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ウノプロストンに関するライセンス契約締結のお知らせ(アールテック・ウエノ)

平成23年3月22日

株式会社アールテック・ウエノ
(JASDAQ・コード4573)

ウノプロストンに関するライセンス契約締結のお知らせ(アールテック・ウエノ)

 本日、当社は米国のSucampo Pharmaceuticals, Inc.(ナスダックコードSCMP、以下スキャンポ社)の子会社であるSucampo Manufacturing and Research AG(以下SMR社)との間でウノプロストンの日本、中国、台湾、韓国及び北米以外の地域(以下SMRテリトリー)における開発、製造及び商業化権のライセンス契約を締結いたしましたので下記のとおりお知らせします。

                    記

(1)契約締結の背景
 当社はNovartis Pharma AGとのライセンス契約解消後(平成22年7月2日付プレスリリース参照)、ウノプロストンの事業収益の最大化を図るために新たなライセンス先を探索した結果、今回の契約締結に至りました。

(2)契約の概要
 本契約により、当社はSMR社に対し、SMRテリトリーにおけるウノプロストンの緑内障および高眼圧症を含むあらゆる適応症について、独占的に開発、製造、商業化及び販売する権利を許諾します。なお、開発及び商業化については当社とSMR社の共同で行います。
当社は契約締結時に3百万米ドルを契約一時金としてSMR社より受領します。また、その後も開発ステージの進捗や販売数量に応じてマイルストーンの支払を受けます。

(3)契約相手先の内容
 SMR社はスキャンポ社の100%子会社であります。

(4)業績への影響
 本契約により、平成22年8月12日公表の通期業績予想に変更を要する影響はありません。


 当社代表取締役社長の真島行彦(医師・医学博士)は、「当社は、萎縮型加齢黄斑変性治療薬としてウノプロストンの上市を目指しているスキャンポ社に対し、すでに2009年4月に北米地域における独占的商業化権等を与えております。プロストンを知り尽くしたスキャンポ社との今回の契約締結により、ウノプロストンの製品価値向上の可能性がさらに高まったことを大変嬉しく思います。アンメット・メディカルニーズ領域での新薬開発に注力している当社にとって、ウノプロストンがより多くの患者様のQuality of Life 向上に貢献することを確信しています。」と述べております。

 また、スキャンポ社の最高経営責任者(CEO)兼会長の上野隆司(医師・医学博士・薬学博士)は次のように述べています。「我々は、ウノプロストンは他の国際市場においても大きな可能性を有すると考えており、この契約の締結を大変嬉しく思います。ウノプロストンは、米国、日本およびいくつかのヨーロッパ諸国において緑内障および高眼圧症の治療薬として既に承認されています。我々は、米国において科学的に正確かつ最新の適応追加申請のラベルの獲得に尽力し続けると共に、スイスおよびEU諸国において緑内障および高眼圧症に対する適応の承認の再開を進めております。また同時に萎縮型加齢黄斑変性および網膜色素変性などの追加適応症の承認取得を目指しております。ウノプロストンは、RTUにて実施した網膜色素変性の患者様を対象とした臨床試験において、僅か6ヵ月の投与後に網膜の感受性に用量依存的な改善が認められ、新たな潜在的可能性が実証されています。今回のスキャンポ社関連会社とアールテック・ウエノ社の契約締結により、全ての既存の適応症および潜在的な適応症に対する世界的な最先端開発および商業化が約束されます。ウノプロストンがこれらの追加適応症の開発に成功すれば、眼科患者様に対して新たな治療の選択肢を提供するという弊社の使命を実現することがより可能となります。」


・アールテック・ウエノについて
 株式会社アールテック・ウエノは1989年9月、医薬品の研究開発、製造販売を目的に設立された創薬ベンチャー企業です。医師でもある真島社長のもと、「Physician-Oriented New Drug Innovation」(臨床医による新薬開発)をテーマとし、これまで有効な治療薬のない眼科・皮膚科疾患をターゲットに新薬の開発を行っております。
 当社は、「医師の目線で医薬品開発・販売を行う分野特化型(眼科・皮膚科)のグローバルな医薬品会社」を目指しており、国が推奨および支援するアンメット・メディカルニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)対応や希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)、アンチエイジング領域(生活改善薬)の新薬の開発を進めております。

・ウノプロストンについて
 当社の自社開発品であるレスキュラ(R)点眼液0.12%は、ウノプロストンを使った世界初の緑内障・高眼圧症治療薬です。レスキュラ(R)点眼液0.12%にはイオンチャンネル開口薬としての薬理作用があり、眼圧下降作用だけでなく、視神経保護作用(in vitro)や正常眼圧緑内障において眼血流改善作用があることが報告されています。1994年の発売以来、世界45カ国で承認されました。2009年には処方変更によりレスキュラ(R)点眼液に含まれる防腐剤濃度を低減しました。
 また、当社は網膜色素変性に対してもウノプロストンを主成分とした神経保護薬(製品名 オキュセバ(TM))の開発を進めており、現在第2相臨床試験まで完了しております。第2相臨床試験において、眼底網膜中心部の網膜感度が悪化する患者様の数を有意に減らすことが判明しております。

・網膜色素変性について
 網膜色素変性は遺伝性の疾患で、有病率は世界中で約5,000人に1人、国内においては、4,000 ~ 8,000人に1人と報告されています。この数字をわが国の人口1億2千8百万人にあてはめれば、本疾患患者数は約16,000 ~ 32,000人と概算され、希少疾病に分類されます。一方、世界人口を67億5千万人(2008年)から推定すると全世界での網膜色素変性患者数は推計135万人とされています。進行すると薄暗いところでものが見えにくくなるなどの進行性の夜盲や視野狭窄、そして視力低下をきたし、末期には高度の視力低下あるいは失明にいたることもあります。難病に指定されていますが、現時点では適切な治療薬や治療法が確立されていません。


・加齢黄斑変性について
 米国では800万人以上が加齢黄斑変性(以下AMD)を発症しています。AMDは網膜に障害を来たし失明に至る疾患です。AMDは全世界の成人の失明原因の第1位です。米国における有病率は2020年までに50%以上増加し、およそ1200万人に達すると予測されています。患者様の80〜90%は萎縮型とされ、現時点で承認された治療薬はありません。

・スキャンポ社について
 スキャンポ社は米国メリーランド州ベセスダ市を拠点とするファーマシューティカル企業であり、プロストン技術を基盤とした医薬品の開発・商業化を目指しています。プロストンは体内で脂肪酸から酵素15-PGDHにより産生される物質であり、その疾患治療への応用可能性は最高経営責任者兼会長である上野隆司博士により、最初に発見されました。上野博士は1996年に久能祐子博士(現取締役、Advisor, International Business Development)とともに、スキャンポ社を設立いたしました。久能博士は創業当時のCEOで、現在はInternational Business Division のアドバイザー兼取締役です。スキャンポ社に関する詳細な情報は、同社ホームページ:www.sucampo.comをご参照ください。

                                    以 上
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