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リビア: 医療提供を最優先に 東部の病院で需要調査を実施 【プレスリリース】

2011年2月28日

国境なき医師団(MSF)日本

リビア: 医療提供を最優先に
東部の病院でニーズ調査を実施

国境なき医師団(MSF) は、2011年2月17日前後にリビアで発生した大規模デモで多くの人びとが負傷して以来、医療物資や援助チームを同国に送るべく努力を続けている。2月25日には、MSFのチームがエジプトから陸路でリビア東部のベンガジに到着し、3病院の医療ニーズの調査と医療物資の供給を開始した。28日には、外科医を含む医療チームが現地入りを予定している。

これまでに医療物資を携えたMSFのチームが陸路や空路でリビア入りを試みているが、入国を拒否される事態が発生している。MSFは医療援助活動を尊重し、負傷者への医療提供を優先するよう強く求めている。
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MSFのオペレーション・ディレクター、アルヤン・ヘヘンカンプは語る。
「MSFはリビアの医療従事者たちと共に、騒乱時に負傷した患者への医療ケアを行っています。リビアの人びとのために、医療従事者や医療物資は最優先されるべきであり、これらを患者から遠ざけるような行為は、許容されることではありません」

25日にリビア東部に入ったMSFのチームは、医師3人、活動コーディネーター2人、ロジスティシャン2人とアドミニストレーター1人の8人で構成され、27日までにベンガジの医療施設5ヵ所の視察を終えている。ベンガジのアル・ジャラア病院、アル・ハワリ病院とベンガジメディカルセンターの3ヵ所では、医療ニーズの調査を実施した。MSFの調査の結果、これらの医療施設では、大きな混乱なく負傷者の治療にあたっているが、包帯などの消耗品や縫合手術に必要な物資、麻酔薬、骨折時の創外固定器などが不足していることが分かった。MSFはベンガジメディカルセンターで医療物資の提供を開始すると同時に、新たな騒乱で負傷者が増える事態を想定し、現地の医療スタッフへ緊急時における対応策も指導する予定である。

また、400床規模のアル・ジャラア病院では、二次手術のニーズがあることが判明した。28日には整形外科医、麻酔科医と手術室看護師の3人が同病院に向かい、先に到着しているチームと合流する予定である。現在、MSFからは10人以上のスタッフが、リビアへの入国を試みている。

現地の医療施設へ無償提供するため、27日までに8トンの医療物資を携えたMSFのトラック2台がベンガジへ到着しており、28日には、12トンの医療物資を搭載した航空機がエジプトからリビアへ着陸する予定である。しかし、外科手術の医療物資などを運ぶため、チュニジアから陸路でリビアへの入国を試みたMSFのチームは、チュニジア国境で入国を拒否され、2日以上の待機を強いられている。また、別のMSFのチームは航空機で首都トリポリに到着したが入国を拒否され、引き返えさざるを得なかった。
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