富士通、超低遅延、多数同時接続に対応し、30%以上のコスト削減が可能な5G仮想化基地局の高度化技術開発に成功
[23/04/25]
TOKYO, Apr 25, 2023 - (JCN Newswire) - NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)」(以下、本事業)において、富士通は、第5世代移動通信(5G)の仮想化基地局の演算リソースをソフトウェア上で柔軟に配置、制御することで、5Gの機能をさらに強化したポスト5Gに対応可能な、仮想化基地局の高度化技術を開発しました。本技術の開発によって現在普及している5Gから、将来のポスト5Gへのシームレスな通信インフラの移行が可能となります。
通信事業者の間では、5G基地局機能をソフトウェア化し仮想化基盤上で動作させる仮想化基地局へのシフトが大きな潮流となっています。本技術を仮想化基地局に適用することで、超高速、超低遅延や多数同時接続といったポスト5Gで求められる機能の処理に必要な演算リソースを動的に確保できるようになり、ポスト5Gを活用したさまざまなサービスを「必要な場所」や「必要な時」に柔軟に提供することが可能となります。これによりユーザー数やトラフィック量などネットワーク要件に応じて最適なシステムを構築できます。
今後、通信事業者の運用するパブリック5Gネットワークや、企業や自治体が運用するプライベート5Gネットワークで利用されている仮想化基地局に本技術を適用することで、5Gをさらに高度化したポスト5Gネットワークへのスムーズな移行に貢献します。
1. 背景
さまざまな産業のデジタルトランスフォーメーションを支える基盤となるネットワークインフラとして、超高速通信が可能な5Gが期待されており、将来的には、超低遅延、多数同時接続などの特長も兼ね備えたポスト5G(注1)への移行を進めることが、企業のビジネス発展や市場の活性化、エンドユーザーの利便性向上において重要な課題です。従来の5G基地局は、専用ハードウェアを用いて構築するハードウェア基地局でしたが、昨今、通信事業者の間では基地局の導入コストの抑制や消費電力の低減を目的に、基地局機能をソフトウェア化し動作させる仮想化基地局を導入する動きが広がっています。ポスト5G化に向けては、超高速通信に加えて、超低遅延、多数同時接続といった異なる特長を生かしたサービスを「必要な場所」「必要な時」に提供するため、多様なユースケースに対応できる柔軟性を基地局上で実現することが求められます。
こうした背景を踏まえ、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実施する本事業(注2)で富士通株式会社(以下、富士通)は、2020年6月から2023年3月まで、仮想化基地局を5Gからポスト5Gへシームレスに移行するための仮想化基盤技術の開発に取り組みました。
2. 開発した技術の詳細
ポスト5Gでは、超高速、超低遅延、多数同時接続といった複数の基地局機能を同一の仮想化基地局内で処理することが求められ、ハードウェアリソースを各機能に柔軟に割り当てる必要があります。従来の仮想化基地局では、各処理タスクやメモリ負荷、中央演算処理装置(CPU)使用率がオペレーティングシステム(OS)に依存していたため、複数の基地局機能をリアルタイムに処理できませんでした。また、あらかじめ必要となるハードウェアリソースを考慮してシステムを構築する従来のハードウェア基地局では、同時に処理が必要な特性の異なるサービスごとに本来必要のない余剰なリソースを確保していました。
そこで今回、5G基地局の仮想化基盤上で演算リソースをスケジューリングするパーティショニング処理技術を開発し、複数の基地局機能のリアルタイム処理を可能としました。また、基地局が処理するユーザー数やトラフィック量に応じて、動作に必要なCPUやメモリのリソースを動的に獲得するハードウェアリソース動的配置技術の開発を行い、最大データ転送量(スループット)や遅延時間(レイテンシー)などのサービス要求条件や運用中の接続端末数、サービス種別を考慮したハードウェアリソースの割り当て制御を実現しました。このようなリアルタイムで柔軟な仮想化基地局の対応により、同時接続端末数を向上させることができます(図1)。これらの仮想化基盤技術によって、将来のポスト5Gへのシームレスな通信インフラの移行が可能となります。
3. 今回の成果
今回開発した技術を富士通が提供する仮想化基地局に適用することで、従来型のハードウェア基地局と比較して、スループット性能が30%、同時接続端末数が3倍に向上するとともに、ネットワーク全体における基地局設置数の削減にもつながり、初期投資から運用までの費用(CAPEX、OPEX)も、ハードウェア基地局と比較して30%以上削減(注3)できることを確認しました。汎用サーバのCPUやメモリなどのハードウェアリソースを基地局処理へ動的に割り当て可能にしたことで、プライベート5G向けの小規模システムから、通信事業者が提供するパブリック5G向けの大規模ネットワークまでシステムを柔軟に構成できる仮想化基地局を実現しました(図2)。
4. 今後の予定
富士通は本事業で開発した技術を適用した仮想化基地局を、国内外の通信事業者が提供するパブリック5Gや自治体、企業などが運用するプライベート5G向けに、2023年度下期よりグローバルに提供を開始します。また、さらなるネットワークの高度化に向けて継続して技術開発を行い、次世代の通信基盤の早期展開に貢献します。
NEDOは、本技術開発をはじめ、今後もポスト5Gに対応した情報通信システムの中核となる技術を開発することで、日本のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化を目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/04/25.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
Copyright 2023 JCN Newswire. All rights reserved. www.jcnnewswire.com
通信事業者の間では、5G基地局機能をソフトウェア化し仮想化基盤上で動作させる仮想化基地局へのシフトが大きな潮流となっています。本技術を仮想化基地局に適用することで、超高速、超低遅延や多数同時接続といったポスト5Gで求められる機能の処理に必要な演算リソースを動的に確保できるようになり、ポスト5Gを活用したさまざまなサービスを「必要な場所」や「必要な時」に柔軟に提供することが可能となります。これによりユーザー数やトラフィック量などネットワーク要件に応じて最適なシステムを構築できます。
今後、通信事業者の運用するパブリック5Gネットワークや、企業や自治体が運用するプライベート5Gネットワークで利用されている仮想化基地局に本技術を適用することで、5Gをさらに高度化したポスト5Gネットワークへのスムーズな移行に貢献します。
1. 背景
さまざまな産業のデジタルトランスフォーメーションを支える基盤となるネットワークインフラとして、超高速通信が可能な5Gが期待されており、将来的には、超低遅延、多数同時接続などの特長も兼ね備えたポスト5G(注1)への移行を進めることが、企業のビジネス発展や市場の活性化、エンドユーザーの利便性向上において重要な課題です。従来の5G基地局は、専用ハードウェアを用いて構築するハードウェア基地局でしたが、昨今、通信事業者の間では基地局の導入コストの抑制や消費電力の低減を目的に、基地局機能をソフトウェア化し動作させる仮想化基地局を導入する動きが広がっています。ポスト5G化に向けては、超高速通信に加えて、超低遅延、多数同時接続といった異なる特長を生かしたサービスを「必要な場所」「必要な時」に提供するため、多様なユースケースに対応できる柔軟性を基地局上で実現することが求められます。
こうした背景を踏まえ、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実施する本事業(注2)で富士通株式会社(以下、富士通)は、2020年6月から2023年3月まで、仮想化基地局を5Gからポスト5Gへシームレスに移行するための仮想化基盤技術の開発に取り組みました。
2. 開発した技術の詳細
ポスト5Gでは、超高速、超低遅延、多数同時接続といった複数の基地局機能を同一の仮想化基地局内で処理することが求められ、ハードウェアリソースを各機能に柔軟に割り当てる必要があります。従来の仮想化基地局では、各処理タスクやメモリ負荷、中央演算処理装置(CPU)使用率がオペレーティングシステム(OS)に依存していたため、複数の基地局機能をリアルタイムに処理できませんでした。また、あらかじめ必要となるハードウェアリソースを考慮してシステムを構築する従来のハードウェア基地局では、同時に処理が必要な特性の異なるサービスごとに本来必要のない余剰なリソースを確保していました。
そこで今回、5G基地局の仮想化基盤上で演算リソースをスケジューリングするパーティショニング処理技術を開発し、複数の基地局機能のリアルタイム処理を可能としました。また、基地局が処理するユーザー数やトラフィック量に応じて、動作に必要なCPUやメモリのリソースを動的に獲得するハードウェアリソース動的配置技術の開発を行い、最大データ転送量(スループット)や遅延時間(レイテンシー)などのサービス要求条件や運用中の接続端末数、サービス種別を考慮したハードウェアリソースの割り当て制御を実現しました。このようなリアルタイムで柔軟な仮想化基地局の対応により、同時接続端末数を向上させることができます(図1)。これらの仮想化基盤技術によって、将来のポスト5Gへのシームレスな通信インフラの移行が可能となります。
3. 今回の成果
今回開発した技術を富士通が提供する仮想化基地局に適用することで、従来型のハードウェア基地局と比較して、スループット性能が30%、同時接続端末数が3倍に向上するとともに、ネットワーク全体における基地局設置数の削減にもつながり、初期投資から運用までの費用(CAPEX、OPEX)も、ハードウェア基地局と比較して30%以上削減(注3)できることを確認しました。汎用サーバのCPUやメモリなどのハードウェアリソースを基地局処理へ動的に割り当て可能にしたことで、プライベート5G向けの小規模システムから、通信事業者が提供するパブリック5G向けの大規模ネットワークまでシステムを柔軟に構成できる仮想化基地局を実現しました(図2)。
4. 今後の予定
富士通は本事業で開発した技術を適用した仮想化基地局を、国内外の通信事業者が提供するパブリック5Gや自治体、企業などが運用するプライベート5G向けに、2023年度下期よりグローバルに提供を開始します。また、さらなるネットワークの高度化に向けて継続して技術開発を行い、次世代の通信基盤の早期展開に貢献します。
NEDOは、本技術開発をはじめ、今後もポスト5Gに対応した情報通信システムの中核となる技術を開発することで、日本のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化を目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2023/04/25.html
概要: 富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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