜35,678 ドル、社会的観点に基づく評価で19,710 ドル〜37,351 ドルと試算されました。AD のように社会的コストが大きく、介護者に甚大な影響を与える疾患の場合には、より高い WTP 閾値である 20 万ドルを用いた社会的観点に基づく評価の適用が考慮されます。本論文では、レカネマブ投与により早期 AD 当事者様や介護者にとってより高い健康アウトカムや生活の質(QOL)の向上をもたらし、より低い経済負担につながる可能性が示唆されたと結論付けています。
エーザイ株式会社の常務執行役であり、グローバル AD オフィサーである Ivan Cheung は、「本シミュレーションの結果は、レカネマブによってもたらされる社会的価値を定量的に示したものであり、レカネマブは AD 当事者様とその介護者だけでなく、社会全体に大きなインパクトをもたらすことが示されました。幅広い支払意思額が検討され、重症度調整後の支払意思額の閾値として QALY あたり 20 万ドルが、レカネマブの社会的価値を正確に反映していると考えています。当社は、レカネマブの社会的価値を世界中の人々や国々に伝えるため、今後も透明性高く、迅速なデータと情報の公表を続けてまいります」と述べています。
レカネマブは米国において迅速承認制度の下で承認され、2023 年 1 月 18 日に発売されました。本迅速承認は、レカネマブが AD の特徴である脳内に蓄積した Aβプラークの減少効果を示した臨床第II相試験の結果に基づくものであり、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。米国食品医薬品局(FDA)は、Clarity AD 試験結果をレカネマブの臨床的有用性の検証試験として評価することに合意しています。2023 年 1 月 6 日にフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)を FDA に提出し、3 月 3 日に受理されました。本申請は優先審査に指定され、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデート(審査終了目標日)は 2023年 7 月 6 日に設定されました。日本において、当社は、2023 年 1 月 16 日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行い、1 月 26 日に厚生労働省より優先審査に指定されました。本申請においては、審査期間の短縮をめざし医薬品事前評価相談制度を活用しています。欧州においても、2023 年 1 月 9 日に欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請(MAA)を提出し、1 月 26 日に受理されました。中国においては、2022 年 12 月に国家薬品監督管理局(NMPA)に生物ライセンス申請(BLA)のデータ提出を開始し、2023 年 2 月 27 日に優先審査に指定されました。
レカネマブについては、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン・インクは共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/pdf/news202320pdf.pdf
概要:エーザイ株式会社
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