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福井大学と共同で、手術不能肝細胞がんに対する臨床試験を開始

2014/2/6

医療法人社団 滉志会

福井大学と共同で、手術不能肝細胞がんに対する樹状細胞局注療法と
肝動脈塞栓療法(TAE)の併用治療に関する臨床試験を開始

医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループは、国立大学法人福井大学(福井県吉田郡:研究責任医師 中本安成 医学部内科学教授)および株式会社メディネットと共同で、手術不能肝細胞がんに対する肝動脈塞栓療法(以下、「TAE」)と樹状細胞局注療法の併用治療に係る臨床試験を実施します。
日本の肝臓がん年間死亡数は3万人を越え、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目に死亡数の多い疾患となっていますi
本臨床試験では、手術不能な進行肝がんへの新しい治療法の開発を目的として、TAEに樹状細胞局注療法を併用した場合の安全性および有効性を評価します。TAEは、肝がんに栄養を送る動脈にカテーテルを挿入し、薬剤注入により血管を塞ぐことで、がん細胞を“兵糧攻め”にする治療法です。本臨床試験では、TAEを実施する際に同療法で使用するカテーテルを用いて腫瘍局所的に樹状細胞を投与します。TAEにより死滅した一部のがん細胞の特異抗原(がんの目印)を樹状細胞が取り込み、Tリンパ球に攻撃目標として提示することで、生き残ったがん細胞を特異的(選択的)に殺傷させ、治療効果向上を期待するものです。 。肝臓がんの9割を占める肝細胞がん(以下、「肝がん」)の最も効果的な治療は手術による切除ですが、対象は早期症例に限られており、多くの肝がんにおいて手術以外の治療法が選択されています。手術不能症例においてはTAE単独治療が標準治療の一つとして選択されますが、3年再発率は88.4%と極めて高く、より効果の高い新たな治療法が求められています。
樹状細胞局注療法をTAEと併用する手法は、本臨床試験の研究責任医師である福井大学中本教授により研究されてきた実績ii
樹状細胞はより特異的で強力な免疫応答を誘導する細胞として期待されています。本臨床試験は、樹状細胞を用いて肝がんの標準療法であるTAEの上乗せ効果を狙う画期的な研究であり、再生・細胞医療に係る法制度が整いつつある中、先進医療の承認取得や医師主導治験等への発展を通じて、手術不能進行肝がんに対する新たな治療法の確立に寄与してまいります。 があり、今回、更なる治療効果向上を目指して瀬田クリニックグループと共同の臨床試験として実施するものです。得られた臨床結果は福井大学と瀬田クリニックグループ臨床研究・治験センターとが共同で解析、評価を行います。

i 公益財団法人 がん研究振興財団 「がんの統計‘13」より。肝臓がんの死亡者数は肝細胞がんと胆管細胞がんの合計。

ii Clinical & Experimental Immunology 2007, 147:296-305/Clinical & Experimental Immunology 2010, 163:165-177

【 医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループについて 】
1999年3月、免疫細胞治療の専門医療機関として「瀬田クリニック」を開院、現在は、瀬田クリニック東京(東京都千代田区)、瀬田クリニック新横浜(神奈川県横浜市)、瀬田クリニック大阪(大阪府吹田市)、瀬田クリニック福岡(福岡県福岡市)の4クリニックを開設しています。開院以来、約17,000名の患者さんに対し、約13万回の治療を提供しています(2014年2月現在)。2009年に設置した臨床研究センター(現:臨床研究・治験センター)では、開院以来の治療実績から抽出した臨床データの解析に加え、大学病院、地域中核医療機関等との共同臨床研究を行い、Evidenceの強化、治療効果の更なる向上に取り組んでいます。
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