宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要終了のご報告
[11/05/30]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2011年5月30日
真宗大谷派(東本願寺)
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要終了のご報告
3月19日から5月28日の間、約50万人が東本願寺へ参詣、来場
真宗大谷派東本願寺では、「今、いのちがあなたを生きている」をテーマにお勤めした宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌(ごえんき)法要が、2011年5月28日(土)をもって、終了いたしましたことを報告します。
法要を終えてのご挨拶と期間中の参詣者集計をここにお知らせいたします。
■真宗大谷派(東本願寺)宗務総長 安原晃(やすはら・こう) ご挨拶
2011年3月19日から5月28日まで、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌をお勤めさせていただき、合わせて50万人以上の方々が、東本願寺に集われましたことを、ここにご報告申し上げます。
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、いよいよこれから御遠忌法要が始まるという矢先の出来事でありました。想えば、あの瞬間から私たちは、極めて重要な問いをいただいたのだということを、今あらためて実感しています。
その問いに対して苦悶の末に出した答えが、第1期法要の中止と「被災者支援のつどい」の開催であり、その願いを引き継いでの第2期法要・第3期法要の厳修でした。換言すれば、震災という厳しい現実が、御遠忌法要を形作ったといっても過言ではないでしょう。
予定どおり勤めるべきであるという声もあり、これまで御遠忌法要を心待ちにしておられた皆様のお気持ちを考えれば、10年以上に亘って準備をしてきた当局としましても、痛いほど、そのお気持ちは分かります。しかし一方で、予定どおり勤めることが、「安危(あんき)を共同(ぐどう)することを願う」すなわち、私たちが真宗同朋会運動(しんしゅうどうぼうかいうんどう)と呼ぶ信仰運動を標榜する宗派として、社会に存在する教団として、その使命を果たすことになるのか、今なすべきことは何であるのか、ということを考えずにはおれませんでした。ですから、地震発生直後から「被災者支援のつどい」開催に至るまでは、逡巡に逡巡を重ね、苦渋の決断をしなければなりませんでした。
このご縁をいただき、第2期・第3期法要において、「共に念仏申し、起ち上がり続ける」という決意表明をもって法要を勤めさせていただいたことが、これからの宗門にとって重要なターニングポイントになると感じています。
私たちは、50年前の七百回御遠忌を振り返り、その時に始まった同朋会運動によって宗門は大きな一歩を踏み出すことができたと感じています。それと同じように、次の宗祖八百回御遠忌を迎えた時に、後世の人が「50年前に大震災の只中で厳修された七百五十回御遠忌によって、宗派が大きな一歩を踏み出すことができた」と感じられるような、新たな取り組みを始められるかどうか、それが、このたびの御遠忌に遇わせていただいた私たちの使命であると思えてなりません。
殊に、このたびの震災の中で起こった原子力発電所の事故によって、私たちは、原子力に依存する生活そのものを根底から問われています。原発事故の被害に遇われた人達も含め、社会に対して、私たちは何ができるのでしょうか。何も徹底できない、はなはだ申し訳ない自分であるけれども、であればこそ、せずにおれないこととして、精一杯のことをやる。例えば、被災者の方々の積極的な受け入れの継続、そして6月からはクールビズの採用や境内諸施設のさらなる節電を実施いたします。
「慣れ」や記憶の「薄れ」がもたらす危うさ、すなわち「日常性への埋没」・「事象の風化」を、自分の問題として引き受けながら、継続して支援活動を行っていくことこそが、その使命に繋がると確信いたします。今後とも息の長い支援活動に、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
■宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要 実施内容と参詣者数
<つどい・法要>
2011年3月19日(土)〜3月28日(月)被災者支援のつどい 72,400人※1
2011年4月19日(火)〜4月28日(木)第2期法要 98,900人
2011年5月19日(木)〜5月28日(土)第3期法要 105,900人
合計 277,200人
このほか、阿弥陀堂・御影堂屋根見学や中村久子展などの記念行事や展示に約180,000人、現代アート事業の漫画家 井上雄彦氏作屏風「親鸞」一般公開に約5万人の来場者がありました。
最終集計では、3月19日(土)から5月28日(土)までの御遠忌期間に、のべ約50万人の方が東本願寺を訪れました。
※1 被災者支援のつどいと御遠忌の名称について
3月19日から28日までの期間は、当初、御遠忌第1期法要を予定していましたが、3月11日に発生した東日本大震災の激甚災害の現実と原子力発電所事故の深刻な事態を受け止め、中止とし、真宗本廟において「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌 被災者支援のつどい」を開きました。
また、4、5月の第2期、第3期の法要も「東北地方太平洋沖地震災害「被災者支援」宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」としてお勤めし、宗派としての取り組みや決意を明確化していく法要といたしました。
■被災者支援活動について
期間中は、本山内及び大谷祖廟事務所に救援金箱を設置し、救援金を募りました。取り急ぎ、5月18日現在でお寄せいただいた約3億7,570万円の半額を被災された市町村に寄付し、半額を宗派内の組織(教区・寺院)へ交付いたします。なお、今後も継続的に寄付・交付を行います。
また、被災地の復興支援に寄付する屏風「親鸞」の記念グッズの販売を行い、5月28日現在で約1,400万円を売り上げています。2012年3月末まで販売を継続し、制作費等の必要経費を除いた収益の全てを、日本赤十字社を通じて寄付し、被災者支援活動を継続します。
■今後の予定
・真宗大谷派(東本願寺)門首 大谷暢顯(おおたに・ちょうけん)が、6月7日(火)
〜10日(金)の予定で、被災地(岩手・宮城・福島・茨城・栃木の各県)をお見舞い
いたします。
・2011年11月21日(月)〜11月28日(月) 御正当報恩講(ごしょうとうほうおんこう)
なお、御正当報恩講にあわせる形で、色々な行事等を考えてはどうかというご意見が
各方面から寄せられており、今後そういった意見を参酌して計画を練ってまいります。
真宗大谷派(東本願寺)
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要終了のご報告
3月19日から5月28日の間、約50万人が東本願寺へ参詣、来場
真宗大谷派東本願寺では、「今、いのちがあなたを生きている」をテーマにお勤めした宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌(ごえんき)法要が、2011年5月28日(土)をもって、終了いたしましたことを報告します。
法要を終えてのご挨拶と期間中の参詣者集計をここにお知らせいたします。
■真宗大谷派(東本願寺)宗務総長 安原晃(やすはら・こう) ご挨拶
2011年3月19日から5月28日まで、宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌をお勤めさせていただき、合わせて50万人以上の方々が、東本願寺に集われましたことを、ここにご報告申し上げます。
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、いよいよこれから御遠忌法要が始まるという矢先の出来事でありました。想えば、あの瞬間から私たちは、極めて重要な問いをいただいたのだということを、今あらためて実感しています。
その問いに対して苦悶の末に出した答えが、第1期法要の中止と「被災者支援のつどい」の開催であり、その願いを引き継いでの第2期法要・第3期法要の厳修でした。換言すれば、震災という厳しい現実が、御遠忌法要を形作ったといっても過言ではないでしょう。
予定どおり勤めるべきであるという声もあり、これまで御遠忌法要を心待ちにしておられた皆様のお気持ちを考えれば、10年以上に亘って準備をしてきた当局としましても、痛いほど、そのお気持ちは分かります。しかし一方で、予定どおり勤めることが、「安危(あんき)を共同(ぐどう)することを願う」すなわち、私たちが真宗同朋会運動(しんしゅうどうぼうかいうんどう)と呼ぶ信仰運動を標榜する宗派として、社会に存在する教団として、その使命を果たすことになるのか、今なすべきことは何であるのか、ということを考えずにはおれませんでした。ですから、地震発生直後から「被災者支援のつどい」開催に至るまでは、逡巡に逡巡を重ね、苦渋の決断をしなければなりませんでした。
このご縁をいただき、第2期・第3期法要において、「共に念仏申し、起ち上がり続ける」という決意表明をもって法要を勤めさせていただいたことが、これからの宗門にとって重要なターニングポイントになると感じています。
私たちは、50年前の七百回御遠忌を振り返り、その時に始まった同朋会運動によって宗門は大きな一歩を踏み出すことができたと感じています。それと同じように、次の宗祖八百回御遠忌を迎えた時に、後世の人が「50年前に大震災の只中で厳修された七百五十回御遠忌によって、宗派が大きな一歩を踏み出すことができた」と感じられるような、新たな取り組みを始められるかどうか、それが、このたびの御遠忌に遇わせていただいた私たちの使命であると思えてなりません。
殊に、このたびの震災の中で起こった原子力発電所の事故によって、私たちは、原子力に依存する生活そのものを根底から問われています。原発事故の被害に遇われた人達も含め、社会に対して、私たちは何ができるのでしょうか。何も徹底できない、はなはだ申し訳ない自分であるけれども、であればこそ、せずにおれないこととして、精一杯のことをやる。例えば、被災者の方々の積極的な受け入れの継続、そして6月からはクールビズの採用や境内諸施設のさらなる節電を実施いたします。
「慣れ」や記憶の「薄れ」がもたらす危うさ、すなわち「日常性への埋没」・「事象の風化」を、自分の問題として引き受けながら、継続して支援活動を行っていくことこそが、その使命に繋がると確信いたします。今後とも息の長い支援活動に、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
■宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要 実施内容と参詣者数
<つどい・法要>
2011年3月19日(土)〜3月28日(月)被災者支援のつどい 72,400人※1
2011年4月19日(火)〜4月28日(木)第2期法要 98,900人
2011年5月19日(木)〜5月28日(土)第3期法要 105,900人
合計 277,200人
このほか、阿弥陀堂・御影堂屋根見学や中村久子展などの記念行事や展示に約180,000人、現代アート事業の漫画家 井上雄彦氏作屏風「親鸞」一般公開に約5万人の来場者がありました。
最終集計では、3月19日(土)から5月28日(土)までの御遠忌期間に、のべ約50万人の方が東本願寺を訪れました。
※1 被災者支援のつどいと御遠忌の名称について
3月19日から28日までの期間は、当初、御遠忌第1期法要を予定していましたが、3月11日に発生した東日本大震災の激甚災害の現実と原子力発電所事故の深刻な事態を受け止め、中止とし、真宗本廟において「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌 被災者支援のつどい」を開きました。
また、4、5月の第2期、第3期の法要も「東北地方太平洋沖地震災害「被災者支援」宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」としてお勤めし、宗派としての取り組みや決意を明確化していく法要といたしました。
■被災者支援活動について
期間中は、本山内及び大谷祖廟事務所に救援金箱を設置し、救援金を募りました。取り急ぎ、5月18日現在でお寄せいただいた約3億7,570万円の半額を被災された市町村に寄付し、半額を宗派内の組織(教区・寺院)へ交付いたします。なお、今後も継続的に寄付・交付を行います。
また、被災地の復興支援に寄付する屏風「親鸞」の記念グッズの販売を行い、5月28日現在で約1,400万円を売り上げています。2012年3月末まで販売を継続し、制作費等の必要経費を除いた収益の全てを、日本赤十字社を通じて寄付し、被災者支援活動を継続します。
■今後の予定
・真宗大谷派(東本願寺)門首 大谷暢顯(おおたに・ちょうけん)が、6月7日(火)
〜10日(金)の予定で、被災地(岩手・宮城・福島・茨城・栃木の各県)をお見舞い
いたします。
・2011年11月21日(月)〜11月28日(月) 御正当報恩講(ごしょうとうほうおんこう)
なお、御正当報恩講にあわせる形で、色々な行事等を考えてはどうかというご意見が
各方面から寄せられており、今後そういった意見を参酌して計画を練ってまいります。