新規抗悪性腫瘍薬「TAS-102」の臨床第?相試験結果がThe Lancet Oncology電子版に掲載
[12/08/28]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2012年08月28日
大鵬薬品工業株式会社
新規抗悪性腫瘍薬「TAS-102」の臨床第?相試験結果が
The Lancet Oncology電子版に掲載
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、社長:小林 将之)が治験依頼者となり、国内で実施された新規代謝拮抗性抗悪性腫瘍薬(配合)「TAS-102」の臨床第?相試験結果が、がん研究領域の主要雑誌である医学誌 The Lancet Oncology電子版に掲載されましたのでお知らせ致します。
「TAS-102」臨床第?相試験は、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンを含む2レジメン以上の標準化学療法に不応となった切除不能な進行・再発結腸・直腸がん患者172名を対象とし、プラセボ対照の二重盲検ランダム化比較試験で、「TAS-102」の延命効果を主要評価項目として評価しました。その結果、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比べ全生存期間が延長し[全生存期間 中央値:9.0ヵ月対6.6ヵ月]、死亡のリスクも有意に減少しました[ハザード比0.56,p=0.0011]。
また、治療関連死は認められず、最も高頻度に認められたCTCAEグレード3以上の薬物有害反応は好中球減少であり、下痢や倦怠感、悪心などは10%以下でした。なお、本治験の臨床第?相試験の結果は、第9回 日本臨床腫瘍学会学術集会(2011年)で報告されました。
この「TAS-102」臨床第?相試験の結果を受け、現在、標準化学療法に不応となった切除不能な進行再発結腸・直腸がん患者を対象としたグローバル臨床第?相試験(RECOURSE試験)を進めています。
【TAS-102について】
TAS-102は、トリフルオロチミジン(FTD:α,α,α-trifluorothymidine)とチミジンホスホリラーゼ阻害作用をもつTPI(5-chloro-6-(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl-2,4(1H,3H)-pyrimidinedione hydrochloride)を配合することにより、FTDの有効血中濃度を維持することに成功した世界初のフルオロチミジン系の経口抗悪性腫瘍薬です。FTDは効率よくDNAに取り込まれてがん細胞の増殖に必要である多様なDNAの機能を抑制します。
【The Lancet Oncologyについて】
2011年のImpact factorは22.589であり、がん研究領域における主要医学雑誌の一つ。
臨床第?相試験の結果につきましては、2011年7月22日のニュースリリースをご参照ください。
日本版:http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2011/20110722.html
英訳版:http://www.taiho.co.jp/english/news/20110722.html
−TAS-102臨床第?試験結果の概略−
【治験名】
前治療歴を有する結腸・直腸がんに対するTAS-102単独療法:二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床第?相試験
【背 景】
標準治療が施行された転移性結腸・直腸がん患者に対して、生存期間の延長に寄与する新たな治療が望まれている。フルオロチミジン系の新規抗悪性腫瘍薬であるTAS-102の有効性及び安全性を検討するために臨床第?相試験が行われた。
【方 法】
2009年8月25日〜2010年4月12日の間に、多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床第?相試験を実施した。対象患者は、2レジメン以上の標準化学療法治療歴を有し、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンに不応又は不耐となった転移性結腸・直腸がん(20歳以上、経口投与可能、標的病変を有する、ECOG performance status(PS)が0-2、十分な骨髄・肝・腎機能を有する)であった。患者は、TAS-102群(35mg/m2 1日2回、5日間投与2日間休薬を2週間、その後14日間休薬)とプラセボ群に2:1の割合でランダムに割付けされた。ランダム化は最小化法で行い、PSを割付因子とした。治験実施中は治験担当医師、患者、解析担当者及び治験依頼者に対して投与群の情報は知らされなかった。主要評価項目は全生存期間であった。
本治験は一般財団法人日本医薬情報センターに臨床試験登録された試験である。
(JapicCTI-090880)
【結 果】
ランダム化割り付けされた患者は、TAS-102群で112例、プラセボ群で57例であった。追跡期間中央値は11.3ヵ月(四分位範囲:10.7-14.0カ月)で、全生存期間の中央値はTAS-102群で9.0ヵ月(95%信頼区間:7.3-11.3ヶ月)、プラセボ群で6.6ヵ月(95%信頼区間:4.9-8.0ヶ月)であった(ハザード比0.56、80%信頼区間:0.44-0.71、95%信頼区間:0.39-0.81、p=0.0011)。 安全性評価例(TAS-102群:113例)における主なグレード3/4の薬物有害反応は、好中球減少症(57例(50%))、白血球減少症(32例(28%))、および貧血(19例(17%))であった。プラセボ群ではグレード3/4の好中球減少症および白血球減少症は認められなかったが、3例(5%)にグレード3/4の貧血が認められた。重篤な有害事象はTAS-102群で21例(19%)、プラセボ群で5例(9%)に認められた。治療関連死は認められなかった。
【結 論】
TAS-102は標準治療に不応または不耐な転移性結腸・直腸がん患者に対して有望な有効性を示し、忍容性も良好であった。
Takayuki Yoshino, Nobuyuki Mizunuma, Kentaro Yamazaki, Tomohiro Nishina, Yoshito Komatsu, Hideo Baba, Akihito Tsuji, Kensei Yamaguchi,Kei Muro, Naotoshi Sugimoto, Yasushi Tsuji, Toshikazu Moriwaki, Taito Esaki, Chikuma Hamada, Takanori Tanase, Atsushi Ohtsu, TAS-102 monotherapy for pretreated metastatic colorectal cancer: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 2 trial
Lancet Oncology. August 28, 2012; DOI: 10.1016/ S1470-2045(12)70345-5
大鵬薬品工業株式会社
新規抗悪性腫瘍薬「TAS-102」の臨床第?相試験結果が
The Lancet Oncology電子版に掲載
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、社長:小林 将之)が治験依頼者となり、国内で実施された新規代謝拮抗性抗悪性腫瘍薬(配合)「TAS-102」の臨床第?相試験結果が、がん研究領域の主要雑誌である医学誌 The Lancet Oncology電子版に掲載されましたのでお知らせ致します。
「TAS-102」臨床第?相試験は、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンを含む2レジメン以上の標準化学療法に不応となった切除不能な進行・再発結腸・直腸がん患者172名を対象とし、プラセボ対照の二重盲検ランダム化比較試験で、「TAS-102」の延命効果を主要評価項目として評価しました。その結果、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比べ全生存期間が延長し[全生存期間 中央値:9.0ヵ月対6.6ヵ月]、死亡のリスクも有意に減少しました[ハザード比0.56,p=0.0011]。
また、治療関連死は認められず、最も高頻度に認められたCTCAEグレード3以上の薬物有害反応は好中球減少であり、下痢や倦怠感、悪心などは10%以下でした。なお、本治験の臨床第?相試験の結果は、第9回 日本臨床腫瘍学会学術集会(2011年)で報告されました。
この「TAS-102」臨床第?相試験の結果を受け、現在、標準化学療法に不応となった切除不能な進行再発結腸・直腸がん患者を対象としたグローバル臨床第?相試験(RECOURSE試験)を進めています。
【TAS-102について】
TAS-102は、トリフルオロチミジン(FTD:α,α,α-trifluorothymidine)とチミジンホスホリラーゼ阻害作用をもつTPI(5-chloro-6-(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl-2,4(1H,3H)-pyrimidinedione hydrochloride)を配合することにより、FTDの有効血中濃度を維持することに成功した世界初のフルオロチミジン系の経口抗悪性腫瘍薬です。FTDは効率よくDNAに取り込まれてがん細胞の増殖に必要である多様なDNAの機能を抑制します。
【The Lancet Oncologyについて】
2011年のImpact factorは22.589であり、がん研究領域における主要医学雑誌の一つ。
臨床第?相試験の結果につきましては、2011年7月22日のニュースリリースをご参照ください。
日本版:http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2011/20110722.html
英訳版:http://www.taiho.co.jp/english/news/20110722.html
−TAS-102臨床第?試験結果の概略−
【治験名】
前治療歴を有する結腸・直腸がんに対するTAS-102単独療法:二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床第?相試験
【背 景】
標準治療が施行された転移性結腸・直腸がん患者に対して、生存期間の延長に寄与する新たな治療が望まれている。フルオロチミジン系の新規抗悪性腫瘍薬であるTAS-102の有効性及び安全性を検討するために臨床第?相試験が行われた。
【方 法】
2009年8月25日〜2010年4月12日の間に、多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床第?相試験を実施した。対象患者は、2レジメン以上の標準化学療法治療歴を有し、フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカンおよびオキサリプラチンに不応又は不耐となった転移性結腸・直腸がん(20歳以上、経口投与可能、標的病変を有する、ECOG performance status(PS)が0-2、十分な骨髄・肝・腎機能を有する)であった。患者は、TAS-102群(35mg/m2 1日2回、5日間投与2日間休薬を2週間、その後14日間休薬)とプラセボ群に2:1の割合でランダムに割付けされた。ランダム化は最小化法で行い、PSを割付因子とした。治験実施中は治験担当医師、患者、解析担当者及び治験依頼者に対して投与群の情報は知らされなかった。主要評価項目は全生存期間であった。
本治験は一般財団法人日本医薬情報センターに臨床試験登録された試験である。
(JapicCTI-090880)
【結 果】
ランダム化割り付けされた患者は、TAS-102群で112例、プラセボ群で57例であった。追跡期間中央値は11.3ヵ月(四分位範囲:10.7-14.0カ月)で、全生存期間の中央値はTAS-102群で9.0ヵ月(95%信頼区間:7.3-11.3ヶ月)、プラセボ群で6.6ヵ月(95%信頼区間:4.9-8.0ヶ月)であった(ハザード比0.56、80%信頼区間:0.44-0.71、95%信頼区間:0.39-0.81、p=0.0011)。 安全性評価例(TAS-102群:113例)における主なグレード3/4の薬物有害反応は、好中球減少症(57例(50%))、白血球減少症(32例(28%))、および貧血(19例(17%))であった。プラセボ群ではグレード3/4の好中球減少症および白血球減少症は認められなかったが、3例(5%)にグレード3/4の貧血が認められた。重篤な有害事象はTAS-102群で21例(19%)、プラセボ群で5例(9%)に認められた。治療関連死は認められなかった。
【結 論】
TAS-102は標準治療に不応または不耐な転移性結腸・直腸がん患者に対して有望な有効性を示し、忍容性も良好であった。
Takayuki Yoshino, Nobuyuki Mizunuma, Kentaro Yamazaki, Tomohiro Nishina, Yoshito Komatsu, Hideo Baba, Akihito Tsuji, Kensei Yamaguchi,Kei Muro, Naotoshi Sugimoto, Yasushi Tsuji, Toshikazu Moriwaki, Taito Esaki, Chikuma Hamada, Takanori Tanase, Atsushi Ohtsu, TAS-102 monotherapy for pretreated metastatic colorectal cancer: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 2 trial
Lancet Oncology. August 28, 2012; DOI: 10.1016/ S1470-2045(12)70345-5