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がん治療に用いる「樹状細胞」に関する特許が欧州11カ国で成立

2012年3月21日

株式会社メディネット

がん治療に用いる「樹状細胞」に関する特許が欧州11カ国で成立

 株式会社メディネットは、樹状細胞(DC:Dendritic Cell)の働きをより強化する技術に関する権利化を欧州で進めておりましたが、この度、特許が成立しました。
具体的には、ビスホスホネートを用いて樹状細胞にγδT細胞の誘導能を発揮させるよう機能を強化したもので、本特許成立により、メディネットは、「ビスホスホネートを感作させた樹状細胞」を欧州11カ国で独占的に使用する権利を取得します。また、本特許成立は、樹状細胞ワクチン療法における当社治療技術の高さと当社の研究開発・知財戦略の確かさを示す証左のひとつとして捉えております。
【特許情報】
登録番号:EP1788078
発明の名称:Dendritic cell drug containing the dendritic cell, therapeutic method using the dendritic cell and method of culturing γδT cell
権利者:MEDINET Co., Ltd.
指定国:英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、リヒテンシュタイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、スウェーデン

 ビスホスホネートは、近年、悪性腫瘍による高カルシウム血症の治療薬として使用されています。また、ビスホスホネートの一種であるゾレドロン酸は、種々のがんの骨転移あるいは多発性骨髄腫の治療薬として使用されています。メディネットは、当社の研究開発により、樹状細胞をゾレドロン酸と外科手術で摘出したがん組織またはがん抗原ペプチドで共感作させることで、従来法と比べ、γδT細胞を介した樹状細胞の活性化により、細胞傷害性T細胞(CTL) の誘導を数倍〜100倍まで向上させることを確認しております。また、この研究成果を取り入れた独自の「樹状細胞ワクチン療法」技術を開発し、2007年より実用化しています。
既に特許登録されているオーストラリアに加え、今回、新たに欧州で特許が成立し、「ビスホスホネートを感作させた樹状細胞」として広範囲において権利化できたことは、今後、メディネットが欧州において事業展開を図る上で大きく寄与するものであり、また、当社の樹状細胞ワクチン療法を欧州のがん患者様に新たな治療選択肢として提供することにつながるものと考えています。
以上


【参考】樹状細胞ワクチン療法について
 樹状細胞は、がん細胞に由来するたんぱく質を貪食し、それをがん抗原としてTリンパ球に提示することにより、がん細胞を特異的に攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導します。樹状細胞ワクチンは、この働きを利用した免疫細胞治療の一種で、患者自身の末梢血中単球から樹状細胞を分化、誘導し、その樹状細胞にがん抗原を導入、提示させた上でワクチンとして投与することで、患者体内でCTLを誘導し、がん細胞を特異的に攻撃させようとする治療技術です。
メディネットは、ゾレドロン酸による感作(国際公開番号:WO2006/006638(本リリースの特許のもとになったPCT出願)、WO2007/029689)と、米国MaxCyte社のエレクトロポレーション技術を組み合わせることで、従来法と比べ、DCのがん抗原取り込み効率および細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を大幅に向上させる「樹状細胞ワクチン」技術を開発し、実用化しています。

※CTL とはCytotoxic T Lymphocyte(細胞傷害性Tリンパ球)の略。T リンパ球の一種で宿主にとって異物になる細胞(がん細胞・ウイルス感染細胞・移植細胞など)を認識して殺傷する。
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