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酒文化研究所アンケート調査【酒飲みのミカタ11月】

2013.11.12

株式会社酒文化研究所

“酒飲みのミカタ”〜11月号  「和食の無形文化遺産登録の和酒への影響」

 日本がユネスコの無形文化遺産への登録を目指していた「和食〜日本人の伝統的な食文化」が、本年「登録」される見通しとなりました。正式決定は12月ですが、今回「登録」を勧告されたのでほぼ決定と考えてよさそうです。食関連では、「フランスの料理や食文化」「地中海周辺の料理」「メキシコの伝統料理」「トルコの麦かゆ食」に続く4番目の登録となります。和食と和酒、特に日本酒は密接な関連がありますので、今回は酒飲みの立場から、和食の無形文化遺産登録について意見を伺いました。(※回答者は「さけ通信」の読者モニターで、「ほとんど毎日酒を飲む」と言う方が7割、酒のヘビーユーザーであり、酒への関心の高い方々です。)

  30代以下ではこれを機会に和酒を飲む機会が増える
 和食が世界無形文化遺産に12月に登録されそうだということは、回答者の77%がすでに知っていると答えており、酒飲みにとっては関心の高いニュースであったことが伺えます(図(1))。
 この登録をきっかけに和酒(日本酒や焼酎)を飲む機会が増えますかという質問に対しては、全体の48%が増えると予想しています(図(2))。これを年代別にみると30代以下では増えるが62%と高く、60代以上では、37%と少なくなっていました。これは60代以上の回答者にはもともと日本酒や焼酎をよく飲む人が多いという背景もあるようです。
 「すでに日本酒は毎日飲んでいるので、これ以上増えることはない」(60歳以上男性)、「私の家では8割は和食です。いつも日本酒か焼酎で晩酌をしています」(60歳以上男性)という回答に代表されます。一方で、若い人たちからは、「和食は結婚してから美味しさに気付きました。煮物や焼き魚などが好きなので、焼き魚や季節の野菜に合う日本酒を探してみたい。」(30代男性)などの意見もありました。
 和食に対して持っているイメージは「日常の食事で健康の秘訣」(40代男性)、「普段はパンやラーメンが多いのですが、時々どうしても食べたくなるもの」(30代男性)、「慣れしんだ味であるとともに、懐石料理のような少し敷居の高いオシャレな料理まで幅が広い」(30代女性)、「健康的ですが粗食の感じが強い」(20代男性)、「簡単にでも手を尽くした料理でもどちらにもできる」(50代女性)「寿司と懐石料理など目でも楽しめるのが和食の特徴」(50代男性)など人により日常の食から特別な料理までイメージする料理の幅は広いようです。

  季節感がある飲酒は、「花見酒」「鍋に燗酒」
 和食の無形文化遺産登録にあたっては、季節を感じる食文化であるということも理由にあげられています。そこで、日本の酒文化の中で季節を感じられるものを選んでもらったところ、トップは、「花見酒」62%で、以下「鍋と燗酒」「新酒しぼりたて」「雪見酒」までが40%を超えました。この中でも「花見酒」は30代以下が73%、「鍋と燗酒」は60歳以上が57%と世代によって季節感を感じさせる飲酒シーンにも違いがみられます(図(3))。やはり、自分自身の好むもの、体験回数の違いなどが影響しているようです。

 また、この登録をきっかけに期待することとしては、「海外での和食の普及に拍車がかかること」や、「和酒の国際化が進むこと」を予想している人が回答者の過半数を占めていました(図(4))。

■調査概要
調査時期2013年11月1日(金)〜2013年11月7日(木)
調査対象酒文化研究所の酒好きモニター(N=1321)
有効回答201(回答率15%)
調査方法インターネットによる自記入式アンケート調査
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