データセンタ向け空調システムの開発並びに実証試験装置の構築
[13/01/28]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2013年1月28日
三機工業株式会社
新日鉄住金エンジニアリング株式会社
データセンタ向け空調システム『L-LAC』の開発
並びに同システムを用いた実証試験モックアップ装置の構築
三機工業株式会社(代表取締役社長執行役員:梶浦 卓一)と新日鉄住金エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:高橋 誠)は共同で、データセンタ(以下:DCという)向けサーバ冷却技術として、床下設置型局所空調システムL-LAC(※1)(LocaL Air Conditioner)を開発しました。
更にこのL-LACの性能、施工、リスク対策を含む実機総合試験のため、サーバルームを模したDC実証試験モックアップ装置を構築しました。
両社は、これまでも多くのDCの設計・施工実績を有し、昨年新日鉄住金エンジニアリングは、都内に最先端DCを設計・施工で構築し、三機工業は、同所にて空調設備を担当しました。
今後はこの試験装置を活用し、更に空調効率の高いDCの設計、施工、運用まで一貫したトータルソリューションを提供します。
●開発の背景
ITの急速な発展と普及に伴い、DCに設置されるIT機器(サーバ)は高密度化が一段と進んでいます。従来はサーバラックあたりの電力供給量は2〜4kVAであったものが、近年では6〜10kVAとなり、さらには局所的に30kVA以上の検討も始まっています。IT機器の消費電力や発熱量も増加の一途と予測され、高効率な冷却技術の開発が急務であるとともに、サーバルーム全域の気流や温度の分布予測と実測に基づく効率的運用管理が重要視されています。
●概要と特長
(1) 床下設置型局所空調システム L-LAC
(概要) L-LACは、高密度サーバを搭載したラックの直下に設置し、下吹空調機と併用運転でサーバを冷却するコンパクトな局所空調システムです。L-LAC本体は、冷却コイル、ファンユニット、そしてサーバ排熱を戻すキャンバスダクトで構成されます。床下に設置するため、サーバラックのスペースを減少させることがありません。また、高密度サーバの配置に合わせてフレキシブルに局所で対応することが可能です。
【特長】 (a) 効率性
一般的に高密度サーバが混在して設置される場合、従来の下吹空調機単独運転だけではサーバラック上部に熱だまりが発生し、この熱だまりの高温空気が隣接するサーバラックに入り込み、悪影響を及ぼします。今回のL-LACは、下吹空調機とL-LAC本体が排熱処理を全体と局所で分担するため、熱だまりを解消することができます。これにより全体の供給風量を増加させることなく、効率的にサーバラック廻りの熱環境を改善することができます。
(b) 省エネルギー性
今回のL-LACは、下吹空調機単独運転時に比べ、空調搬送動力を最大で50%程度低減することができます(※2)。また、冷却コイルを二重化しているので、一系統を自然エネルギー利用である冷却水冷房とするなど有効に活用できます。
(c) リスク対策
L-LACは、冷却コイルを二重化しています。また、サーバルームに冷水管を配管しますが、漏水に対するリスク対策として極力継ぎ手を少なくし、自動開閉機能付継手を取り付けるなどの工夫をしています。さらに、複数のファンで構成されたファンユニットは、1台のファンが故障してもコイル前後差圧が一定となるように残りのファン風量が増加するリスク回避制御を採用しています。
(2)DC実証試験モックアップ装置
【概要】 L-LACの実証性能試験、施工性、リスク対策など総合試験のため、気流・温度計測が可能なDC実証試験モックアップ(実寸模型)装置を三機工業大和事業所(神奈川県大和市)に構築しました。
(特長) (a) サーバルームモックアップ
モックアップは6.6m×6.6m×5.0m(高さ)、二重床高さ1m。サーバラックの負荷は12kWまで可変可能です。
(b) 導光板キャッピング「スマート・エア・シールド」
天井部に導光板を用いており、漏風を防ぐとともに、照明として照度を確保し、ラック温度センサと連動してLED色を変化させることで、環境変化の見える化を実現しました。
(c) サーバラック設置「フレキシブル架台」
幅方向はフリーサイズで奥行方向は3タイプに対応可能なチャンネルベースを開発しました。また、直接鉄骨架台に設置することのできる納まりとし、大幅な工期削減を可能としています。(※3)
●今後の展開
L-LACについては、高密度サーバ対応技術として、新築・改修を問わず、幅広くDCに活用可能なシステムとして、積極的な営業展開を予定しています。 DC実証試験モックアップ装置は、お客様のニーズ、サーバの高密度化ならびに水冷サーバ化などの動向に素早く対応するための実証試験・検証の場として活用します。
※1:L-LACは三機工業株式会社と新日鉄住金エンジニアリング株式会社の登録商標です。
※2:下吹空調機、L-LACともに風量はインバータ制御、ラック発熱8〜10kW/ラック、ラック数約230台設置の場合で試算。
※3:今後導入想定のデータセンタにて、工数は約半分、費用で約10〜20%の削減。
三機工業株式会社 新日鉄住金エンジニアリング株式会社
東京支社設計部 谷知 TEL:03-6367-7180 総務部広報室 TEL:03-6665-2366
経営企画室広報部 古久保 TEL:03-6367-7041
三機工業株式会社
新日鉄住金エンジニアリング株式会社
データセンタ向け空調システム『L-LAC』の開発
並びに同システムを用いた実証試験モックアップ装置の構築
三機工業株式会社(代表取締役社長執行役員:梶浦 卓一)と新日鉄住金エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:高橋 誠)は共同で、データセンタ(以下:DCという)向けサーバ冷却技術として、床下設置型局所空調システムL-LAC(※1)(LocaL Air Conditioner)を開発しました。
更にこのL-LACの性能、施工、リスク対策を含む実機総合試験のため、サーバルームを模したDC実証試験モックアップ装置を構築しました。
両社は、これまでも多くのDCの設計・施工実績を有し、昨年新日鉄住金エンジニアリングは、都内に最先端DCを設計・施工で構築し、三機工業は、同所にて空調設備を担当しました。
今後はこの試験装置を活用し、更に空調効率の高いDCの設計、施工、運用まで一貫したトータルソリューションを提供します。
●開発の背景
ITの急速な発展と普及に伴い、DCに設置されるIT機器(サーバ)は高密度化が一段と進んでいます。従来はサーバラックあたりの電力供給量は2〜4kVAであったものが、近年では6〜10kVAとなり、さらには局所的に30kVA以上の検討も始まっています。IT機器の消費電力や発熱量も増加の一途と予測され、高効率な冷却技術の開発が急務であるとともに、サーバルーム全域の気流や温度の分布予測と実測に基づく効率的運用管理が重要視されています。
●概要と特長
(1) 床下設置型局所空調システム L-LAC
(概要) L-LACは、高密度サーバを搭載したラックの直下に設置し、下吹空調機と併用運転でサーバを冷却するコンパクトな局所空調システムです。L-LAC本体は、冷却コイル、ファンユニット、そしてサーバ排熱を戻すキャンバスダクトで構成されます。床下に設置するため、サーバラックのスペースを減少させることがありません。また、高密度サーバの配置に合わせてフレキシブルに局所で対応することが可能です。
【特長】 (a) 効率性
一般的に高密度サーバが混在して設置される場合、従来の下吹空調機単独運転だけではサーバラック上部に熱だまりが発生し、この熱だまりの高温空気が隣接するサーバラックに入り込み、悪影響を及ぼします。今回のL-LACは、下吹空調機とL-LAC本体が排熱処理を全体と局所で分担するため、熱だまりを解消することができます。これにより全体の供給風量を増加させることなく、効率的にサーバラック廻りの熱環境を改善することができます。
(b) 省エネルギー性
今回のL-LACは、下吹空調機単独運転時に比べ、空調搬送動力を最大で50%程度低減することができます(※2)。また、冷却コイルを二重化しているので、一系統を自然エネルギー利用である冷却水冷房とするなど有効に活用できます。
(c) リスク対策
L-LACは、冷却コイルを二重化しています。また、サーバルームに冷水管を配管しますが、漏水に対するリスク対策として極力継ぎ手を少なくし、自動開閉機能付継手を取り付けるなどの工夫をしています。さらに、複数のファンで構成されたファンユニットは、1台のファンが故障してもコイル前後差圧が一定となるように残りのファン風量が増加するリスク回避制御を採用しています。
(2)DC実証試験モックアップ装置
【概要】 L-LACの実証性能試験、施工性、リスク対策など総合試験のため、気流・温度計測が可能なDC実証試験モックアップ(実寸模型)装置を三機工業大和事業所(神奈川県大和市)に構築しました。
(特長) (a) サーバルームモックアップ
モックアップは6.6m×6.6m×5.0m(高さ)、二重床高さ1m。サーバラックの負荷は12kWまで可変可能です。
(b) 導光板キャッピング「スマート・エア・シールド」
天井部に導光板を用いており、漏風を防ぐとともに、照明として照度を確保し、ラック温度センサと連動してLED色を変化させることで、環境変化の見える化を実現しました。
(c) サーバラック設置「フレキシブル架台」
幅方向はフリーサイズで奥行方向は3タイプに対応可能なチャンネルベースを開発しました。また、直接鉄骨架台に設置することのできる納まりとし、大幅な工期削減を可能としています。(※3)
●今後の展開
L-LACについては、高密度サーバ対応技術として、新築・改修を問わず、幅広くDCに活用可能なシステムとして、積極的な営業展開を予定しています。 DC実証試験モックアップ装置は、お客様のニーズ、サーバの高密度化ならびに水冷サーバ化などの動向に素早く対応するための実証試験・検証の場として活用します。
※1:L-LACは三機工業株式会社と新日鉄住金エンジニアリング株式会社の登録商標です。
※2:下吹空調機、L-LACともに風量はインバータ制御、ラック発熱8〜10kW/ラック、ラック数約230台設置の場合で試算。
※3:今後導入想定のデータセンタにて、工数は約半分、費用で約10〜20%の削減。
三機工業株式会社 新日鉄住金エンジニアリング株式会社
東京支社設計部 谷知 TEL:03-6367-7180 総務部広報室 TEL:03-6665-2366
経営企画室広報部 古久保 TEL:03-6367-7041