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バーレーン:武装治安隊員によるMSFの襲撃と、スタッフ拘束に非難を表明

2011年8月4日

国境なき医師団(MSF)日本

バーレーン:武装治安 隊員によるMSFの襲撃と、スタッフ拘束に非難を表明

国境なき医師団(MSF)は、2011年7月28日バーレーン国内にある活動地において、武装した治安隊員による襲撃を受けた後、スタッフが拘留された事件に対して、非難を表明する。
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武装した治安隊員が、バーレーンの首都マナーマにあるMSFの施設を襲撃し、事務所の所有物に損害を与えたほか、すべての医療および事務機器や消耗品を押収した。また、通訳と運転手を務めるバーレーン人のMSFスタッフ、サイード・マハディは、患者を助けるために救急車を呼んだことで、当局に逮捕された。MSFはマハディの家族と彼の弁護士がマハディに面会できるように繰り返し要請したが、拒否されている。

MSFは、事件の発端となった患者について問い合わせるため、搬送先のサルマニヤを訪問したが、事態は把握できていない。この患者は、7月末に、頭部に重傷を負った状態でMSFの施設に到着し、医師から応急処置を受けた。その後、患者はマハディが呼んだ救急車で、バーレーン唯一の公立の救急病院であるサルマニヤ病院に 搬送された。患者の民族的背景、宗教あるいは政治的な関わりを超えて治療にあたることは、MSFの義務である。

今年の2月にバーレーンでデモが発生して以来、人びとは、抗議行動へ参加していると見なされたり、デモ参加者と関わりがある、と当局から嫌疑をかけられたりすることを恐れ、医療施設で治療を受けられなくなっている。MSFはこれら約200人の傷病者を、国内各地の村で診察した。これらの患者は、緊急入院が必要であるにもかかわらず、逮捕を恐れてそうすることができなかった人びとや、拘留中に深刻な殴打を受けた人びとであった。

MSFは数ヵ月前に、バーレーン国内での活動を開始することができた。しかし、今回のような中立の医療・人道援助団体が保有する施設を尊重せず、人びとを医療施設から遠ざける行為は、患者が治療を受ける権利を妨害するものである。MSFはこれらの事件に関する懸念をバーレーン内務省に宛てた書簡で表明した。

MSFは3月に、バーレーンでの緊急医療援助活動の開始を打ちだしていた。これは、MSFのチームが応急処置をしたあとに、医療施設まで患者に付き添うことで、 医療が妨害されず、当局から「おとり」として利用されるのを防ぎ、患者が医療への信頼を回復できることを確実にするためのものである。また、医療従事者がその職務を公平かつ報復を恐れることなく果たせるようにする側面もある。しかし、今日に至るまで、MSFは患者が標的にされないという確証を得られないため、開始は見送っている。

ベルギーでオペレーション・ディレクターを務める、MSFのジェローム・オベレは述べる。
「MSFはバーレーン国内で人道援助を提供するにあたり、同国保健省ならびに内務省を 含めた当局に対し、透明性を保ってきました。そのような経緯から、今回、MSFの施設内に武装した治安隊員が立ち入り、私たちのスタッフを拘束したことは、不当で許容しがたいものと考えます」

現在のバーレーンでは、ごく当たり前の治療義務の原則──応急処置を施し、危機的な容態にある人のために救急車を呼ぶ──といったことさえ難しく、同国におけるMSFの活動に深刻な影響を及ぼしている。

MSFはバーレーン当局に対し、MSFの施設やスタッフが完全に安全とプライバシーを保てるよう尊重し、かつ、弁護士と家族が即時に拘束されたスタッフと面会できるよう、措置を講じることを訴える。
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