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企業経営者、人材開発・教育担当者への提言『人材開発白書2013』発行

2013年2月4日

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所

組織の壁を越え、周囲を巻き込みながら戦略を推し進めるミドルのあり方を提言
・企業経営者、人材開発・教育担当者に提言
・『人材開発白書2013』発行

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所(本社:東京都港区六本木3-1-1、代表取締役:芳澤 宏明、資本金:1億円)は、2013年2月4日に『人材開発白書2013』を発刊しました。2012年版に引き続いて「戦略実行力」をテーマとし、製造業中心に22社のミドルマネジャー1023人への質問紙調査をもとに、組織の壁の形成要因を分析するとともに、その壁を乗り越えるためのミドルマネジャーのあり方について提言をまとめました。

■『人材開発白書2013』の概要
 戦略を策定するだけでは業績の改善につながりません。実行してはじめてその果実を手にすることができます。業績低迷が続くなか、これまではあまり注目されなかった「戦略実行」という課題に、多くの企業が関心を寄せるようになってきています。どうすれば戦略を実行できるのか。富士ゼロックス総合教育研究所ではトップと現場をつなぐミドルマネジャーに焦点を当て、3年間に渡る調査研究を進めてきました。
 当社は、過去2年間の調査を通じて、戦略実行を妨げる要因の一つが組織間連携の不備と見ています。組織のしがらみを乗り越え、他組織を巻き込みながら戦略を推し進めるミドルマネジャーが求められているといえます。
 そこで今回の『人材開発白書2013』では、組織間連携の阻害要因を明らかにすることを目的に、1023人(22社)の課長クラスへの質問紙調査を実施し、5つの阻害要因を抽出しました。

1.相互の方針のずれ
2.相手組織の能力・人手不足
3.自己の連携構築力不足
4.部門重視の制度
5.心理的なわだかまり

そして、このような中で戦略実行に向けて組織間連携を進めるためのミドルマネジャーのあり方を、下記の3つの提言としてまとめました。
1) よく知らない相手に対してこそ、臆せずに一歩踏み出す
日ごろの関係が薄い相手との連携にはどうしても及び腰になる。しかしそういう相手との連携こそが、これまでにない効果をもたらす。また、他者は自分が思う以上に協力的である。まずは、連携構築に向けて、臆せずに一歩を踏み出すべきである。
2)時間的・空間的広がりから相手にとっての利益を考え、説明する
同じ企業・事業部内の組織でも、機能が違えば利害対立は避けられない。すぐれたマネジャーは自分の要求を押し通そうとするのではなく、Win-Winになる方法を探っている。そのための一つの方法は、より長期の目的にさかのぼったり、自分対相手という枠を超えて考えることである。
3)信頼を得るべく、普段から関係性に投資する
相手に連携の要求が受け入れられるかどうか、頼む内容ではなく、頼む人で決まることが多い。信頼できる人であれば、多少の疑問が生じても受け入れてもらえる。しかし残念ながら、信頼される人になるための近道はない。信頼に値する行動をとり続けるしかない。

■「人材開発白書」とは
 『人材開発白書』とは、1989年に経済同友会にて発表された「新しい個の育成」の流れを汲んで、当時経済同友会において教育部会長を務めていた小林 陽太郎(富士ゼロックス株式会社元取締役会長、当社元取締役会長)の発案で、当社が人材開発の研究に継続して取り組んだ、その成果報告としてスタートしました。1990年に「価値創造型リーダーの育成」を発表後、1994年からは人材開発問題の時宜を得たテーマを選択して調査・研究を行い、「人材開発白書」としてこれまで11回の発刊を通して、企業経営者、人材開発・教育担当者に、人材開発のあり方について独自の視点で提言してまいりました。
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