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富士通の超音波解析AI技術を搭載した世界初の冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置をソノファイが販売開始

東京, 2025年4月9日 - (JCN Newswire) -  デジタル技術で匠の技を継承した装置開発を行う静岡発のスタートアップであるソノファイ株式会社(以下、ソノファイ)(注1)は、富士通株式会社(以下、富士通)(注2)、および食品加工装置を製造販売する株式会社イシダテック(以下、イシダテック)(注3)、ならびに東海大学[静岡キャンパス](注4)で共同開発した冷凍ビンチョウマグロの脂のりを判定するAIを搭載した自動検査装置「ソノファイT-01」(以下、本装置)を、水産加工業や漁協など向けに2025年6月に国内で販売開始し、順次グローバルにも展開していきます。本装置は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発した超音波解析AI技術を活用することで、世界で初めて非破壊でAIによる冷凍ビンチョウマグロの脂のり判定を実現し、目視検査に頼ることなく自動で、より高精度な脂のり判定を行います。また従来の脂のり判定から最大80%の省力化や作業効率化が可能になることにより、冷凍ビンチョウマグロの全数検査を実現し、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値商品の流通量の増加に貢献します。背景近年の日本食ブームを背景に、マグロ類の世界における漁獲高は20年で25%ほど増加(注5)しており、国際的にマグロの品質要求も年々向上しています。また、これまで生食が主流ではなかったビンチョウマグロも、年間を通して安価で安定して入手できることから、近年では脂がのった個体を中心に外食産業での需要が高まっています。従来、ビンチョウマグロの脂のりを確認する作業は、職人の目視に頼っていました。これは、冷凍されたマグロの尾の部分を切り出し、解凍して脂のりを確認する「尾切り選別」という工程で、多くの人手と時間がかかります。しかし、作業者によって判定にばらつきが生じていたり、熟練した職人が不足していたりすることから、水産商社や加工業者が、安価なビンチョウマグロを全数、正確に尾切り選別することは極めて困難でした。そのため、ビントロと呼ばれる脂ののった高付加価値のビンチョウマグロを、適正な価格で市場に流通させることが難しい状況でした。上記の課題を解決するため、マグロのおいしさ研究に知見を持つ東海大学と超音波解析AI技術を開発した富士通が2022年4月より共同研究を行い、2023年12月にビンチョウマグロを対象に検証を行ったところ、尾切り選別以上の正解率で脂のり判定に成功しました(注6)。また、本研究成果の商用化を目指して、イシダテックが自動検査装置のハードウェアの開発を行い(注7)、ソノファイが富士通から実施許諾および技術供与を受けた超音波解析AI技術を本装置に実装しました。冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置「ソノファイT-01」の特長「ソノファイT-01」の特長は以下の通りです。本装置の導入により、選別作業の自動化や高速化が可能となり、これまで人的リソース確保の観点で断念していた全数検査が実現できるようになることで、高価格帯製品が低価格帯製品として販売される機会損失を低減し、高品質、高付加価値のビンチョウマグロをより多く供給できるようになります。1. 富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として開発した超音波解析AI技術により高精度で非破壊での脂のり判定低周波超音波を用いることで、従来不可能と考えられていた冷凍ビンチョウマグロの非破壊検査を実現するとともに、富士通が開発した高性能な超音波解析AI技術により、従来の尾切り選別以上の性能を達成しました。バンドソーなどを用いた尾切りをせずに検査が可能となり、従来必要だった尾部分の切断から解凍、選別に渡る全検査工程の作業を効率的で安全に実施することができます。2. 脂のりを短時間で自動検査従来の手作業に比べて検査時間が最大80%削減され、1本あたり最短12秒程度に短縮できます。従来の複数の人手をかけた作業に比べて、本装置の操作に必要な人員は1名程度です。大量の冷凍ビンチョウマグロをスピーディにスクリーニング可能とすることで、職人の目視検査の負担を軽減して選別業務を飛躍的に効率化し、検査コストの削減と人手不足の解消に貢献します。実証実験について本装置の開発にあたり、ソノファイ、イシダテック、富士通は、東洋冷蔵株式会社様と共同で実証実験を行いました。2024年1月から3月にかけて東洋冷蔵株式会社様と富士通で初回の実証実験を行い、判定精度や処理速度など、超音波解析AI技術の基礎的な性能を検証しました。さらに、2025年2月には東洋冷蔵株式会社様とソノファイで商用利用を想定した実証実験を実施し、実際の加工現場での省力化効果、作業効率などの有効性を確認しました。 これらの実証実験を通じて、本装置が従来の尾切り選別と比較して、高精度な脂のり判定や省力化において有用であることが分かりました。今後についてソノファイ、イシダテック、富士通は、2025年6月10日(火曜日)から6月13日(金曜日)に、東京ビッグサイトで開催される展示会「FOOMA JAPAN 2025」に、超音波解析AI技術を搭載した冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置「ソノファイT-01」を出展予定です。なお、現在、本装置で対応できるのはビンチョウマグロの脂のりの検査のみであるものの、鮮度や硬さ、粘り気といった身質などの判定機能を、追加機能として順次本装置に搭載するとともに、対応魚種も拡大していく予定です。また今後、装置内で魚の体長や体重を全数計測できるようにすることで、水産資源管理への貢献を目指します。さらに、イシダテックが展開を構想中の、水揚げ直後の冷凍カツオを魚種・重量選別するとともに品質を評価するシステムの中で本装置を活用することで、大規模の水揚げ漁港における瞬時の品質選別を可能にし、大幅な省力化や付加価値向上への貢献を目指します。静岡県 鈴木 康友知事のコメント静岡県は水産業が重要な産業の一つであり、その持続可能性の確保は喫緊の課題です。本装置は、これまで見過ごされてきた良質なマグロを発掘し、価値ある水産商品を生み出すことで水産業界の活性化につながることに加え、選別工程の自動化は作業人員確保における負荷低減など、持続可能な水産事業を実現させる大きな可能性を秘めていると考えます。今後とも、静岡県から世界へ、新たな価値を創造できるよう、事業者の皆様と連携して取り組んでいきます。東洋冷蔵株式会社 鮪鰹担当 加藤 得裕執行役員のコメント遠洋延縄船で世界各地の漁場から約1年かけて集められたマグロは、静岡県・清水港で水揚げ、選別され、全国に送られていきます。1日に1,000本以上のマグロを職人が目利きし、大量の魚を数秒単位で仕分けし、冷凍状態を保ったままマイナス50℃以下の超低温倉庫に運ばれます。そこからさらに、出荷前には専門の目利き人による尾切り選別が行われ、品質に応じて各顧客に出荷されていきます。このたび開発された技術は、尾切り選別の工程で内部の脂のりを精度高く把握できる画期的なもので、課題解決に寄与する潜在的な可能性を期待しております。今後も地域、産学連携、スタートアップ企業による未来に向けた取り組みに関与し、イノベーションを通じた、水産業の課題解決に挑戦してまいります。URL https://pr.fujitsu.com/jp/news/2025/04/9.html 


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