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伝統工芸、蒔絵に使用する「漆」を新開発。 蒔絵技法の新しい表現が広がります。

2011年10月5日

プラチナ万年筆株式会社

伝統工芸、蒔絵に使用する「漆」を新開発。
蒔絵技法の新しい表現が広がります。
「溜透かし」技法に新漆を使用することで、青と緑の色表現が可能に。

プラチナ万年筆株式会社(本社;東京 社長;中田俊也)では、伝統工芸の蒔絵を万年筆に施す時に使用する、画期的な漆を初めて開発しました。
主に蒔絵のなかでも、時間経過と共に表面変化が楽しめる「溜透かし」技法専用の漆を開発し、銀ベースの下絵に今回の漆を塗ることにより、今までこの技法で表現できなかった青と緑の表現が可能となりました。
本来「漆」の色は木から採取した時の色のままではなく、いくつかの精製を経て朱合漆(しゅあいうるし)と呼ばれるあめ色の半透明色になります。漆自体があめ色の半透明で無色透明ではないために、最後の上塗りをした場合に絵柄や下地本来の色が綺麗に反映させることができず、どんな多彩な絵柄を施しても完成時には茶色っぽく見えてしまいました。
※溜透かしという蒔絵技法の場合、
 1, 下塗りというベースコーティング
 2, 蒔絵での装飾
 3, 漆でトップコーティング
今回、特殊な色粉を練り合わせ、通常のあめ色をした朱合漆とは比べものにならない「青色の透け」
を、実現できる漆を作ることに成功しました。この透明色漆が出来たことによって、本来作家が求
める色合いにより忠実に近づけることが出来、漆としては、新たな表現が可能となりました。ただ
量産化が現段階では難しく、当面は弊社子会社である手作り万年筆工房(有)中屋万年筆での製品
に導入いたします。
試作テストを経て、お客様のご指定のモチーフ等を承り、10 月14 日より受注生産を開始致します。
※今回開発した新しい漆による作品  『青龍』 157,500 円 

<溜透かしとは>
中塗りに朱の漆を塗り、上塗りに透明度の高い朱合漆(しゅあいうるし)を塗る溜塗り(ためぬり)
の、中塗りの朱の上に蒔絵を施してから上塗りする技法。時とともに漆の透明化が進み、朱や蒔絵
が透けてくる、味わい深い逸品です。
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