固形がん患者を対象とするビフィズス菌抗がん剤 APS001F の臨床第1相試験の開始について
[13/03/28]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2013年3月28日
株式会社アネロファーマ・サイエンス
固形がん患者を対象とするビフィズス菌抗がん剤 APS001F の臨床第1相試験の開始について
株式会社アネロファーマ・サイエンスは、このたび、組換えビフィズス菌抗がん剤(開発コード;APS001F)の臨床第1相試験を米国において開始しました。この臨床試験は、固形がん患者を対象としており、また、初めてヒトに対してAPS001Fを投与する試験です。
1. 臨床試験の概要
この臨床試験は、進行性や転移性の固形がん患者を対象に実施され、主にAPS001Fの安全性および認容性を検討し、臨床第2相試験の推奨用量を決定します。また、APS001Fの抗腫瘍効果も検討します。これまで複数名の患者登録が行われ、既にこの臨床試験は進行しています。
この臨床試験は、当初、米国の治験実施施設1ヶ所で開始し、段階的に参加施設を増やす予定です。
2. APS001Fの概要
APS001Fは、ビフィズス菌がシトシンデアミナーゼ酵素を発現するよう形質転換した、組換えビフィズス菌抗がん剤です。
ビフィズス菌は主な腸内細菌としてよく知られており、毒素など有害物質を産生せず、また酸素のない環境で生育する嫌気性菌です。
固形がんは、正常組織とは異なり、酸素の少ない環境であることが知られています。APS001Fを静脈から投与すると、酸素のない環境を好むビフィズス菌の性質により、APS001Fが固形がんに選択的に集積し、シトシンデアミナーゼ酵素を発現します。この状態で5-フルオロシトシン(5-FC、抗真菌剤)を経口投与すると、固形がん部位に選択的に集積したAPS001Fが発現しているシトシンデアミナーゼ酵素により、もともと抗がん作用のない5-FCが抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)に固形がん部位でのみ変換され、抗腫瘍効果を発揮します。
APS001Fを用いる療法は、高濃度の5-FUを持続的に固形がん部位だけに維持できることが最大の特徴で、効果はもちろんのこと、副作用の低減が期待されます。
3. APS001Fの開発背景
固形がんの低酸素環境は、がん細胞の増殖速度に対して腫瘍血管の形成が追いつかず、脆弱な血管が形成されることから、引き起こされます。そのために抗がん剤のがん細胞への送達が妨げられてしまい、固形がんは化学療法に対して抵抗性を示します。
また、放射線治療は酸素の存在に強く依存することから、低酸素環境にあるがん細胞は放射線治療に抵抗性を示します。
更に、がんの低酸素環境は、がん細胞の転移や正常組織への浸潤を促すこともわかってきています。
近年、がんの低酸素環境は、がん克服のための重要な研究テーマとして盛んに取り上げられています。低酸素環境を標的とする抗がん剤の開発が試みられていますが、今のところ成功した事例はありません。APS001Fは、ビフィズス菌の性質を利用して、固形がんの低酸素環境を標的とするまったく新しいコンセプトの抗がん剤として、今後の進展が期待されています。
4. 株式会社アネロファーマ・サイエンスについて
信州大学で研究が進められていたビフィズス菌を用いた抗がん剤の実用化開発を企図して設立されたベンチャー企業です。本社は東京都中央区、研究所は長野県松本市の信州大学松本キャンパス内に位置します。信州大学大学院医学系研究科の谷口俊一郎教授と東京医科大学の藤森実教授が当社の取締役に就任しています。概要は次のとおりです。
会社名:株式会社アネロファーマ・サイエンス
設立:2004年8月9日
資本金:1億円
主要株主:株式会社 産業革新機構、他
事業内容:ビフィズス菌を用いた新規抗がん製剤及びデリバリー技術の開発
代表者:代表取締役 三嶋 徹也
従業員数:20名
本社:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町19-8 八重洲KHビル4F
研究所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 信州大学旭総合研究棟
以上
株式会社アネロファーマ・サイエンス
固形がん患者を対象とするビフィズス菌抗がん剤 APS001F の臨床第1相試験の開始について
株式会社アネロファーマ・サイエンスは、このたび、組換えビフィズス菌抗がん剤(開発コード;APS001F)の臨床第1相試験を米国において開始しました。この臨床試験は、固形がん患者を対象としており、また、初めてヒトに対してAPS001Fを投与する試験です。
1. 臨床試験の概要
この臨床試験は、進行性や転移性の固形がん患者を対象に実施され、主にAPS001Fの安全性および認容性を検討し、臨床第2相試験の推奨用量を決定します。また、APS001Fの抗腫瘍効果も検討します。これまで複数名の患者登録が行われ、既にこの臨床試験は進行しています。
この臨床試験は、当初、米国の治験実施施設1ヶ所で開始し、段階的に参加施設を増やす予定です。
2. APS001Fの概要
APS001Fは、ビフィズス菌がシトシンデアミナーゼ酵素を発現するよう形質転換した、組換えビフィズス菌抗がん剤です。
ビフィズス菌は主な腸内細菌としてよく知られており、毒素など有害物質を産生せず、また酸素のない環境で生育する嫌気性菌です。
固形がんは、正常組織とは異なり、酸素の少ない環境であることが知られています。APS001Fを静脈から投与すると、酸素のない環境を好むビフィズス菌の性質により、APS001Fが固形がんに選択的に集積し、シトシンデアミナーゼ酵素を発現します。この状態で5-フルオロシトシン(5-FC、抗真菌剤)を経口投与すると、固形がん部位に選択的に集積したAPS001Fが発現しているシトシンデアミナーゼ酵素により、もともと抗がん作用のない5-FCが抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)に固形がん部位でのみ変換され、抗腫瘍効果を発揮します。
APS001Fを用いる療法は、高濃度の5-FUを持続的に固形がん部位だけに維持できることが最大の特徴で、効果はもちろんのこと、副作用の低減が期待されます。
3. APS001Fの開発背景
固形がんの低酸素環境は、がん細胞の増殖速度に対して腫瘍血管の形成が追いつかず、脆弱な血管が形成されることから、引き起こされます。そのために抗がん剤のがん細胞への送達が妨げられてしまい、固形がんは化学療法に対して抵抗性を示します。
また、放射線治療は酸素の存在に強く依存することから、低酸素環境にあるがん細胞は放射線治療に抵抗性を示します。
更に、がんの低酸素環境は、がん細胞の転移や正常組織への浸潤を促すこともわかってきています。
近年、がんの低酸素環境は、がん克服のための重要な研究テーマとして盛んに取り上げられています。低酸素環境を標的とする抗がん剤の開発が試みられていますが、今のところ成功した事例はありません。APS001Fは、ビフィズス菌の性質を利用して、固形がんの低酸素環境を標的とするまったく新しいコンセプトの抗がん剤として、今後の進展が期待されています。
4. 株式会社アネロファーマ・サイエンスについて
信州大学で研究が進められていたビフィズス菌を用いた抗がん剤の実用化開発を企図して設立されたベンチャー企業です。本社は東京都中央区、研究所は長野県松本市の信州大学松本キャンパス内に位置します。信州大学大学院医学系研究科の谷口俊一郎教授と東京医科大学の藤森実教授が当社の取締役に就任しています。概要は次のとおりです。
会社名:株式会社アネロファーマ・サイエンス
設立:2004年8月9日
資本金:1億円
主要株主:株式会社 産業革新機構、他
事業内容:ビフィズス菌を用いた新規抗がん製剤及びデリバリー技術の開発
代表者:代表取締役 三嶋 徹也
従業員数:20名
本社:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町19-8 八重洲KHビル4F
研究所:〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 信州大学旭総合研究棟
以上