ヤンマー1軸式ガスタービン「AT900形」が 国立科学博物館の未来技術遺産に登録されました
[15/09/03]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2015年9月3日
ヤンマー株式会社
ヤンマー1軸式ガスタービン「AT900形」が
国立科学博物館の未来技術遺産に登録されました
ヤンマー株式会社(本社大阪市 社長 山岡健人、以下ヤンマー)が、1983年(昭和58年)に開発に成功した純国産の単純開放1軸式ガスタービン※1「AT900形」試作機のカットモデルが、国立科学博物館(東京)の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されました。
AT900形は英国ノエルペニータービン社から技術導入して開発しつつあったAT600形と並行して、当社が独自に開発したものです。ガスタービンの持つ優れた特性(軽量、コンパクト、冷却水不要、低振動、低騒音など)を生かしつつ、非常用発電装置の動力源に特化した設計がされており、ころがり軸受の採用と軸受配置の最適化などにより、迅速な起動とプライミング(起動時の潤滑油循環作業)を不要とすることに成功しました。
またAT900形は、回転部を当時単段としては世界最高レベルの断熱効率78.2%(圧力比8.2)の遠心圧縮機と2段の一体成形タービンで構成※2することにより、大容量発電を実現しながらも軽量かつコンパクトな発電装置として市場において高い評価をいただきました。そして、その優れた性能により、民生用ガスタービンの普及に貢献し、世界的に見てもガスタービンを採用した非常用発電装置という考え方がなかった当時※3、それを確立した発電装置として意義深いものであるといえます。
AT900形のガスタービンはこれまでに約1400台が製造され、その多くは現在でも市場において稼働中であり、ひとびとの安心・安全なくらしを支えています。
【ご参考】
1.重要科学技術史資料(未来技術遺産)とは「科学技術の発達上重要な成果を示し、
次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、
文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」から選定され、国立科学博物館長が
『重要科学技術史資料登録台帳』に登録した文化財です。
2.現在、本機はヤンマー尼崎工場(兵庫県尼崎市)内の展示室に展示されております
(一般非公開)。
また、ヤンマーミュージアム(滋賀県長浜市)にもそのレプリカが展示されて
おります。
【文中脚注ご説明】
※1:単純開放1軸式ガスタービンについて
単純開放1軸式ガスタービンとは、圧縮機、燃焼器、タービンなどガスタービンの基本要素だけで構成され、 圧縮空気がタービンを駆動した後排気ガスとして全量排出されるエンジンを言います。これに対し、排気ガスから熱を回収して燃焼器の負担を減らす再生式や排気ガスを循環させて再使用する閉サイクル式、圧縮機を駆動するタービンと動力取出し用のタービンを別々にした2軸式といったガスタービンの形式があります。
※2:AT900形の回転部の構成(特徴)について(補足説明)
AT900形ガスタービンは最小の構成要素(圧縮機(1段)、タービン(2段))で従来エンジンと同等以上の性能を達成することに成功しました。さらにタービンは翼部とこれを支えるディスク部は一体で鋳造成形されており、翼部とディスク部を別々に成形して組み合わせる従来ディスク構造に対して大幅に部品点数を削減しました。この結果、AT900形ガスタービンはシンプルかつ信頼性の高いエンジンとして非常用ガスタービン発電装置の普及に貢献しました。
※3:非常用発電装装置について
1974 年に実施された消防法の大改正によりビルや大型店舗等に対する防災用発電設備(非常用発電装装置)の設置義務が強化されました。この装置の原動機として主にディーゼルエンジンが使われましたが、1978年の宮城県沖地震の際に一部のディーゼルエンジンが冷却水配管の損傷で稼動できなかったことおよび、小型軽量で振動騒音が少なく水による冷却が不要な小形ガスタービンが非常用発電装置の原動機として見直され急速に市場へ浸透していきました。
<注記>
ニュースリリースに記載されている内容は、記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。
ヤンマー株式会社
ヤンマー1軸式ガスタービン「AT900形」が
国立科学博物館の未来技術遺産に登録されました
ヤンマー株式会社(本社大阪市 社長 山岡健人、以下ヤンマー)が、1983年(昭和58年)に開発に成功した純国産の単純開放1軸式ガスタービン※1「AT900形」試作機のカットモデルが、国立科学博物館(東京)の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されました。
AT900形は英国ノエルペニータービン社から技術導入して開発しつつあったAT600形と並行して、当社が独自に開発したものです。ガスタービンの持つ優れた特性(軽量、コンパクト、冷却水不要、低振動、低騒音など)を生かしつつ、非常用発電装置の動力源に特化した設計がされており、ころがり軸受の採用と軸受配置の最適化などにより、迅速な起動とプライミング(起動時の潤滑油循環作業)を不要とすることに成功しました。
またAT900形は、回転部を当時単段としては世界最高レベルの断熱効率78.2%(圧力比8.2)の遠心圧縮機と2段の一体成形タービンで構成※2することにより、大容量発電を実現しながらも軽量かつコンパクトな発電装置として市場において高い評価をいただきました。そして、その優れた性能により、民生用ガスタービンの普及に貢献し、世界的に見てもガスタービンを採用した非常用発電装置という考え方がなかった当時※3、それを確立した発電装置として意義深いものであるといえます。
AT900形のガスタービンはこれまでに約1400台が製造され、その多くは現在でも市場において稼働中であり、ひとびとの安心・安全なくらしを支えています。
【ご参考】
1.重要科学技術史資料(未来技術遺産)とは「科学技術の発達上重要な成果を示し、
次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、
文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」から選定され、国立科学博物館長が
『重要科学技術史資料登録台帳』に登録した文化財です。
2.現在、本機はヤンマー尼崎工場(兵庫県尼崎市)内の展示室に展示されております
(一般非公開)。
また、ヤンマーミュージアム(滋賀県長浜市)にもそのレプリカが展示されて
おります。
【文中脚注ご説明】
※1:単純開放1軸式ガスタービンについて
単純開放1軸式ガスタービンとは、圧縮機、燃焼器、タービンなどガスタービンの基本要素だけで構成され、 圧縮空気がタービンを駆動した後排気ガスとして全量排出されるエンジンを言います。これに対し、排気ガスから熱を回収して燃焼器の負担を減らす再生式や排気ガスを循環させて再使用する閉サイクル式、圧縮機を駆動するタービンと動力取出し用のタービンを別々にした2軸式といったガスタービンの形式があります。
※2:AT900形の回転部の構成(特徴)について(補足説明)
AT900形ガスタービンは最小の構成要素(圧縮機(1段)、タービン(2段))で従来エンジンと同等以上の性能を達成することに成功しました。さらにタービンは翼部とこれを支えるディスク部は一体で鋳造成形されており、翼部とディスク部を別々に成形して組み合わせる従来ディスク構造に対して大幅に部品点数を削減しました。この結果、AT900形ガスタービンはシンプルかつ信頼性の高いエンジンとして非常用ガスタービン発電装置の普及に貢献しました。
※3:非常用発電装装置について
1974 年に実施された消防法の大改正によりビルや大型店舗等に対する防災用発電設備(非常用発電装装置)の設置義務が強化されました。この装置の原動機として主にディーゼルエンジンが使われましたが、1978年の宮城県沖地震の際に一部のディーゼルエンジンが冷却水配管の損傷で稼動できなかったことおよび、小型軽量で振動騒音が少なく水による冷却が不要な小形ガスタービンが非常用発電装置の原動機として見直され急速に市場へ浸透していきました。
<注記>
ニュースリリースに記載されている内容は、記者発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。