エーザイ、臨床第III相Clarity AD試験データを用いた「レカネマブ」の長期的健康アウトカムについて、シミュレーションを用いた評価結果が査読学術専門誌Neurology and Therapy誌に掲載
[23/04/04]
TOKYO, Apr 4, 2023 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度AD(総称して早期ADと定義)当事者様に対する抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル*抗体レカネマブ(一般名、米国ブランド名「LEQEMBITM」)の長期的な健康アウトカムへの影響をシミュレーション評価した結果が、査読学術専門誌Neurology and Therapy別ウィンドウで開きます誌に掲載されたことをお知らせします。本シミュレーションでは、レカネマブによる治療により、AD病態進行を遅らせ、当事者様を早期AD段階にとどまる期間が延長され、生活の質(QOL)の改善の可能性が示されました。
本論文は、2022年4月に発表された臨床第IIb相試験(201試験)の結果を用いた長期的健康アウトカムのシミュレーション評価を、臨床第III相Clarity AD試験データによってアップデートしたものです。
本論文では、アミロイド病理を有する早期AD当事者様において、標準治療**(SoC:standard of care)(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤もしくはメマンチンの安定投与を含む)に加え レカネマブ投与を行った群(レカネマブ群)とSoC治療のみの群(SoC群)の長期的臨床アウトカムについて比較されました。解析は、レカネマブの有効性と安全性を評価した臨床第III相Clarity AD試験のデータおよび公表文献を用い、ADの自然な進行をシミュレートした、疾患シミュレーション・モデル(AD ACEモデル1)に基づいています。
その結果、レカネマブ群では、SoC群と比較し、軽度、中等度、高度ADへの病態進行の推定生涯リスクがそれぞれ7.5%、13.7%、8.8%減少する可能性が示されました。さらに、レカネマブの投与により約5%の当事者様が介護施設への入所を回避できる可能性が示されました。また、レカネマブ群はSoC群と比較してより重度のステージへの進行を平均で2〜3年遅らせることが示されました。具体的には、SoC群と比較して、レカネマブ群では軽度への進行は2.71年(SoC群vs.レカネマブ群:2.35年vs. 5.06年)、中等度への進行は2.95年(同:5.69年vs. 8.64年)、高度への進行は2.24年(同:8.46年vs. 10.79年)遅延することが示されました。また、介護施設への入所は0.60年(同:6.25年vs. 6.85年)遅延することが示されました。QALY***(質調整生存年)については、SoC群と比較してレカネマブ群は0.71QALY増加し、レカネマブ群のQALYは4.39年でした。
さらに、ベースライン時の年齢や病態の進行度別のサブグループ解析を行った結果、より早期にレカネマブによる治療を開始すると、病態進行を遅らせる効果がより大きい可能性があることが明らかになりました。本サブグループ解析において、MCIの段階で投与を開始した場合に病態が進行する平均時間は、レカネマブ群ではSoC群と比較して、軽度への進行が2.55年、中等度への進行は3.15年長くなりました。
エーザイ株式会社の常務執行役であり、グローバルADオフィサーであるIvan Cheungは、「本シミュレーションの結果は、レカネマブによってもたらされる長期的健康アウトカムについて定量的に示したものであり、201試験によるシミュレーションの結果を支持するものです。本研究は、医療の意思決定者がレカネマブの使用による臨床的・社会経済的価値の理解のための重要な情報となると考えています。レカネマブによる治療は、ADの進行を遅らせることにより、現在の標準治療よりもベネフィットをもたらす可能性があり、より長く自立した生活とQOLの維持の可能性があります。当社は、レカネマブの臨床的・社会的価値について、世界中の人々や国々にとって有意義な議論を促進するため、今後も透明性高く、迅速なデータと情報の公表を続けてまいります」と述べています。
レカネマブは米国において迅速承認制度の下で承認され、2023年1月18日に発売されました。本迅速承認は、レカネマブがADの特徴である脳内に蓄積したAβプラークの減少効果を示した臨床第II相試験の結果に基づくものであり、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。米国食品医薬品局(FDA)は、Clarity AD試験結果を レカネマブの臨床的有用性の検証試験として評価することに合意しています。2023年1月6日にフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)をFDAに提出し、3月3日に受理されました。本申請は優先審査に指定され、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデート(審査終了目標日)は2023年7月6日に設定されました。本申請について、FDAは現時点で諮問委員会を予定していますが、日程については公表していません。日本において、当社は、2023年1月16日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行い、1月26日に厚生労働省より優先審査に指定されました。本申請においては、審査期間の短縮をめざし医薬品事前評価相談制度を活用しています。欧州においても、2023年1月9日に欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請(MAA)を提出し、1月26日に受理されました。中国においては、2022年12月に国家薬品監督管理局(NMPA)に生物ライセンス申請(BLA)のデータ提出を開始し、2023年2月27日に優先審査に指定されました。
レカネマブについては、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン・インクは共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/pdf/news202327pdf.pdf
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
Copyright 2023 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
本論文は、2022年4月に発表された臨床第IIb相試験(201試験)の結果を用いた長期的健康アウトカムのシミュレーション評価を、臨床第III相Clarity AD試験データによってアップデートしたものです。
本論文では、アミロイド病理を有する早期AD当事者様において、標準治療**(SoC:standard of care)(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤もしくはメマンチンの安定投与を含む)に加え レカネマブ投与を行った群(レカネマブ群)とSoC治療のみの群(SoC群)の長期的臨床アウトカムについて比較されました。解析は、レカネマブの有効性と安全性を評価した臨床第III相Clarity AD試験のデータおよび公表文献を用い、ADの自然な進行をシミュレートした、疾患シミュレーション・モデル(AD ACEモデル1)に基づいています。
その結果、レカネマブ群では、SoC群と比較し、軽度、中等度、高度ADへの病態進行の推定生涯リスクがそれぞれ7.5%、13.7%、8.8%減少する可能性が示されました。さらに、レカネマブの投与により約5%の当事者様が介護施設への入所を回避できる可能性が示されました。また、レカネマブ群はSoC群と比較してより重度のステージへの進行を平均で2〜3年遅らせることが示されました。具体的には、SoC群と比較して、レカネマブ群では軽度への進行は2.71年(SoC群vs.レカネマブ群:2.35年vs. 5.06年)、中等度への進行は2.95年(同:5.69年vs. 8.64年)、高度への進行は2.24年(同:8.46年vs. 10.79年)遅延することが示されました。また、介護施設への入所は0.60年(同:6.25年vs. 6.85年)遅延することが示されました。QALY***(質調整生存年)については、SoC群と比較してレカネマブ群は0.71QALY増加し、レカネマブ群のQALYは4.39年でした。
さらに、ベースライン時の年齢や病態の進行度別のサブグループ解析を行った結果、より早期にレカネマブによる治療を開始すると、病態進行を遅らせる効果がより大きい可能性があることが明らかになりました。本サブグループ解析において、MCIの段階で投与を開始した場合に病態が進行する平均時間は、レカネマブ群ではSoC群と比較して、軽度への進行が2.55年、中等度への進行は3.15年長くなりました。
エーザイ株式会社の常務執行役であり、グローバルADオフィサーであるIvan Cheungは、「本シミュレーションの結果は、レカネマブによってもたらされる長期的健康アウトカムについて定量的に示したものであり、201試験によるシミュレーションの結果を支持するものです。本研究は、医療の意思決定者がレカネマブの使用による臨床的・社会経済的価値の理解のための重要な情報となると考えています。レカネマブによる治療は、ADの進行を遅らせることにより、現在の標準治療よりもベネフィットをもたらす可能性があり、より長く自立した生活とQOLの維持の可能性があります。当社は、レカネマブの臨床的・社会的価値について、世界中の人々や国々にとって有意義な議論を促進するため、今後も透明性高く、迅速なデータと情報の公表を続けてまいります」と述べています。
レカネマブは米国において迅速承認制度の下で承認され、2023年1月18日に発売されました。本迅速承認は、レカネマブがADの特徴である脳内に蓄積したAβプラークの減少効果を示した臨床第II相試験の結果に基づくものであり、検証試験により臨床的有用性を確認することが本迅速承認の要件となっています。米国食品医薬品局(FDA)は、Clarity AD試験結果を レカネマブの臨床的有用性の検証試験として評価することに合意しています。2023年1月6日にフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)をFDAに提出し、3月3日に受理されました。本申請は優先審査に指定され、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクションデート(審査終了目標日)は2023年7月6日に設定されました。本申請について、FDAは現時点で諮問委員会を予定していますが、日程については公表していません。日本において、当社は、2023年1月16日に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認申請を行い、1月26日に厚生労働省より優先審査に指定されました。本申請においては、審査期間の短縮をめざし医薬品事前評価相談制度を活用しています。欧州においても、2023年1月9日に欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請(MAA)を提出し、1月26日に受理されました。中国においては、2022年12月に国家薬品監督管理局(NMPA)に生物ライセンス申請(BLA)のデータ提出を開始し、2023年2月27日に優先審査に指定されました。
レカネマブについては、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン・インクは共同商業化・共同販促を行います。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.eisai.co.jp/news/2023/pdf/news202327pdf.pdf
概要:エーザイ株式会社
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