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【海外リサーチ】中国におけるデング熱に関する報道及び口コミの反応速報

2014年09月12日(金)

株式会社ホットリンク

【海外リサーチ】中国におけるデング熱に関する報道及び口コミの反応速報

株式会社ホットリンクと普千(上海)商務諮訊有限公司では、中国本土で話題になっている事件・社会現象等を「新浪微博(シナウェイボー)」データより分析し、中国に進出している日系企業に向けてお届けします。

日本でも代々木公園、新宿御苑が閉鎖されるなど、騒ぎが拡大しているデング熱ですが、中国でも広東省を中心に感染者が拡大しており、メディアも連日この話題を取り上げています、またウェイボー上でもこうしたメディアの報道を受けて不安の声、意見等が多数書き込まれおり、関心度ではアフリカで被害が拡大しているエボラ出血熱を大きく上回っています。

(広州市、デング熱感染者1,000人超、市は駆除に全力)
http://v.ifeng.com/news/society/201409/012915a2-9f53-46c4-aede-f66d8e8f08b7.shtml

(広東省疾控中心:広州市のデング熱感染者は現在1,021例)
http://news.ifeng.com/a/20140907/41892339_0.shtml

そこで今回は、デング熱関連のメディア報道の状況やウェウボー上での生活者の声を通じて、中国におけるデング熱に対する反響を速報という形で分析してみたいと思います(※1)。

※1今回の分析のモニター対象メディア
報道:新聞450紙 雑誌120誌web記事3,000サイト
口コミ:BBS、BLOG:600サイト 新浪微博(シナウェイボー)

中国におけるデング熱関連報道及び口コミ露出件数推移

1.報道内容について
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メディアでデング熱に関する報道が出始めたのは6月10日頃で、最初はデング熱の流行に警戒すべきという呼びかけの内容がほとんどでしたが、6月末から7月に入り、中国でも特に広東省を中心に感染者の例が報告されるようになると、メディアの報道は、「各地の感染者数の状況」、「政府のデング熱感染拡大への対応策」、「海外でのデング熱流行の状況」等が中心となっていきました。更に8月になると「日本でのデング熱の発生」、「特効薬、ワクチンに関する情報」、「政府の取り組み」等の報道が中心となりました。報道件数の推移をみると、その増加数は緩やかで、以前に発生したSARSや鳥インフルエンザのような大々的な報道は今のところみられません。

●報道例
6月
(省疾控中心:デング熱リスク上昇、8月がピークに)
http://news.sina.com.cn/c/2014-06-13/052330351844.shtml

(ブラジルワールドカップをみにいくならデング熱にご用心)
http://n.cztv.com/news2014/325663.html

7月
(広州でデング熱感染者、エボラとともに監視強化)
http://v.ifeng.com/news/society/201407/01803119-71d4-46f0-bdbb-75da38f5251c.shtml

(広州番禺:デング熱蔓延で“村が封鎖”はデマ)
http://domestic.kankanews.com/c/2014-07-31/0015246427.shtml

(市衛生局劉忠奇副書記、デング熱防止監督作業現場を視察)
http://news.hexun.com/2014-07-30/167122100.html

8月
(日本70年で初めてデング熱発生、東京中の公園が閉鎖)
http://world.people.com.cn/n/2014/0831/c1002-25574481.html

(台湾、本土のデング熱感染者1,000件突破、感染は尚拡大中)
http://www.chinanews.com/tw/2014/08-29/6545529.shtml

9月
(広東省、デング熱感染例1,140件、既に例年の一年分に相当)
http://news.sina.com.cn/o/2014-09-10/105130818928.shtml

2.ウェイボーの書き込みについて
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報道露出件数の増加が緩やかなのに対して、広東省での大量感染が明らかになって以降、ウェイボーへの書き込み件数は爆発的に増加しており、生活者の高い関心が伺えます。書き込み内容は、前回のエボラ出血熱の際と同様に、感染や蔓延に対する不安の声や、対策の質問等が大部分を占めています。死亡率が非常に高いエボラ出血熱に比べると重症化の可能性は比較的小さいデング熱については、相対的に冷静な声が多いものの、災害や疾病流行の際に必ず現れる当局への不振の声は今回も露出しているほか、政府幹部の現場視察を“出世のためのポイント稼ぎ”と揶揄する内容も多くみられます。

●ウェイボー書き込み例
・SARS、鳥インフルエンザ、エボラで今後はデング熱、広東省は病気の巣だね
・蚊に刺されないように気をつけるなんて中国では至難のわざ
・広州の番禺でデング熱大流行で閉鎖された村があるというのはデマって言ってたけど
  本当にデマなのか確認のしようがないのが恐ろしい…
・風邪ひいて休んだだけでみんなのみる目が厳しい、ただの風邪だって!
・広州では既に感染者が1,500人を超えているらしいぞ、蚊帳が売り切れているそうだ。
・蚊帳、蚊取り線香、虫除けスプレー等を生産する会社の陰謀という噂…
・政府発表のこの手の数字はほとんどが嘘だからね、希望を述べているにすぎない
・デング熱では死なないと思ってるから偉いやつらもここぞとばかりに視察で
  ポイント稼ぎ、本気なんだったらエボラの現場へ視察いけや!
・豚インフルエンザのときは塩が売り切れた覚えがある、今後は何が売り切れるのだろう
・さっき蚊に刺された、やべええ。

3.速報まとめ
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デング熱の流行については、ウェイボー上でも多くの人が関心を持っていますが、完全な防御が難しいこともあり、多くの人が諦めの声をあげているのが現状です。また一部の専門家は自身のウェイボーのアカウント上で、“デング熱の発生は気候に左右される部分が大きいとは思うが、中国の都市開発にも問題があると思われる。都市の緑化自体は素晴らしいことではあるけれども、無計画に緑地や池等が増やしたことで、都市で蚊が生息できる場所が増加したことが今回の大流行の一因でもある”と無秩序な開発に警鐘を鳴らしています。メディアでは8月が流行のピークであり、秋以降は落ち着くと伝えていますが、ウェイボー上の書き込み件数をみる限りは、生活者の関心はまだまだ続いているようです。中国では、流行病、伝染病が発生した場合、感染者数や政府の取り組み等は積極的に報道されますが、実際の状況、予防対策、感染した場合の処置、有効な措置といった情報はあまり発信されないため、「〜が効くらしい」「〜で大量の死者が出たらしい」といったデマが生まれやすい環境にあります。そのため今後どのような混乱が発生するかはまだまだ未知数であり、引き続き警戒が必要だと考えられます。

■株式会社ホットリンクについて(http://www.hottolink.co.jp/
ホットリンクは、ソーシャル・ビッグデータを分析・加工し、ビジネスへの有効活用を支援するクラウドプラットフォームベンダーです。大量のソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに検索・分析が可能な「クチコミ@係長」、及び風評をモニタリングする「e-mining」を、現在まで累計1600 社以上に提供してまいりました。また同様に、ソーシャル・ビッグデータおよび、感情/属性分析エンジンを、API を通じてサードパーティ向けに提供しています。また、2013年 6月より金融分野では、日本企業初のBloomberg 利用者向け金融ビッグデータ分析ツールを提供しています。

■普千(上海)商務諮訊有限公司について
2001年設立。日系広告会社、PR会社、ナショナルクライアントを中心に、中国市場で展開企業、ブランド、商品の広告、記事、口コミ情報の統合的モニタリングを行い、収集したデータをもとに、データ分析、レポート作成、マーケティング戦略、PR戦略、WEB戦略、コミュニケーション戦略コンサルティングサービス等を提供。運用する広告、記事、口コミデータベースは業界最大規模。

■お問い合わせ
株式会社ホットリンク 武藤、宮田
東京都千代田区四番町6番東急番町ビル TEL:03-5745-3900
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