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NICTと特許庁が多言語特許文献の高精度自動翻訳の実現に向けて協力合意

2014年7月28日

独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)

NICTと特許庁が多言語特許文献の高精度自動翻訳の実現に向けて協力合意

独立行政法人 情報通信研究機構(理事長: 坂内 正夫、以下「NICT」)と特許庁(長官: 伊藤 仁、以下「JPO」)は、多言語特許文献の日本語への自動翻訳の必要性の高まりを受け、自動翻訳の精度向上に向けて協力して進めることで合意しました。
特許文献の自動翻訳に関しては、特許庁が主に原語文献の収集を行い、NICTがそれを基に主に自動翻訳の精度向上策を検討します。
相互が協力することにより、最終成果物である多言語の高精度自動翻訳の活用を行うことで、日本における特許検索の高精度化、特許調査・審査の効率化が期待できます。

【背景】
 欧米の特許出願、近年急増している中国の特許出願、将来増加が見込まれるASEAN諸国の出願などに伴い、外国語特許文献を日本語化することが求められています。この状況に対応していくためには、多言語の高精度自動翻訳の実現と活用が不可欠といえます。
 NICTは、これまで、特許など長文を処理できる高精度な自動翻訳技術を研究開発し、既に、英日自動翻訳システム、中日自動翻訳システムとして、民間への技術移転を行っています。また、さらに、開発した自動翻訳システムを広く試用していただくために、Web上での公開を開始しました。これらの実績について、高い評価を受け、先月、アジア太平洋機械翻訳協会の長尾賞を受賞いたしました。

【NICTとJPOの協力】
 このたび、NICTとJPOは、多言語特許文献の自動翻訳の精度向上及び活用促進を目的とし、下記の事項をはじめとして協力して進めることで合意しました。
・英語、中国語、韓国語に加えて、特許出願件数の多い欧州のドイツ語、ロシア語、フランス語やASEANのタイ語、ベトナム語、インドネシア語の特許文献の自動翻訳の研究
・英語特許文献の自動翻訳結果の有用性を特許庁の検索環境で検証
・自動翻訳の構築に有用な対訳コーパスの高品質化及び対外提供                     

【協力の成果展開】
 両者の協力の成果により、JPOでの自動翻訳活用による特許審査の効率化や、特許文献由来の高品質な対訳コーパスの普及などによる民間の特許文献自動翻訳サービスの高品質化などが期待されます。
 また、NICTは、研究開発成果の社会還元を積極的に進めており、JPOとの協力によって得られた自動翻訳の精度向上等の成果について、社会での活用に積極的に取り組んでいく予定です。
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