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リビア:ミスラタで負傷者70人以上  国境なき医師団が船で搬送

2011年4月5日

国境なき医師団(MSF)日本

リビア:ミスラタで負傷者70人以上 
国境なき医師団が船で搬送

国境なき医師団(MSF)は2011年4月5日までに、激戦で診療所に負傷者が溢れるリビア北西部のミスラタから71人の患者を船に乗せ、チュニジア南東部の都市、スファックスに避難させた。到着後、患者らは病院へとすみやかに搬送され、救急治療を受けている。患者の避難に関する全ての行程はMSFが統括し、中立普遍の活動方針のもと、対立勢力の政治的影響を受けることなく実施された。

4月3日に避難を指揮した、MSFのへルミ・メカウイ医師は語る。
「ミスラタでは激しい戦闘が続いていましたが、MSFは3日の午後に船を着岸することができました。戦闘の影響で負傷者が急増しているなか、MSFが患者のもとに向かい、船に乗せられたのは幸運なことでした」

船中では、MSFの医師7人、看護師3人、心理士1人と、ボランティアとしてチュニジア人医療従事者7人の計18人が重傷者の治療にあたった。患者のうち特に3人は容態が深刻で、到着まで救急救命治療を受けていた。また、11人は大きな外傷を負っていたほか、その他の患者の多くは腹部外傷や開放骨折(折れた骨が皮膚を破って外部に露出している状態)を負っており、チュニジアに到着するまで集中的な治療が欠かせなかった。

MSFはこれまでに、医療物資の枯渇が深刻なミスラタのリビア保健委員会に、1000人の負傷者を治療できる外科手術キット300組と、医薬品、消毒用の物資や点滴剤など計6トンの救急医療物資を提供している。

MSF は、2月にリビアで発生した大規模デモを機に、多くの人びとが戦闘により負傷している事態に対応するため、同国北東部のベンガジで現地の医療施設を支援している。また、戦闘で増加した負傷者へ医療ケアを提供するため、チームを増員し、追加の医療援助物資を現地へと届けている。

医療物資を携えたMSFの援助チームは、戦闘の激しい西部地域の人びとへの接近を試みているが、アクセスは厳しく制限されており、増加する負傷者への医療援助活動は阻害されたままである。MSFは再度、人道援助団体による援助活動と負傷者が安全に治療を受ける権利を尊重するよう、紛争の全ての当事者に強く要求する。

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MSFのチームはリビア第二の都市ベンガジで、2011年2月25日から現地の医療施設を支援している。3月15日には、戦闘による深刻な情勢不安の影響を受け一時退避を余儀なくされたが、24日には再びベンガジへ戻り、26日には計7人のスタッフがベンガジとトブルクで活動を再開した。MSFは4月4日までに計44トンの医療物資をベンガジへ運搬しており、今後もさらなる援助物資を現地へ届ける予定である。また、リビア北西部のミスラタにある医療施設には、3月21日に300人の負傷者を治療できる外科手術キットを二組提供している。 MSFは2月23日からチュニジアからのリビア入国も試みているが、いまだ許可は下りていない。 チュニジアとリビアとの国境地帯にあるラスジェディールと、国境から7キロの地点に位置し、推定で6000人が生活しているチョウチャ避難民キャンプならびに、ラスジェディールから150キロ離れたデヒバでは、MSFの医師や心理療法士ら25人が、リビアから逃れてくる人びとへ援助を提供している。
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