「木で、未来をつくろう2014」
[14/11/20]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
平成 26 年 11 月 20 日
「木で、未来をつくろう 2014」実行委員会
建築界のノーベル賞“プリツカー賞”を受賞した世界的建築家・坂茂さんらが
木材を使用した建築の魅力を語った
「木で、未来をつくろう2014」
持続可能な社会作りが、世界共通の課題のなか、再生可能な資源である木材を使用した建築の魅力が、今、ヨーロッパを中心に見直されています。
11月20日(木)、優れた木の建築と、その建築物に木を扱う新しさ・利点をひもときながら、鉄やコンクリートにはない温もりのある自然素材としての木の価値や、日本の木の利用を見つめ直し、未来につなげるためのトークイベント、ならびに、パネルディスカッション 「木で、未来をつくろう2014」を開催しました。
また会場では、実際に日本の木の良さを体感できる、全国各地の様々な木製品の展示を行いました。
<当日の様子>
当日は、まず主催者挨拶として、林野庁 今井 敏長官から「日本は国土の7割を占めているのが森林。しかし木材の自給率は低く、ほぼ国外に頼っていたのが実情でした。それが、最近は30%台まで回復しつつあります。これからの地方創生に向けて、木材の力を借りて地方を盛り上げていきたいです」と日本の木材利用についての力強い言葉がありました。
そして、建築界のノーベル賞“プリツカー賞”を受賞した世界的建築家である、坂 茂さんが「木材の可能性を考える〜被災地支援から美術館まで」をテーマに、トークセッションを行いました。坂さんは、紙を建築の構造として使う取り組みについて、「建築の強度・耐久性は材料のそれと関係がない、という信念のもとにやっていました。理論上は分かっていたことを実証しました」と語りました。また被災地支援については、「被災地の建築については、地元に根付いている良い建築家さんがいっぱいいるから、自分ではなくその人たちがやる方がいいと思っています。復興は、なるべく地元の人たちだけで出来るのが一番いいのではないでしょうか」と自らの考えを示しました。
パネルディスカッションでは、more trees 事務局長である水谷 伸吉さんをファシリテーターにお迎えし、各パネラーがそれぞれの立場から、建築空間デザインプロダクトにおける木材利用について、取り組みを紹介しました。
まずキーノート スピーチとして林野庁 吉田木材利用課長が、日本の森林の現状と国の取組みについて「林業という経済活動を通じて、自動的に山の中が整理されていくのが望ましいです。育ってきた木をいかに使うか、が大事だと考えます」と話しました。建築の視点からは、建築家 KUS一級建築士事務所 / NPO法人 team Timberizeの内海 彩さんが、建築家として大型木造建築へチャレンジされた実例をもとになぜ建築に木材を使ってきたのか、建築における木材を使う魅力について「木を通して、温かみのある光を家に入れました。また、木があることでこの町の景観にぬくもりを感じて欲しいという思いもありました」と語りました。オフィス空間とビジネス、また事業者視点からは、株式会社イトーキの末宗 浩一さんが、針葉樹を独自の技術で加工したオフィス家具の販売など、先進的に実践されているオフィス空間の木質化の取組みについて、「木はヒトの手で育てられる素材です。日本の家具も世界に通用させたいと思っています」と思いを伝えました。プロダクトの視点からは、デザイナーの柴田文江さんが、デザイナー目線での木材の使い方やその魅力について、「最初は使い慣れていない素材なので戸惑いましたが、国産材の現状を知って、デザインの力でなんとかできないか、と思いました。既成の概念をデザインで覆したいです」とコメントしました。more trees事務局長の水谷 伸吉さんは、各パネラーの取組みを踏まえた国産木材利用の魅力と価値特徴について、「さまざまな視点から木材利用についての話を聞くことができて、これまで木材を扱ったことがない方も、意外とスムーズに使えるのでは、と気づくきっかけになったのではないでしょうか」と称賛の言葉を述べました。
最後に未来への提言として、内海さん「山側から考えて、木がどのくらい建築の方に向かってくれるのか、と思っています。それに建築がどう答えられるのかを考えたいです」、末宗さん「林業家から木材を良い値段で買い取り、それを東京オリンピックで使いたいです。前の東京オリンピックが50年前だから、ちょうどその頃に切ってまた新たに植えられた木材を使用するということなんです」、吉田課長「日本は資源が少ないと言われるけれど、木はいっぱいあります。国としては、木を切ったけど道がなくて運べない、などの状況をなくしていきたいです」、柴田さん「まだまだ木を使ってやってみたいことはたくさんあります。また、木が扱いづらい素材だと感じているクリエイターも多いので、それを変えていきたいです」、水谷さん「ビジネスとして、一消費者として、国産材の利用促進を後押ししていきたいと思います」とそれぞれ木材利用についての思いを語りました。
<開催概要>
日時: 平成26年11月20日(木)14:00〜16:35
※2014年度木づかい顕彰表彰式 12:30〜13:30
会場: 増上寺
登壇者:【トークセッション】 坂 茂氏(建築家)
【シンポジウム】 柴田 文江氏(デザイナー)
末宗 浩一氏((株)イトーキ Econifa開発推進室 室長)
内海 彩氏(建築家 KUS一級建築士事務所/NPOteamTimberize)
水谷 伸吉氏(more trees 事務局長)
吉田 誠氏(林野庁 林政部 木材利用課長)
「木で、未来をつくろう 2014」実行委員会
建築界のノーベル賞“プリツカー賞”を受賞した世界的建築家・坂茂さんらが
木材を使用した建築の魅力を語った
「木で、未来をつくろう2014」
持続可能な社会作りが、世界共通の課題のなか、再生可能な資源である木材を使用した建築の魅力が、今、ヨーロッパを中心に見直されています。
11月20日(木)、優れた木の建築と、その建築物に木を扱う新しさ・利点をひもときながら、鉄やコンクリートにはない温もりのある自然素材としての木の価値や、日本の木の利用を見つめ直し、未来につなげるためのトークイベント、ならびに、パネルディスカッション 「木で、未来をつくろう2014」を開催しました。
また会場では、実際に日本の木の良さを体感できる、全国各地の様々な木製品の展示を行いました。
<当日の様子>
当日は、まず主催者挨拶として、林野庁 今井 敏長官から「日本は国土の7割を占めているのが森林。しかし木材の自給率は低く、ほぼ国外に頼っていたのが実情でした。それが、最近は30%台まで回復しつつあります。これからの地方創生に向けて、木材の力を借りて地方を盛り上げていきたいです」と日本の木材利用についての力強い言葉がありました。
そして、建築界のノーベル賞“プリツカー賞”を受賞した世界的建築家である、坂 茂さんが「木材の可能性を考える〜被災地支援から美術館まで」をテーマに、トークセッションを行いました。坂さんは、紙を建築の構造として使う取り組みについて、「建築の強度・耐久性は材料のそれと関係がない、という信念のもとにやっていました。理論上は分かっていたことを実証しました」と語りました。また被災地支援については、「被災地の建築については、地元に根付いている良い建築家さんがいっぱいいるから、自分ではなくその人たちがやる方がいいと思っています。復興は、なるべく地元の人たちだけで出来るのが一番いいのではないでしょうか」と自らの考えを示しました。
パネルディスカッションでは、more trees 事務局長である水谷 伸吉さんをファシリテーターにお迎えし、各パネラーがそれぞれの立場から、建築空間デザインプロダクトにおける木材利用について、取り組みを紹介しました。
まずキーノート スピーチとして林野庁 吉田木材利用課長が、日本の森林の現状と国の取組みについて「林業という経済活動を通じて、自動的に山の中が整理されていくのが望ましいです。育ってきた木をいかに使うか、が大事だと考えます」と話しました。建築の視点からは、建築家 KUS一級建築士事務所 / NPO法人 team Timberizeの内海 彩さんが、建築家として大型木造建築へチャレンジされた実例をもとになぜ建築に木材を使ってきたのか、建築における木材を使う魅力について「木を通して、温かみのある光を家に入れました。また、木があることでこの町の景観にぬくもりを感じて欲しいという思いもありました」と語りました。オフィス空間とビジネス、また事業者視点からは、株式会社イトーキの末宗 浩一さんが、針葉樹を独自の技術で加工したオフィス家具の販売など、先進的に実践されているオフィス空間の木質化の取組みについて、「木はヒトの手で育てられる素材です。日本の家具も世界に通用させたいと思っています」と思いを伝えました。プロダクトの視点からは、デザイナーの柴田文江さんが、デザイナー目線での木材の使い方やその魅力について、「最初は使い慣れていない素材なので戸惑いましたが、国産材の現状を知って、デザインの力でなんとかできないか、と思いました。既成の概念をデザインで覆したいです」とコメントしました。more trees事務局長の水谷 伸吉さんは、各パネラーの取組みを踏まえた国産木材利用の魅力と価値特徴について、「さまざまな視点から木材利用についての話を聞くことができて、これまで木材を扱ったことがない方も、意外とスムーズに使えるのでは、と気づくきっかけになったのではないでしょうか」と称賛の言葉を述べました。
最後に未来への提言として、内海さん「山側から考えて、木がどのくらい建築の方に向かってくれるのか、と思っています。それに建築がどう答えられるのかを考えたいです」、末宗さん「林業家から木材を良い値段で買い取り、それを東京オリンピックで使いたいです。前の東京オリンピックが50年前だから、ちょうどその頃に切ってまた新たに植えられた木材を使用するということなんです」、吉田課長「日本は資源が少ないと言われるけれど、木はいっぱいあります。国としては、木を切ったけど道がなくて運べない、などの状況をなくしていきたいです」、柴田さん「まだまだ木を使ってやってみたいことはたくさんあります。また、木が扱いづらい素材だと感じているクリエイターも多いので、それを変えていきたいです」、水谷さん「ビジネスとして、一消費者として、国産材の利用促進を後押ししていきたいと思います」とそれぞれ木材利用についての思いを語りました。
<開催概要>
日時: 平成26年11月20日(木)14:00〜16:35
※2014年度木づかい顕彰表彰式 12:30〜13:30
会場: 増上寺
登壇者:【トークセッション】 坂 茂氏(建築家)
【シンポジウム】 柴田 文江氏(デザイナー)
末宗 浩一氏((株)イトーキ Econifa開発推進室 室長)
内海 彩氏(建築家 KUS一級建築士事務所/NPOteamTimberize)
水谷 伸吉氏(more trees 事務局長)
吉田 誠氏(林野庁 林政部 木材利用課長)