「社会貢献活動に関する調査」実施
[11/04/25]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2011年4月25日
(株)NTTアド
今、20代は社会貢献活動に真剣!
事業化しながら、社会の役に立ちたい!
ソーシャルメディア活用による新しいビジネスモデル誕生にも期待感
〜NTTアド「社会貢献活動に関する調査」実施〜
(株)NTTアド(東京都品川区、代表取締役社長:軸屋真司)は「社会貢献活動に関する調査」を実施いたしました。
これは、首都圏在住20〜59歳男女個人の有職者4,800名を対象に、2011年1月18日〜21日、インターネット方式で調査を実施したものです。
その結果、社会貢献活動を通じてお金を得ている人は全体の3.1%にとどまるものの、年代別で比較すると、20代が4.7%と、他世代よりも高いことがわかりました。
2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の被害を目の当たりにし、自分にできることは何かと自問し、節電、寄付をはじめ、被災地支援につながる具体的な行動を起こす人が多数見受けられました。近年、こうした災害発生時に留まらず、日々の社会貢献活動への関心は高まっているようです。特に若者を中心に、社会貢献ビジネスとして起業を目指す動きが目立つようになってきました。
「なぜ若者は社会貢献でお金を稼ぐのか?」 対価を得るということは、その分、責任を請け負うことを意味していると考えられることから、社会貢献活動を事業として自ら運営している、または他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている20代若者を「社会貢献活動高関与層20代」(以下、「高関与層20代」)と名づけ、それ以外の層(以下、「その他」)や全体平均と比較してみました。
具体的には、以下のような調査結果概要となりました。
(1)社会貢献活動への意向
・高関与層20代では「社会貢献活動を、事業として自ら運営したい」が最も多く35.6%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらいたい」34.2%が続き、社会貢献を通じてお金を稼ぎたいと考えている人が約7割。
・そのお金の使い道として「社会貢献活動の資金」52.9%が最も多く、全体と比較しても、かなり高い。
(2)人生の生きがい
・「社会貢献」(ポイント差33.6ポイント*)を筆頭に、全てのジャンルにおいて、高関与層20代のスコアが突出している。
(注) *は「高関与層20代」と「その他」とのポイント差、以下同様
(3)生活意識・行動
・高関与層20代のスコアが突出しているのは
「仕事で得たお金は、出来る限り社会に役立つことに還元したい」(20.2ポイント*)
「社会問題の解決に直結するような仕事をしたい」(16.3ポイント*)
「自分の労働時間や収入が減っても、ほかの人に雇用機会をシェアしたい」(14.4ポイント*)
(4)ネットリテラシー
・高関与層20代は 「mixi」(パソコン、ネットブック、タブレット端末、携帯電話、スマートフォンの5端末からの述べ利用率165.6%)をはじめ、積極的にソーシャルメディアを利用している。
・5端末の延べ所有率は361.6%で全体を大きく上回る。
今回の調査では、20代が、個人の目標だけでなく、社会的な目標に対する達成意欲も強く、積極的に生きがいを見出そうとしていることがわかりました。
その背景として「バブル経済崩壊」(1991年)や「リーマン・ショック」(2008年)による世界的な経済不況など、不安定な時代に多感な年頃を過ごしてきた経験から「物質的な充足感よりも精神的な充足感」、「個人志向よりも社会志向」を重視するようになったのかもしれません。
さらに「阪神・淡路大震災」(1995年)では、救済・復興のためのボランティア活動を行う多くの市民や学生の姿が報道され、社会問題への意識が高くなったことも要因のひとつと思われます。
従来、社会貢献活動というと「無償」のイメージが強かったようですが、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」いわゆる「NPO法」により、社会貢献活動を行う民間の非営利団体でも、収益を目的とする事業を行うことが認められ、現在、NPO法人の認証を受けた法人は4万を超えたといわれています。
こうした社会貢献活動を事業化する機運の高まりもあり、20代の若者は、社会問題解決のための「社会貢献活動」と、生計を立てるための「仕事」を一本化することで、だれもが安定して暮らせる社会に変えられると考えているのかもしれません。
「東日本大震災」でも、twitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)を使ったリアルタイムのコミュニケーションが、被災地支援に絶大な効果を発揮したことは記憶に新しいところですが、ネットリテラシーを武器に、新しい発想で社会を変革してくれる若い世代の社会起業家の活躍に、今後も期待が高まるものと思われます。
なお、本調査結果は、弊社オリジナル発行物『空気読本VOL.6−世のため、人のためは、お金のため!?〜若者はなぜ、「社会貢献×ビジネス」なのか』(2011年3月発行)でも紹介しております。ご希望の方は、問合せ先までご連絡をお願いします(弊社公式サイトでも閲覧可能)
【調査結果詳細】
1.社会貢献活動への関与度
社会貢献活動との関わりについて聞いたところ「社会貢献活動をしたことがない」が43.3%、「過去に関わっていたが、現在は関わっていない」31.5%が多数を占めました。その一方で「事業として自ら運営している」が1.7%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている」が1.4%となり、社会貢献を通じてお金を得ている層が、全体の3.1%いることがわかりました。
この層を年代別でみると、30代〜50代はいずれの年代とも2%台にとどまっているのに対して、20代は4.7%と、他の年代よりも高くなっています。
2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の被害を目の当たりにし、自分にできることは何かと自問し、節電、寄付をはじめ、被災地支援につながる具体的な行動を起こす人が多数見受けられました。近年、こうした災害発生時に留まらず、日々の社会貢献活動への関心は高まっているようです。特に若者を中心に、社会貢献ビジネスとして起業化を目指す動きが目立つようになってきました。
なぜ若者は社会貢献でお金を稼ぐのか?対価を得るということは、その分、責任を請け負うことを意味していると考えられることから、社会貢献活動を事業として自ら運営している、または他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている20代若者を「社会貢献活動高関与層20代」(以下「高関与層20代」)と名づけ、それ以外の層(以下「その他」)や全体平均と比較しながら、その実態を探ってみることにしました。
2.社会貢献活動への具体的な意向
今後、どのような立場で社会貢献活動に関わりたいかを聞いたところ、高関与層20代を除くその他の層では「他の人が運営している社会貢献活動に、時々参加する程度がよい」が61.6%を占めました。
一方、高関与層20代では「社会貢献活動を、事業として自ら運営したい」が最も多く35.6%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらいたい」34.2%が続き、社会貢献を通じてお金を稼ぎたいと考えている人が約7割に達することがわかりました。またそのお金の使い道として「社会貢献活動の資金」52.9%が最も多く、全体と比較しても、かなり目立っています。
事業運営や組織に所属して得たお金を、さらに社会に還元しながら、社会貢献活動に継続的に関与していきたいという継続的意向が強いのも、高関与層20代の特徴と言えるのかもしれません。
3.人生の生きがい
5つの生活ジャンルについて、重要な生きがいになっているものを聞いたところ、高関与層20代では「仕事」54.8%をはじめ、全ジャンルにおいて、全体を大きく上回りました。
高関与層20代を除くその他の層とのポイント差をみると「社会貢献」33.6ポイント差を筆頭に、全てのジャンルにおいて、高関与層20代のスコアが突出しています。
高関与層20代は、仕事や趣味といった個人の目標だけでなく、社会貢献といった社会的な目標に対する達成意欲が強いようです。また、人生のあらゆる方面に対して、積極的に生きがいを追求する様子もうかがえます。
4.生活意識・行動
高関与層20代の生活意識・行動として「世の中の人は、社会問題にもっと関心をもったほうがよいと思う」41.1%、「経済的な豊かさよりも、心の豊かのほうが大事だと思う」38.4%、「お金やモノがなくても、工夫次第で幸せに暮らせると思う」34.2%が上位を占め、全体を大きく上回りました。
一方、高関与層20代を除くその他の層では「助け合いの精神があれば、もっと暮らしやすくなると思う」47.6%、「共通の意見や趣味を持つ仲間を増やしたい」47.1%、「世の中の人は、社会問題にもっと関心をもったほうがよいと思う」45.9%が上位を占めました。
さらに、高関与層20代の特性を深堀りするため、高関与層20代とその他とのポイント差が大きいものをみると「仕事で得たお金は、出来る限り社会に役立つことに還元したい」(ポイント差20.2ポイント)、「社会問題の解決に直結するような仕事をしたい」(16.3ポイント)、「自分の労働時間や収入が減っても、ほかの人に雇用機会をシェアしたい」(14.4ポイント)で、その他の層のスコアを大幅に上回っていることがわかりました。
高関与層20代は、社会問題解決に直結する仕事やお金の使い方、ワークシェアリングに対して積極的であるというのが特徴と言えるでしょう。
5.ネットリテラシー
最後に、社会とのつながりを可視化するコミュニケーションツールとして話題となっている「ソーシャルメディア」の利用状況について聞いてみました。
高関与層20代は 「mixi」(パソコン、ネットブック、タブレット端末、携帯電話、スマートフォンの5端末からの述べ利用率165.6%)をはじめ、全てのメディアにおいて利用率が突出しています。また5端末の所有率は、述べ361.6%となり、全体を大きく上回りました。特にネットブック、タブレット端末、スマートフォンといった、新しい多機能型ポータブル端末の所有率がそれぞれ約6割に達しています。
高関与層20代は、複数の情報端末を組み合わせながら、様々なソーシャルメディアにアクセスし、社会とのコミュニケーションを積極的に行っている様子がうかがえます。
6.まとめ
今回の調査では、20代が、個人の目標だけでなく、社会的な目標に対する達成意欲も強く、積極的に生きがいを見出そうとしていることがわかりました。
その背景として「バブル経済崩壊」(1991年)や「リーマン・ショック」(2008年)による世界的な経済不況など、不安定な時代に多感な年頃を過ごしてきた経験から「物質的な充足感よりも精神的な充足感」、「個人志向よりも社会志向」を重視するようになったのかもしれません。
さらに「阪神・淡路大震災」(1995年)では、救済・復興のためのボランティア活動を行う多くの市民や学生の姿が報道され、社会問題への意識が高くなったことも要因のひとつと思われます。
従来、社会貢献活動というと「無償」のイメージが強かったようですが、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」いわゆる「NPO法」により、社会貢献活動を行う民間の非営利団体でも、収益を目的とする事業を行うことが認められ、現在、NPO法人の認証を受けた法人は4万を超えたといわれています。
こうした社会貢献活動を事業化する機運の高まりもあり、20代の若者は、社会問題解決のための「社会貢献活動」と、生計を立てるための「仕事」を一本化することで、だれもが安定して暮らせる社会に変えられると考えているのかもしれません。
「東日本大震災」でも、twitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)を使ったリアルタイムのコミュニケーションが、被災地支援に絶大な効果を発揮したことは記憶に新しいところですが、ネットリテラシーを武器に、新しい発想で社会を変革してくれる若い世代の社会起業家の活躍に、今後も期待が高まるものと思われます。
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『空気読本』VOL.6
世のため、人のためは、お金のため!?
〜若者はなぜ、「社会貢献×ビジネス」なのか
発行のお知らせ
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本調査結果に、様々な社会貢献活動を行っている20代の取材を加え、弊社ならではの視点で考察した内容を、『空気読本』VOL.6として1冊にまとめました。
ご希望の方は問合せ先までご連絡をお願いします。なお、弊社公式サイトでも閲覧可能です。
以 上
(株)NTTアド
今、20代は社会貢献活動に真剣!
事業化しながら、社会の役に立ちたい!
ソーシャルメディア活用による新しいビジネスモデル誕生にも期待感
〜NTTアド「社会貢献活動に関する調査」実施〜
(株)NTTアド(東京都品川区、代表取締役社長:軸屋真司)は「社会貢献活動に関する調査」を実施いたしました。
これは、首都圏在住20〜59歳男女個人の有職者4,800名を対象に、2011年1月18日〜21日、インターネット方式で調査を実施したものです。
その結果、社会貢献活動を通じてお金を得ている人は全体の3.1%にとどまるものの、年代別で比較すると、20代が4.7%と、他世代よりも高いことがわかりました。
2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の被害を目の当たりにし、自分にできることは何かと自問し、節電、寄付をはじめ、被災地支援につながる具体的な行動を起こす人が多数見受けられました。近年、こうした災害発生時に留まらず、日々の社会貢献活動への関心は高まっているようです。特に若者を中心に、社会貢献ビジネスとして起業を目指す動きが目立つようになってきました。
「なぜ若者は社会貢献でお金を稼ぐのか?」 対価を得るということは、その分、責任を請け負うことを意味していると考えられることから、社会貢献活動を事業として自ら運営している、または他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている20代若者を「社会貢献活動高関与層20代」(以下、「高関与層20代」)と名づけ、それ以外の層(以下、「その他」)や全体平均と比較してみました。
具体的には、以下のような調査結果概要となりました。
(1)社会貢献活動への意向
・高関与層20代では「社会貢献活動を、事業として自ら運営したい」が最も多く35.6%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらいたい」34.2%が続き、社会貢献を通じてお金を稼ぎたいと考えている人が約7割。
・そのお金の使い道として「社会貢献活動の資金」52.9%が最も多く、全体と比較しても、かなり高い。
(2)人生の生きがい
・「社会貢献」(ポイント差33.6ポイント*)を筆頭に、全てのジャンルにおいて、高関与層20代のスコアが突出している。
(注) *は「高関与層20代」と「その他」とのポイント差、以下同様
(3)生活意識・行動
・高関与層20代のスコアが突出しているのは
「仕事で得たお金は、出来る限り社会に役立つことに還元したい」(20.2ポイント*)
「社会問題の解決に直結するような仕事をしたい」(16.3ポイント*)
「自分の労働時間や収入が減っても、ほかの人に雇用機会をシェアしたい」(14.4ポイント*)
(4)ネットリテラシー
・高関与層20代は 「mixi」(パソコン、ネットブック、タブレット端末、携帯電話、スマートフォンの5端末からの述べ利用率165.6%)をはじめ、積極的にソーシャルメディアを利用している。
・5端末の延べ所有率は361.6%で全体を大きく上回る。
今回の調査では、20代が、個人の目標だけでなく、社会的な目標に対する達成意欲も強く、積極的に生きがいを見出そうとしていることがわかりました。
その背景として「バブル経済崩壊」(1991年)や「リーマン・ショック」(2008年)による世界的な経済不況など、不安定な時代に多感な年頃を過ごしてきた経験から「物質的な充足感よりも精神的な充足感」、「個人志向よりも社会志向」を重視するようになったのかもしれません。
さらに「阪神・淡路大震災」(1995年)では、救済・復興のためのボランティア活動を行う多くの市民や学生の姿が報道され、社会問題への意識が高くなったことも要因のひとつと思われます。
従来、社会貢献活動というと「無償」のイメージが強かったようですが、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」いわゆる「NPO法」により、社会貢献活動を行う民間の非営利団体でも、収益を目的とする事業を行うことが認められ、現在、NPO法人の認証を受けた法人は4万を超えたといわれています。
こうした社会貢献活動を事業化する機運の高まりもあり、20代の若者は、社会問題解決のための「社会貢献活動」と、生計を立てるための「仕事」を一本化することで、だれもが安定して暮らせる社会に変えられると考えているのかもしれません。
「東日本大震災」でも、twitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)を使ったリアルタイムのコミュニケーションが、被災地支援に絶大な効果を発揮したことは記憶に新しいところですが、ネットリテラシーを武器に、新しい発想で社会を変革してくれる若い世代の社会起業家の活躍に、今後も期待が高まるものと思われます。
なお、本調査結果は、弊社オリジナル発行物『空気読本VOL.6−世のため、人のためは、お金のため!?〜若者はなぜ、「社会貢献×ビジネス」なのか』(2011年3月発行)でも紹介しております。ご希望の方は、問合せ先までご連絡をお願いします(弊社公式サイトでも閲覧可能)
【調査結果詳細】
1.社会貢献活動への関与度
社会貢献活動との関わりについて聞いたところ「社会貢献活動をしたことがない」が43.3%、「過去に関わっていたが、現在は関わっていない」31.5%が多数を占めました。その一方で「事業として自ら運営している」が1.7%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている」が1.4%となり、社会貢献を通じてお金を得ている層が、全体の3.1%いることがわかりました。
この層を年代別でみると、30代〜50代はいずれの年代とも2%台にとどまっているのに対して、20代は4.7%と、他の年代よりも高くなっています。
2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の被害を目の当たりにし、自分にできることは何かと自問し、節電、寄付をはじめ、被災地支援につながる具体的な行動を起こす人が多数見受けられました。近年、こうした災害発生時に留まらず、日々の社会貢献活動への関心は高まっているようです。特に若者を中心に、社会貢献ビジネスとして起業化を目指す動きが目立つようになってきました。
なぜ若者は社会貢献でお金を稼ぐのか?対価を得るということは、その分、責任を請け負うことを意味していると考えられることから、社会貢献活動を事業として自ら運営している、または他の人が運営している組織に所属して、給料をもらっている20代若者を「社会貢献活動高関与層20代」(以下「高関与層20代」)と名づけ、それ以外の層(以下「その他」)や全体平均と比較しながら、その実態を探ってみることにしました。
2.社会貢献活動への具体的な意向
今後、どのような立場で社会貢献活動に関わりたいかを聞いたところ、高関与層20代を除くその他の層では「他の人が運営している社会貢献活動に、時々参加する程度がよい」が61.6%を占めました。
一方、高関与層20代では「社会貢献活動を、事業として自ら運営したい」が最も多く35.6%、「他の人が運営している組織に所属して、給料をもらいたい」34.2%が続き、社会貢献を通じてお金を稼ぎたいと考えている人が約7割に達することがわかりました。またそのお金の使い道として「社会貢献活動の資金」52.9%が最も多く、全体と比較しても、かなり目立っています。
事業運営や組織に所属して得たお金を、さらに社会に還元しながら、社会貢献活動に継続的に関与していきたいという継続的意向が強いのも、高関与層20代の特徴と言えるのかもしれません。
3.人生の生きがい
5つの生活ジャンルについて、重要な生きがいになっているものを聞いたところ、高関与層20代では「仕事」54.8%をはじめ、全ジャンルにおいて、全体を大きく上回りました。
高関与層20代を除くその他の層とのポイント差をみると「社会貢献」33.6ポイント差を筆頭に、全てのジャンルにおいて、高関与層20代のスコアが突出しています。
高関与層20代は、仕事や趣味といった個人の目標だけでなく、社会貢献といった社会的な目標に対する達成意欲が強いようです。また、人生のあらゆる方面に対して、積極的に生きがいを追求する様子もうかがえます。
4.生活意識・行動
高関与層20代の生活意識・行動として「世の中の人は、社会問題にもっと関心をもったほうがよいと思う」41.1%、「経済的な豊かさよりも、心の豊かのほうが大事だと思う」38.4%、「お金やモノがなくても、工夫次第で幸せに暮らせると思う」34.2%が上位を占め、全体を大きく上回りました。
一方、高関与層20代を除くその他の層では「助け合いの精神があれば、もっと暮らしやすくなると思う」47.6%、「共通の意見や趣味を持つ仲間を増やしたい」47.1%、「世の中の人は、社会問題にもっと関心をもったほうがよいと思う」45.9%が上位を占めました。
さらに、高関与層20代の特性を深堀りするため、高関与層20代とその他とのポイント差が大きいものをみると「仕事で得たお金は、出来る限り社会に役立つことに還元したい」(ポイント差20.2ポイント)、「社会問題の解決に直結するような仕事をしたい」(16.3ポイント)、「自分の労働時間や収入が減っても、ほかの人に雇用機会をシェアしたい」(14.4ポイント)で、その他の層のスコアを大幅に上回っていることがわかりました。
高関与層20代は、社会問題解決に直結する仕事やお金の使い方、ワークシェアリングに対して積極的であるというのが特徴と言えるでしょう。
5.ネットリテラシー
最後に、社会とのつながりを可視化するコミュニケーションツールとして話題となっている「ソーシャルメディア」の利用状況について聞いてみました。
高関与層20代は 「mixi」(パソコン、ネットブック、タブレット端末、携帯電話、スマートフォンの5端末からの述べ利用率165.6%)をはじめ、全てのメディアにおいて利用率が突出しています。また5端末の所有率は、述べ361.6%となり、全体を大きく上回りました。特にネットブック、タブレット端末、スマートフォンといった、新しい多機能型ポータブル端末の所有率がそれぞれ約6割に達しています。
高関与層20代は、複数の情報端末を組み合わせながら、様々なソーシャルメディアにアクセスし、社会とのコミュニケーションを積極的に行っている様子がうかがえます。
6.まとめ
今回の調査では、20代が、個人の目標だけでなく、社会的な目標に対する達成意欲も強く、積極的に生きがいを見出そうとしていることがわかりました。
その背景として「バブル経済崩壊」(1991年)や「リーマン・ショック」(2008年)による世界的な経済不況など、不安定な時代に多感な年頃を過ごしてきた経験から「物質的な充足感よりも精神的な充足感」、「個人志向よりも社会志向」を重視するようになったのかもしれません。
さらに「阪神・淡路大震災」(1995年)では、救済・復興のためのボランティア活動を行う多くの市民や学生の姿が報道され、社会問題への意識が高くなったことも要因のひとつと思われます。
従来、社会貢献活動というと「無償」のイメージが強かったようですが、1998年に施行された「特定非営利活動促進法」いわゆる「NPO法」により、社会貢献活動を行う民間の非営利団体でも、収益を目的とする事業を行うことが認められ、現在、NPO法人の認証を受けた法人は4万を超えたといわれています。
こうした社会貢献活動を事業化する機運の高まりもあり、20代の若者は、社会問題解決のための「社会貢献活動」と、生計を立てるための「仕事」を一本化することで、だれもが安定して暮らせる社会に変えられると考えているのかもしれません。
「東日本大震災」でも、twitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)を使ったリアルタイムのコミュニケーションが、被災地支援に絶大な効果を発揮したことは記憶に新しいところですが、ネットリテラシーを武器に、新しい発想で社会を変革してくれる若い世代の社会起業家の活躍に、今後も期待が高まるものと思われます。
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『空気読本』VOL.6
世のため、人のためは、お金のため!?
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以 上