アリックスパートナーズ、2024年版『ディスラプション・インデックス』を発表
[24/04/04]
東京, 2024年4月4日 - (JCN Newswire) - グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズ(本社:米国ニューヨーク、日本:東京都千代田区、代表:植地卓郎、以下、当社)は、世界の経営幹部がディスラプションをいかに捉えているかを調査した「アリックスパートナーズ・ディスラプション・インデックス2024年版」(以下、本調査)を発表いたしました。今年の調査のハイライトとして以下が挙げられます。世界のCEOの60%近くが地政学、気候変動、技術革新におけるディスラプションを最大の懸念事項として挙げ、それによって職を失うことを心配している。経営を取り巻く環境は依然厳しいものの、チャレンジをチャンスと受け止め、迅速かつ果断に行動を起こすCEOこそが勝者となりえる。日本の経営幹部は他国と比較して、ディスラプションへの対処が受け身。ディスラプションへの危機意識が相対的に低く、そのため備えも不十分である。経営幹部の3分の2が今年の米大統領選がそれぞれの事業に与える影響を懸念している。本調査はアリックスパートナーズが毎年実施しており、今回は世界主要11カ国3,100人のCEOを含む経営幹部を対象に、経営上の最大の懸念事象や「ディスラプション(ビジネス、市場、ビジネスモデルを変えてしまうような破壊的な経営環境の変化と定義)」が組織に与える影響を考察しています。ディスラプションの深刻度は2022年を境に縮小しています。2022年の調査では75%の回答者が「深刻なディスラプションを経験した」と回答したのに対し、2024年は50%まで減少しました。パンデミック、サプライチェーンの不安定化、労働者不足、インフレが3年以上続いた結果、経営幹部はディスラプションに対してより効果的に対処できるようになっていますが、経営陣がコントロールできない新たな事象や要因が2024年の結果に反映されています。新たなディスラプションの時代の到来サプライチェーン問題、労働者不足、インフレといったパンデミック時代における課題はほとんど過去のものとなりつつある一方、経営幹部の将来に対する不安は依然として残っており、自分たちの力ではコントロールできない問題に対して懸念を示しています。この新たなディスラプションの時代において、経営幹部が最も懸念している課題は以下の通りです。地政学的緊張: 66%のCEOが「2024年の米国大統領選挙が自社に与える影響を心配している」、また、68%のCEOが「米中の緊張が自社の戦略を調整する原因になっている」と回答。技術革新: 68%の経営幹部が「新技術(特に生成AI)は今後1年間における最大のディスラプションの機会である」と認識している一方、63%のCEOが「自社は技術革新のスピードについていけない」と回答。気候変動とクリーンエネルギーへの移行: 多くのビジネスリーダーは、政府や規制当局(68%)、投資家や取締役会(64%)、顧客(58%)、従業員やチームメンバー(57%)から、環境問題の取り組み姿勢を明示するようプレッシャーを受けている。マクロ経済: 41%の経営幹部が「金利やインフレ環境の不安定さが脅威である」と回答し、3分の1は依然として景気後退の可能性があるとみている。CEOは依然苦境に立たされているCEOの間では依然として不安が蔓延しており、60%近くが「ディスラプションによって職を失うことに不安を抱いている」と回答しています。9割以上のCEO(91%)が「ディスラプションの影響によりビジネスモデルの見直しが必要になる」と報告し、自身の知識やスキルセットの後れに危機感を持っており、成功するためにサポートを必要としていることが浮き彫りになりました。日本の経営幹部はディスラプションへの対処が受け身、危機感が相対的に低く、備えも不十分世界の経営幹部の半数が「深刻なディスラプションを経験した」と回答したのに対し、日本においては35%に留まりました。また、ディスラプションへの対応姿勢については、世界全体ではおよそ半数(44%)、成長企業の6割以上(62%)の経営幹部がディスラプションに能動的に対処している一方、日本の経営幹部は能動的に対応しているは28%と低く、世界や成長企業(*1)から対応が大きく後れをとっていることが浮き彫りになりました。ディスラプションに対する危機意識や備えに関しても、他国との差が見えます。他国と比較してディスラプションを深刻に経験していない、またディスラプションと捉えていない傾向のある日本では、リーダーの危機感や不安が相対的に低く、そのため備えも不十分であることが明らかになりました。その他、日本の経営幹部の傾向として、以下が浮き彫りになりました。インオーガニックな成長中長期の事業成長の手段としてM&Aやパートナーシップというインオーガニックな成長を挙げた日本の経営幹部は15%に留まり、米国、中国、ドイツと比較して10ポイント以上の開きがある。グローバル全体で半数以上の経営幹部が「直近12カ月で自社がM&Aを見込む」と回答したのに対し、日本の経営幹部の回答は3割強に留まる。また、事業ユニットや他の資産を切り分けする見込みも3割。サプライチェーン日本の経営幹部の半数(49%)がサプライチェーンの課題は「直近の12カ月は緩和する」と回答し、世界全体の傾向と比べると若干楽観的。地政学的緊張グローバル全体の過半数の経営幹部が米国大統領選挙や米中の緊張が事業に影響を与えると懸念する一方、日本の経営幹部は約3分の1(それぞれ30% 、37%)に留まる。デジタルトランスフォーメーション日本の経営幹部の6割が営業、顧客体験、オペレーション、サプライチェーンの分野でデータ活用できていると回答する一方、「デジタルテクノロジーが会社に実装されている」と答えた経営幹部は6割(63%)に留まり、ドイツや中国と25ポイント以上の差がある。アリックスパートナーズCEOのサイモン・フリークリー(Simon Freakly)は次のように述べています。「世界の経営者は昨年まで続いたディスラプションをうまく切り抜けましたが、より長期に継続するであろうディスラプションの新時代に突入する中、企業経営においてはこれまで以上に敏捷に行動することが求められます。本調査では、ディスラプションに対処する能力に自信を持つリーダーが増えていることがわかりましたが、自己満足に浸ることは危険です。新時代において成功するリーダーは、スピーディーな対応に加え、自ら直接コントロールできる要素を掌握できる人たちです。特にAIがもたらす乗数効果を引き出すことで、外部で起きている課題を新しい機会として活用できるかは鍵となるでしょう。」アリックスパートナーズの日本代表の植地卓郎は次のように述べています。「今回の調査では日本のビジネスリーダーはディスラプションの対処が受け身で、相対的に危機感が低く、備えも不十分であることが明らかになりました。背景には、パンデミックが明けたことやサプライチェーンの制約緩和などを楽観的に捉える傾向があると考えられますが、世界の経営陣との認識の違いとギャップが浮き彫りになっています。日本企業も危機意識を高め、グローバルの視点からリスク要因を注視しながらも、積極的に行動することが求められます。」本レポート全文(英語)は、こちらをご参照ください。ディスラプション・インデックス調査概要対象者:売上高1億ドル超の企業の経営幹部3,100人(25歳から65歳、ディレクター以上の役職)対象国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、中国、日本、サウジアラビア、UAEの11カ国調査期間:2023年8月〜 2023年9月業界:航空宇宙・防衛、自動車、消費財、エネルギー・電力、金融サービス、ヘルスケア・ライフサイエンス、メディア・エンターテイメント、小売、テクノロジー、通信・ケーブルの10業界*1: 成長企業とは、調査を実施した2023年に業界全体の成長のペースを握った企業と定義しています。アリックスパートナーズについて1981年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界20都市以上に事務所を展開。日本オフィスの設立は2005年。日本語ウェブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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