ソマリア:最悪の人道的危機 緊急援助の拡大を
[11/07/25]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2011年7月25日
国境なき医師団(MSF)日本
ソマリア:最悪の人道的危機
-緊急援助の拡大を-
アフリカ北東部「アフリカの角」にあるソマリアでは、子どもの栄養失調が深刻化している。国境なき医師団(MSF)は現在、同国や近隣国で重度の栄養失調児1万人以上を治療しているが、昨年と比べて患者が7倍に増加した地域もある。MSFは、ソマリア国内における独立した援助の拡大を阻む要因を解消し、援助を強化するために、緊急に具体的な措置を講じるよう、ソマリア、近隣諸国ならびに国際社会に対して訴える。
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「アフリカの角」で発生している深刻な干ばつは、家畜の命を奪い、食料価格の高騰に拍車をかけている。20年以上も無政府状態が続き、多様な問題が複雑化しているソマリアで、窮地にある人びとのニーズを全面的に調査し、緊急援助を拡大するためには、独立した即時介入が不可欠である。
同国内では、国際的な援助団体が活動を制限されていることにより、人びとへの緊急援助が必要以上に遅れている。ジュバ渓谷の下流地域などいくつかの場所では、食料を求めて故郷から逃げ出してきた5000人以上の人びとが、突発的に仮住まいの避難所を作って生活している。
MSFオランダ事務局長の、アルヤン・ヘヘンカンプは語る。
「ソマリア各地で、MSFの治療センターは収容能力の限界を超えています。昨年と比較すると、1週間に受け入れた患者の数は、7倍にのぼる地域もあります。現在、MSFはソマリア国内で3000人以上の5歳未満の栄養失調児を治療しており、そのうち約600人を集中治療センターで治療し、2500人以上を通院栄養治療センターで受け入れています。新規患者へ滞ることなく治療を提供し、栄養失調が深刻化しているすべての地域で活動できるよう、多方面からの支援が必要です」
ソマリア国内では、充分な援助を受けることが難しいため、多くの人びとは隣国ケニアやエチオピアにある難民キャンプへと脱出し、庇護(ひご)を求めている。現地で活動しているMSFのチームによると、新たにキャンプへ到着した人びとのうち、3人に1人の子どもは急性の栄養失調を患っているなど、この病気への罹患(りかん)率が非常に高い現状が報告されている。
ケニア北東部のダダーブやエチオピア南東部のドロ・アドにある難民キャンプは、長期にわたり多くの人びとを受け入れ続けた結果、現在は人口過密で混乱した状態に陥っている。また、ケニア―ソマリア間の国境の閉鎖や、キャンプでの新規受け入れ時に事務手続きが遅れるなど問題が山積しており、人びとは十分な援助が得られずにいる。
MSFのオペレーションディレクター、クレマン・カブロルはこう説明する。
「ソマリアから逃れてくる人びとの大半を受け入れているケニア、エチオピア両国は、キャンプを増設し、既存の施設を改善する必要があります。しかし、国際社会もまた、ソマリアから逃れてくる人びとが、迅速な事務手続きのもとに適切な食糧援助を受け、難民キャンプの中に居住できるよう、責任の一端を担うべきです。現在、役所の都合による制限で、人びとへの援助は必要以上に遅れています。今すぐに、すべての手段を講じて、緊急事態に対応しなければなりません」
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MSFは、ソマリア国内8ヵ所で、1991年から無償で医療を提供している。1400人以上のソマリア人スタッフと、ナイロビに駐在する約100人のスタッフが、一次医療、栄養治療、外科治療と避難民の人びとへの医療・人道援助を提供している。また、同国中南部の9ヵ所では、水と衛生に関する援助を提供している。MSFの、ソマリアでの活動費はすべて民間からの拠出で支えられており、いかなる機関もしくは政府による資金援助も受けていない。
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国境なき医師団(MSF)日本
ソマリア:最悪の人道的危機
-緊急援助の拡大を-
アフリカ北東部「アフリカの角」にあるソマリアでは、子どもの栄養失調が深刻化している。国境なき医師団(MSF)は現在、同国や近隣国で重度の栄養失調児1万人以上を治療しているが、昨年と比べて患者が7倍に増加した地域もある。MSFは、ソマリア国内における独立した援助の拡大を阻む要因を解消し、援助を強化するために、緊急に具体的な措置を講じるよう、ソマリア、近隣諸国ならびに国際社会に対して訴える。
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「アフリカの角」で発生している深刻な干ばつは、家畜の命を奪い、食料価格の高騰に拍車をかけている。20年以上も無政府状態が続き、多様な問題が複雑化しているソマリアで、窮地にある人びとのニーズを全面的に調査し、緊急援助を拡大するためには、独立した即時介入が不可欠である。
同国内では、国際的な援助団体が活動を制限されていることにより、人びとへの緊急援助が必要以上に遅れている。ジュバ渓谷の下流地域などいくつかの場所では、食料を求めて故郷から逃げ出してきた5000人以上の人びとが、突発的に仮住まいの避難所を作って生活している。
MSFオランダ事務局長の、アルヤン・ヘヘンカンプは語る。
「ソマリア各地で、MSFの治療センターは収容能力の限界を超えています。昨年と比較すると、1週間に受け入れた患者の数は、7倍にのぼる地域もあります。現在、MSFはソマリア国内で3000人以上の5歳未満の栄養失調児を治療しており、そのうち約600人を集中治療センターで治療し、2500人以上を通院栄養治療センターで受け入れています。新規患者へ滞ることなく治療を提供し、栄養失調が深刻化しているすべての地域で活動できるよう、多方面からの支援が必要です」
ソマリア国内では、充分な援助を受けることが難しいため、多くの人びとは隣国ケニアやエチオピアにある難民キャンプへと脱出し、庇護(ひご)を求めている。現地で活動しているMSFのチームによると、新たにキャンプへ到着した人びとのうち、3人に1人の子どもは急性の栄養失調を患っているなど、この病気への罹患(りかん)率が非常に高い現状が報告されている。
ケニア北東部のダダーブやエチオピア南東部のドロ・アドにある難民キャンプは、長期にわたり多くの人びとを受け入れ続けた結果、現在は人口過密で混乱した状態に陥っている。また、ケニア―ソマリア間の国境の閉鎖や、キャンプでの新規受け入れ時に事務手続きが遅れるなど問題が山積しており、人びとは十分な援助が得られずにいる。
MSFのオペレーションディレクター、クレマン・カブロルはこう説明する。
「ソマリアから逃れてくる人びとの大半を受け入れているケニア、エチオピア両国は、キャンプを増設し、既存の施設を改善する必要があります。しかし、国際社会もまた、ソマリアから逃れてくる人びとが、迅速な事務手続きのもとに適切な食糧援助を受け、難民キャンプの中に居住できるよう、責任の一端を担うべきです。現在、役所の都合による制限で、人びとへの援助は必要以上に遅れています。今すぐに、すべての手段を講じて、緊急事態に対応しなければなりません」
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MSFは、ソマリア国内8ヵ所で、1991年から無償で医療を提供している。1400人以上のソマリア人スタッフと、ナイロビに駐在する約100人のスタッフが、一次医療、栄養治療、外科治療と避難民の人びとへの医療・人道援助を提供している。また、同国中南部の9ヵ所では、水と衛生に関する援助を提供している。MSFの、ソマリアでの活動費はすべて民間からの拠出で支えられており、いかなる機関もしくは政府による資金援助も受けていない。
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